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西武ライオンズのカスティーヨ選手(1)個人名 Fabio と「ビーンボール」

2018-04-06 17:59:52 | 名前
 今回は西武ライオンズのカスティーヨ選手を取り上げる。

 2018年のシーズンから日本でプレーすることになったばかりで、日本版のウィキペディアにはまだ登場しない。英語版には“Fabio Castillo”という項目がある。それによると、フルネームは Fabio Castillo。これだけである。どうやら母の父姓は省略しているようである。出身はドミニカ共和国。現在の日本プロ野球の外国人選手で一番多いのはドミニカ共和国の出身という印象がある。
 そのカスティーヨ投手。初登板で5回までパーフェクト・ピッチングをしていたので、急遽取り上げることにしたわけである。
 まず、個人名の Fabio だが、“Behind The Name”というサイトによると、これは古代ローマの男子名 Fabius に由来するとのこと。この名前はラテン語 faba(英 bean)から来ているらしい。faba と語形が近い「豆」を意味する語は小学館『西和中辞典』には見当たらないが、fabada という言葉ならある。意味は「スペイン Asturias 地方の白インゲン豆の煮込み料理」とのこと。ラテン語 faba の派生語であろう。
 ところで、スペイン語では語頭の f が h に変化している場合もある。例えば、英語の do や make に相当する動詞はスペイン語では hacer(h は読まない)だが、フランス語では faire、イタリア語では fare、ポルトガル語では fazer である。そうすると、faba はスペイン語では haba(アバ)と変化しているかもしれない。
 そこで、『西和中辞典』を調べてみると、やっぱりあった。「ソラマメ(の実)」が第一義である。英語 faba も関連語との記載があったが、研究社『英和中辞典』には faba の項目は見当たらなかった。
  【ソラマメ haba】
 筆者にとっては「豆」を表すスペイン語は frijol(フリホル)である。豆粒を一つだけ食べるということはないので、通常複数形の frijoles(フリホレス)を使っている。frijol は『西和中辞典』によると、「新大陸起源のインゲンマメの総称」ということである。
  【frijoles】
 カスティーヨ選手にとっても、「豆」といえば、haba (faba) ではなく、frijoles であろう。
 余談だが、日本の豆料理は甘いものが多いようであるが、世界的には甘くないのが主流ではないだろうか。frijoles をつぶしたアンコのようなものを見ると、日本人は当然、ぜんざいのような甘いものだと思うかもしれないが、残念ながらむしろ塩味である。逆に外国人がぜんざいを食べると、甘いのでびっくりして、顔をしかめるかもしれない。 
 最後に、カスティーヨ選手には個人名の Fabio の元になった言葉 haba (faba、英 bean)のボール(beanball)を投げて、危険球退場にならないように注意願いたい。
 なお、bean とはアメリカの俗語で「頭」の意味である(研究社『英和中辞典』)。 

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