スパニッシュ・オデッセイ

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スペイン語の敬称

2013-01-31 11:22:34 | スペイン語
  前回はコスタリカの下宿でお世話になった“Doña Adilia”のお話で終わったが、“Doña”は「プリマドンナ」の「ドンナ」に関連している。「プリマドンナ」とはイタリア語“prima donna”で、“prima”は英語の“prime”に相当し、「第一の」という意味である。“donna”は“lady”の意味で、このスペイン語形が“doña”というわけだ。
 “Doña”の男性形はあの“Don”である。“Don”や“Doña”は姓ではなく、個人名の前に付ける。男性の場合は、既婚・未婚を問わず、“Don”をつけることができるが、“Doña”は既婚女性にしかつけることができない。いくら年配でも独身女性には“Doña”と言ってはいけないのである。
 一方、姓につける敬称は“Sr.”(señor セニョール)、“Sra.”(señora セニョーラ)、“Srta.”(señorita セニョリータ)である。“Sr.”は“Don”同様、男性ならだれでもつけることができ、既婚・未婚を問わない。“Sra.”は既婚女性、“Srta.”は未婚女性に対して使う。英語では、最近“Ms.”(ミズ)という、既婚・未婚を問わない女性用の敬称が出てきたようだが、スペイン語にはこういったものはない。
 さて、未婚女性を個人名で呼ぶとき、呼び捨てでなく、敬意を表したいのだが、“Doña”は既婚女性専用である。“señorita”に対応する“doñita”という敬称があればいいのだが、“doñita”という言葉は“doña”に「小さい、かわいい」等を意味する縮小辞“-ita”をつけて、一層の親しみを表す場合に使われる。
 そういうわけで、本来、姓の前につける“Srta.”を個人名の前につけて、未婚女性に対する敬意を表すしかないだろう。実際、ペルーでもこんな場面に出くわしたことがある。

 



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