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コスタリカの州-アラフエラ(4) サン・ラモン(San Ramón)、教会の前の公園の鳥居

2013-11-23 09:45:21 | コスタリカ

【絵葉書より:サンラモンの近くの滝】
 首都サンホセからプンタレーナスに行く途中に、San Ramón(サン・ラモン、アラフエラ州)という町がある。だいぶプンタレーナスに近くなっているが、まだ高原地帯であり、ここはアラフエラ州に属す。
 この町には、何と、教会の前の公園に日本の神社の鳥居としかいえないものがある。いつ、だれが建てたのかよくわからない。もちろん、鳥居の奥には拝殿などはない。
 以下のサイトには次のような説明があった。
 http://www.geocities.co.jp/milkyway/4202/costarica8912.html
(教会にある鳥居は、珍しくコスタリカ人で太平洋戦争に行って米国側で戦い、日本人を沢山殺した人が、その供養の意味で作ったそうだ。)
 サン・ラモンにはコスタリカ大学の分校があるようで(筆者滞在中は分校はなかった)、このブログによれば、大学の先生の奥さんは日本人とのことである。上記のかっこの中の記述であるが、だれがそのような発言をしたかは不明である。大学の先生か奥さんがまた聞きしたものだろうか。
 しかしながら、筆者はこの説には納得できない。確かに大東亜戦争(「太平洋戦争」はアメリカ側の呼称。これをスペイン語に直訳すれば、Guerra del Pacífico。ただし、これでは1879年から1884年にかけて、ボリビア共和国およびペルー共和国とチリ共和国の間で行われた戦争のことになる)では、コスタリカも日本に対して宣戦布告している。戦争終結後も、日本とコスタリカの間に講和条約は結ばれていないようだが。
 それはともかく、写真をご覧いただくと分かるだろうが、日本にあるのと変わらないような、りっぱな鳥居である。建設費だけでも莫大な金額を要する。さらに、町の一等地に、それもカトリック教会の前に、異教の施設を作るのである。市の許可なく、一介の元兵士がこんなものを建てられるだろうか。
 さらに、供養するなら、キリスト教式でいいのではないか。また、供養するなら、慰霊塔の方がいいのではないかと思うが、そのようなものは見当たらなかった。
 さらにさらに、コスタリカからわざわざアメリカまで出かけて行って、米軍に入隊して、「自由と民主主義」の大義のため(コスタリカのためではない)に、戦うコスタリカ人が果たしているものだろうか。
 そのうえ、わざわざ敵だけを供養するほどの殊勝なコスタリカ人がいるのだろうか。
 筆者の推測だが、町の一等地に、役所の許可を得て、大金をかけてこんなものを作れるのは、ペルーのリマにある天野博物館の創設者である天野芳太郎氏以外に考えられないのだが。天野氏はコスタリカのプンタレーナス州でも活躍していたが、天野氏についてはプンタレーナス州のところで詳述する。
      サンラモン 鳥居をくぐり 教会へ
 実際には、鳥居をくぐらなくても教会へ行けるのだが。
天界航路―天野芳太郎とその時代 (1984年)


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