阪神タイガースのロサリオ選手。フルネームは「ウィリーン・アリースメンディ・ロサリオ・エルナンデス」(Wilin Arismendy Rosario Hernández)。
なぜかウィキペディアの項目は「ウィリン・ロザリオ」と、「ロサリオ」ではなく、「ロザリオ」と濁点がついている。フルネームの紹介では「ロサリオ」で濁点がついていない。阪神タイガースは「ロサリオ」で登録している。
なぜ、「ロザリオ」と濁点がついているのかというと、カトリックの用語に「ロザリオ」があるからだろう。「ロザリオ」はポルトガル語 rosário から日本語に入り、キリシタン用語「ロザリヨ」、「ロザリオ」となった。
ポルトガル語の rosário はスペイン語の rosario と同源であるが、つづりが少々違う(英語形は rosary)。また、発音も少しだけ違う。ポルトガル語では母音間の s が [z] で発音されるのに対して、スペイン語では [s] 音なのである。熱心なカトリック信者はもちろん、信者でない日本人も「ロザリオ」という言葉になじみがあるので、Rosario という名前はつい「ロザリオ」と読んでしまうのだろう。
さて、スペイン語の普通名詞 rosario は小学館『西和中辞典』では「ロザリオ、数珠、ロザリオの祈り」などと訳されている。「数珠」という訳語もあるが、仏教の数珠ではなく、十字架付のネックレスのようなものである。
【ウィキペディア「ロザリオ」より】
ついでながら、rosario という語はラテン語 rosarium「バラの園」(rosa の派生語)に由来する。また、ロザリオの祈りは、数珠だまの1つ1つが聖母のバラの冠を象徴することから転義したとされる(小学館『西和中辞典』より)。
「ロザリオの祈り」についてはリンクを参照いただきたい。
ラテンアメリカはカトリック圏なので、ロサリオ選手も熱心かどうかは別として、カトリックではないかと思われる。ただ、最近はコスタリカでもエホバの証人などのプロテスタントも勢力を増している。ドミニカ共和国の宗教の現状は知らないが、ひょっとしたらコスタリカと同じような状況かもしれない。
ロサリオ選手の場合、もし、熱心なカトリックだと、名前どおりにロザリオをかけていなければなるまい。写真からはロザリオは見えないけれど。
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さて、スペイン語の普通名詞 rosario は小学館『西和中辞典』では「ロザリオ、数珠、ロザリオの祈り」などと訳されている。「数珠」という訳語もあるが、仏教の数珠ではなく、十字架付のネックレスのようなものである。
【ウィキペディア「ロザリオ」より】
ついでながら、rosario という語はラテン語 rosarium「バラの園」(rosa の派生語)に由来する。また、ロザリオの祈りは、数珠だまの1つ1つが聖母のバラの冠を象徴することから転義したとされる(小学館『西和中辞典』より)。
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