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ヴィッセル神戸に入団したイニエスタ選手(1)個人名 Andrés

2018-07-07 17:27:19 | 名前
  ヴィッセル神戸に入団した、サッカー・スペイン代表のイニエスタ選手。フルネームはウィキペディア「アンドレス・イニエスタ」によると、「アンドレス・イニエスタ・ルハン」(Andrés Iniesta Luján)。
 ファーストネームに敬称の Don をつけて、Don Andrés と呼ばれることもあるが、El Ilusionista(手品師)El Cerebro(頭脳)、El Caballero Pálido(青白き騎士)というニックネームもあるそうだ。

【イニエスタ選手】
 ilusionista は英語の illusionist に相当することはすぐにわかる。cerebro はラテン語 cerebrum に由来するが、これはそのまま英語に取り入れられている。ただし、解剖用語である(日常用語では brain)。caballero は最近何度も取り上げている言葉なので、説明の必要はあるまい。pálido の英語形は pallid だが、「青白い」の意味では pale の方が一般的だろう。
 さて、イニエスタ選手の個人名は Andrés、父の父姓が Iniesta、母の父姓が Luján である。
 個人名の Andrés は英語の Andrew、フランス語の André に相当する。スペイン語版ウィキペディア“Andrés”によると、Andrés という名前はギリシャ語由来で、その意味は“hombre fuerte, viril, valiente y ganador”(強い、男らしい、勇敢な男、勝利者)とのこと。 
 
 【聖アンデレ(San Andrés)。キリストの十二使徒のひとり(スペイン語版ウィキペディア“Andrés”より)】
 「アンドレス」といえば、初期のボンド・ガール、「ウルスラ・アンドレス」を連想するが、こちらの「アンドレス」は姓で Andress とつづる。ひょっとしたら、Andrés とも関係があるのかもしれないと思い、調べてみた。
 
 【ウルスラ・アンドレス。『007 ドクター・ノオ』(1962年)より】
 “House of Names.com”というサイトには Andrew という名前に由来すると書かれていた(英語の Andrews に対応する)。スコットランドに起源を持つようである。
 
【ドイツの Andress 家の紋章。“The Tree Maker”より】
 蛇足だが、「ウルスラ・アンドレス」は人気絶頂のころ、Andress をもじって、Undress(服を脱ぐ)というニックネームも頂戴していたようである。

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