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ヤクルト・スワローズや読売ジャイアンツなどで活躍したペタジーニ選手

2018-02-05 16:15:05 | 名前
  今回はヤクルト・スワローズ、読売ジャイアンツなどで活躍したペタジーニ選手。ずいぶん年上の奥さんがいたことでも話題になっていた。
 
 そのペタジーニ選手。ベネズエラ出身で、DeNAのラミレス監督、同じくDeNAのロペス選手、元西武などのカブレラ選手と同郷である。
 フルネームは「ロベルト・アントニオ・ペタジーニ・エルナンデス」(Roberto Antonio Petagine Hernández)。個人名が Roberto Antonio で、Petagine が父の父姓、Hernández が母の父姓である。
 個人名は2つともよくある名前で特に言及することもあるまい。父の父姓である Petagine は後回しにして、母の父姓の Hernández から片付けよう。
 シアトル・マリナーズのエースもベネズエラ出身の Hernández 選手で、こちらは「ヘルナンデス」とカタカナ表記されているが、これは英語読みで、スペイン語では h は発音しない。スペイン語としては「エルナンデス」が正しい。“Historia Apellidos”によると、Hernández 姓はスペインでは13位。世界的にみると、絶対数ではメキシコ、人口比ではニカラグアに多い。
Hernández は“hijo de Hernán o Hernando”(エルナンまたはエルナンドの息子)の意味である。よく似た姓に Fernández があるが、こちらの方が多く、スペインでは第4位である。
 さて、父の父姓である Petagine はカタカナ表記では「ペタジーニ」だが、これは英語読みである。スペイン語なら、「ペタヒーネ」と発音しなければならない。Petagine をいつものように“Historia Apellidos”で検索してみたが、ヒットしなかった。Destrade 同様、外国起源のようである。イタリア語っぽいので、イタリア語版の yahoo で検索したら、“CodiceInverso.it”というサイトに Petagine 姓が出てきた。イタリア語ならば、カタカナ標記は「ペタジーネ」が正しい。このサイトによると、イタリア全土で Petagine 姓の家族は32だそうで、珍しい部類ではなかろうか。
 中南米におけるイタリア移民はスペイン・ポルトガル系ほど多くはない。アルゼンチンには比較的イタリア系が多い。サッカーのメッシ(Messi)はイタリア系である。コスタリカにも「○○リーニ」というイタリア系の姓を持つ人もいた。ペタジーニ選手のご先祖様もイタリアからベネズエラに流れ着いたのであろう。
 ちなみにベネズエラ(Venezuela)という国名は「小ベネチア」という意味で、イタリアにゆかりがある。ただし、名づけたのはイタリア人ではなく、スペイン人だそうである。
 小学館『西和中辞典』には、「マラカイボ湖畔の町がイタリアのベネチアに似ているのでスペイン人が『小ベネチア』と名づけ、後に国名となる」とある。

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