対ソ情報関係の優れた分析家であり研究家だったロバート・ハンセン。
彼はFBI捜査官でありながら、20年の長きに渡り、FBIやCIAの国家の安全保障に関わる重要な機密をソ連、ロシアに流し続けていた。
彼のせいで、KGB内部でアメリカのために情報活動にあたっていたスパイも相次いで逮捕され処刑されたという。
その数は現在わかっているだけでも50人をくだらない。
一体何が彼を二重スパイという暗黒の道に追いやってしまったのか。
この映画は実話に基づいて、ロバート・ハンセンが逮捕されるまでの二ヶ月間を描いている。
地味ながらもなかなか見ごたえのある映画だった。
狡猾で人を信用しないハンセンを監視し、彼の逮捕に大きく貢献したFBI訓練捜査官オニール役にライアン・フィリップ。
そしてウェブスター元FBI長官に「500年に一度の大洪水」と言わしめた、国家に対する裏切り行為を行ってきたロバート・ハンセンにはクリス・クーパー。
ロバート・ハンセンを監視するようにオニールに命ずる、仕事一筋の上司役にローラ・リニー。
この三人はまさしく適材適所といった感じで、この映画を見てしまった後では彼ら以外の配役は考えられないほど。
特にクリス・クーパーは、ロバート・ハンセンを単なる二重スパイとしてではなく、心に本人にも説明できない何かを内包した、哀れな男をうまく演じている。
ライアン・フィリップも、国を欺き続けたハンセンを欺かねばならないという複雑なポジションにいた、悩める青年オニールを好演している。
ライアン・フィリップは、決して派手ではないけれど、これからますます活躍していきそうな予感がするなあ。
ロバート・ハンセンは64歳になる今も服役中だというが、スパイになった動機は未だにわかっていない・・・というか公表されていない。
能力のある自分に対するFBIの待遇が悪かったからだとか、父親の虐待に近い厳しい躾のせいだとか色々言われているが、あらゆる要因が複合した結果であって、本人にも説明できない複雑なものなのだろう。
ジェイソン・ボーンシリーズなどを見ても思ったけれど、つくづくアメリカという国は大きくなりすぎてしまったのではないかと思う。
そして自分たちの国は一番だというおごりが、世界中にクモの巣のような網をはりめぐらせる。
だがどんなに丈夫なクモの網でも必ず何処かにほころびはできるものなのだ。
ロバート・ハンセンが逮捕され、オニールも自身の仕事に疑問を持ちFBIを辞するのだが、最後にエレベーターでこの二人が鉢合わせになる場面がある。
その時のクリス・クーパーの・・・というよりロバート・ハンセンの闇のような真っ黒な瞳・・・。
彼の心を映し出したようなその瞳がひときわ印象に残ったラストであった。
なかなか面白そうですね。
新作かな?
だとしたらノーチェックでした。
ライアン・フィリップ、一時期は単にリーズ・ウィザースプーンの旦那というだけの存在でしたが、最近はなかなかいい役者になりましたよね。
でも彼はウマ面ではないので、dimさんの好みではないんですよね?笑。
クリス・クーパーにハズレなしですよ。
ライアン君はがんばってますね。
「カオス」とか「父親たちの星条旗」とかマジで良かった。
だけど、元嫁のアゴ女の映画はオモロイのほとんどなし。
秀作は「ハイスクール白書」ぐらいですよ。未公開だけど。
「キューティ・ブロンド」はとにかく最低です。
パッパラパーの女学生が見たら勘違いしますよ。
ラクして頭良くなれるって思い込んで。
それもこれもアゴ女の責任です!
「アメリカを売った男」という邦題なのですね。うちのも変更しておきますだ。
ライアン・フィリップ、ちょうどジェイソン・ボーンの話が出てましたが、なんとなくマット・デイモン系ですよね。もうちょっと若かったらマットがやってそうな感じだなと思いつつ観てました。
しかし・・・20年も周囲を欺き続けるってしんどいですよね。
なんだかパソコンの調子が悪いんだかなんだかわからんけど、ずっとネットが繋がりまへん。だもんで携帯でレス書いているのですが、ボチボチ打つのはなかなか大変です。
この映画はドンパチがあるわけでなく、誰かが死ぬわけでもない地味な映画なんですが、わりと見応えはあると思います。
ライアン・フィリップは私の中では人間というより羊のイメージかな~。
そろそろエンジンかかってきたのでしょいか?
shit節が聞けるのは私としては実に嬉しい限りです♪
フィリップくん、頑張ってますね。別に好みではないけど、密かに応援しておりますです。
アゴ女は「ペネロピ」でアネゴの役をやっていたけどなかなかよかった。彼女は実生活でも実はサバサバしている人なんじゃないかな。
「メラニーがいく」なんかは許せないけどね(笑)。
クリス・クーパー流石です。顔、ちっとも似てないけど、なんか不思議とハンセンに見えてきます。
実はやきそばさんのところでこの映画のレビューを読んで「この映画見てみたいなあ」とずっと思っていたのですよ。やっと見ることができてよかったです。
派手ではないけれど、クリス・クーパーやライアン・フィリップがいい演技を見せてくれますよねえ。
ひ~!やきそばさんに素晴らしいなんて言われると照れちゃいます~。なんか国語の先生に花丸もらったみたいで嬉しいです♪
しかし…ハンセンは20年もFBIを欺くことが出来たのに、最後はあっけなかったですね。やきそばさんがおっしゃるとおり、気がゆるんでいたのかなあ。
いや~人間って本当に面白いなあって思いますわ。
ぶれない視点がいいんですよね~
いつも感心して読まさせていただいております。
この映画も、どうしようかな?と思ってましたけど、やはり行こう!と思いましたもん。
ライアン・フィリップは好みのタイプじゃないけど、『クラッシュ』のときのおどおどした感じは結構気に入って、それから何作か彼の名前に惹かれて見ました。
「鼻の穴が大きいなあ」(殴
なんて思いつつ。(殴(殴(殴(どこを見てるんだ!)
またこの映画を見たら遊びに来ます♪
そうそう、あご女さん、ペネロピでは結構許せましたね。あれはスクーターに乗るのに、ヘルメット被っていて、あごがあまり見えなかったからではないかと・・・・(爆)
レスが遅くなってもうしわけございません。
>ライアン・フィリップは好みのタイプじゃないけど
>「鼻の穴が大きいなあ」(殴
なんて思いつつ
右に同じでございます~~(笑)。
ワタシも好みじゃないんですけど、なんか頑張っているのが伝わってきて、応援したくなるんです。
鼻も確かにでかいですよね。
鼻が大きくて高い人が好きなワタクシも、ちょいと彼の鼻は受け付けません・・・。
この映画は盛り上がりに欠けるしわりと地味なんですけど、役者がすごい生きているっていうか・・・自分は結構好きです。こういうの。
いやークリス・クーパーうまいっすよ、やっぱり。
これでイケメンの捜査官とか出てきてくれりゃ、言うことなしなんですけどね・・・。
わたしゃクリス・クーパーが好きでして、彼の屈折演技全開となるであろうこの作品も、観られる日が楽しみ。しかもわたしゃ、こういう屈折しまくった人間のお話が大好物なので(笑)、2倍楽しみ。
またdimさんのレビューの切れ味からも、良い作品だと察せられます。
東京の友人がこれと「スルース」の2本をハシゴしてきたらしいのですが、偶然にも両作品とも、老年の男VS若い男の2人の演技バトル!で素晴らしかったと言ってました。
ワタシもこの2作品が観たくて、特に「老」の二人に期待してるのですが、そうですか、dimさんもクリス・クーパー、オススメですか♪
・・・こちらではまだチラシにも劇場予告編にもお目にかかれないのですけどね~~はふぅ。