アメリカなどに移民した後、姓を完全に変えてしまうわけではないが、少し変更するケースもある。
一例をあげる。スージー・クワトロ(Suzi Quatro)の姓 “Quatro” はポルトガル語で「4」の意味である。スペイン語の「4」は“cuatro” とつづるが、発音はポルトガル語と大体同じである。イタリア語では“quattro” である。
【若き日のスージー・クワトロ】
ところが、スージー・クワトロはポルトガル系ではないのである。父方の爺さんがイタリア系で本来の姓は“Quattrocchi”だったのだが、移民局の役人がうまく発音できないので、“Quatro”にされてしまったんだとか(英語版ウィキペディアによる)。
で、元の姓“Quattrocchi”は普通名詞としては、「眼鏡をかけた人」という意味である。quattrocchi とはquattro (4) + occhi (occhio「目」の複数形)がつまって、“o”が一つ脱落した形である。「四つの目」が直訳であるが、日本でも眼鏡をかけた子が「四つ目」と言ってからかわれていたことを思い出す。コスタリカでも同様に、“cuatro ojos”と言ってからかっているようであるが、“Cuatrojos”という姓の人にはお目にかかったことはない。
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