That's awesome

海外ドラマや映画の感想いろいろ書いてます。

Sherlock 2-2 The Hounds of Baskerville その2

2014-05-16 23:52:59 | Sherlock S2E2
「バスカヴィルの犬」

Director: Paul McGuigan
Writers: Mark Gatiss

前回、カウチにまるまるシャーロックがかわいい!と書きましたが
冷静に考えるとまるまってる姿に違和感がない男性30代、というのもどうなんでしょう。。。


続きです。

221B。
テレビではダートムアのドキュメンタリーが流れています。
この土地にあるバスカヴィルの施設を映し出しながらリポーターが「生物化学兵器研究所」と紹介し、
政府の陰謀を仄めかしています。
第2次大戦以降、この研究所では「遺伝子変異による動物兵器の開発」をしている噂が断たず、
怪物が存在すると言われている、とリポーターが話します。
シャーロックはテレビの画面と向かい側に座る依頼人、ヘンリーに交互に視線をやりながら
指だけイライラと動いています。

画面はヘンリーへのインタビューに変わります。
「僕は子供だった。湿原にいた。暗かったけど確かに見たんだ。父を殺した何かを。」
そしてヘンリーが9歳の時に描いた絵が映ります。
シャーロックはそこでテレビを消し「何を見たんだ?」と聞きます。
「これからそれを言うところだよ。」とヘンリーが言うと、
「テレビのインタビューではなく、編集されていない話を聞きたい。」とシャーロック。

「そうだよね、ごめん。」そういいながらナプキンを出して鼻を拭くヘンリー。
「ゆっくりでいいよ。」とジョンが気遣いますが「でも、早くしてね。」とシャーロック。
「ダートムアをご存知ですか?ちょっと荒涼としていますがとても美しい所なんです。」
「興味ないから先に進んで。」
そうシャーロックが言った時のジョンがちょっと怖いです。

「母が死んだあとよく父とそこを散歩したんです。」とヘンリーが続けると
「お父さんが殺された夜の話をしよう。どこで殺されたんだ?」
「Dewar's Hollow と呼ばれる地元では有名な場所で・・」とここでヘンリーがシャーロックを見ると
「続けて」と言うように首を傾げるので「古い言葉で悪魔の事なんです。」ヘンリーが言いますが、
シャーロックは片眉を上げて「それで?」とだけなのでジョンがちゃんとフォロー。
「君はあの夜、悪魔を見た?」ジョンの問いかけにヘンリーは「Yes」と答えます。
「巨大で、まっ黒な毛皮で、赤い目をしていた。そいつが父を捕らえて引き裂きバラバラにした。」
シャーロックはヘンリーをじっと見つめます。

「それしか覚えてない。次の日の朝、湿原を彷徨っているところを僕は保護されたんだ。
父の死体は見つからなかった。」
ヘンリーの言葉を受けて「オオカミかな?」とジョンがシャーロックに話しかけると
「遺伝子実験かも。」とシャーロックがバカにしたように言うので、
「あなたは僕を笑うんですか?ミスター・ホームズ」とヘンリー。
「なぜ?冗談なのか?」
「僕の父はバスカヴィルで怪物が生み出されているといつも訴えてみんなに笑われていた。
少なくともテレビの人たちは真剣に話を聞いてくれたんだ。」
「そして僕が思うにデボン州観光旅行促進の役に立った。(ダートムーアはデボン州です)」
表情も変えずに皮肉炸裂のシャーロックをジョンが食い止めます。
「ヘンリー、お父さんの事件は20年前の事だ。なぜ、今依頼を?」
ヘンリーはシャーロックに向かって答えます。
「ミスター・ホームズ、全て笑いごとだと思っているなら僕の助けになるとは思えない。」
ヘンリーがそう訴えて席を立つと代わりにシャーロックがジョンの質問に答えます。
「昨夜、何かが起こったからだ。」
「昨夜って何が?」ジョンが再び聞くと、ヘンリーも立ち止まり「何で知ってるんだ?」と言います。
「知ってるんじゃない、観察しただけだ。」
シャーロックの言葉にジョンがちょっとうんざり顔です。「始まったよ」って感じですかね?

「君は今朝始発の電車でデボンから来た。電車の中でまずい朝食とコーヒーを摂った。
通路をはさんだ向かいの席の女性を気に入ったが今は気が変わった。
ただ、君は今日最初の煙草を切望している。座りなさい、ミスター・ナイト。
そして煙草を吸いなさい。僕も喜ぶ。」
ヘンリーは呆然としながらジョンの顔を見ますが、ジョンはため息するだけでした。
再び椅子に座りながら「なぜ、わかったんですか?」と聞けばジョンが、
「大したことじゃない。」と言いますがシャーロックは構わず続けようとします。
「パンチされたチケットのクズ・・・」
「シャーロック、今はダメだ。」
「いいだろう、ずっとここに閉じ込められてるんだから。」
「君はひけらかしているだけだ。」
「もちろん、それが僕の仕事だ。」そう言うとヘンリーに向かいます。

「君は電車でコーヒーをこぼしナプキンで拭き取った。その染みから、君がミルクを飲まなかったとわかる。
更にその上にはケチャップも。君の唇や袖にもついている。電車で出される朝食と言ったらおそらくサンドイッチだろう。」
「なぜ朝食がまずいとわかるんだ?」
「電車の食事なんてまずいに決まっている。」まだまだ続きます。
「ナプキンにある手書きの文字は女性特有のものだ。文字の角度から通路の向こう側の座席から書いたことがわかる。
そして彼女が電車を降りた後、これは想像だが、君はこぼしたコーヒーをナプキンで拭き取った時に、番号が滲んでしまった。
だから自分のペンでなぞった。しかしさっき君はそのナプキンで鼻を拭いた。もう彼女に興味がない事がわかる。
君の指はニコチンに染まっていて今は指が震えている。それが何のサインなのか僕にはわかるんだ。
電車では吸えないし、キャブでここに来る前にも吸う時間はなかった。」
「今は9時15分。そろそろ我慢の限界だ。
エクセター発(デボン州にある町です)ロンドン行きの始発は5時46分だ。
始発に乗らなければならない重要な何かが昨夜起こった。間違いはあるか?」

しばし呆然のヘンリーは一言「No」とだけ言い、それを聞いたシャーロックが営業用スマイル。
(だって目が笑ってないし。。。)
「完璧だ。驚いたな、話には聞いていたけど。」
「それが僕の本業だ。」
そして突然ヘンリーの方に乗り出すと「さあ、もう黙って、煙草を吸って。」と真剣に言います。
メモをとっていたジョンがその様子を見て眉をひそめながらもヘンリーに質問します。
「ヘンリー、君は7歳で既にご両親を亡くしているんだね。」
その時シャーロックは煙草を吸い始めたヘンリーに近づくと勢いよくヘンリーの煙を吸い込みます。
(この場面初めて観たときはあまりにもコントっぷりなSherlock(ベネディクト)に衝撃を受けましたよー)

ヘンリー固まりつつも「そうです。」と答えジョンもきりっと医者的発言をします。
「かなりトラウマになっただろう。君の傷ついた心が話を創作したかもしれない・・」
再びヘンリーの煙を吸い込むシャーロックですがその姿に呆然としながらも話を続けるふたりでした。
「・・どうかな?」とジョン。
「それはモーティマー先生も言っていました。」
「誰?」とジョンに「彼のセラピストだ。」とシャーロック。
「そうです。」とヘンリーが答えると「明白だ」と再びニッコリとシャーロック。

「ルイーズ・モーティマー。彼女は僕が自分と向きあわないといけないと考えています。
それがダートムアに戻ってきた理由です。」
「ヘンリー、君がデュワーズ窪地に戻った時何があったんだ?
君はセラピストのアドバイスを聞いてそこに戻り、今は諮問探偵に相談をしている。
君を変えたものは何だ?」
「窪地は奇妙なところなんだ。自分の中に冷たい恐怖を感じる。」
「詩が読みたくなったらジョンが彼女に送ったメールを読むから大丈夫。」
ジョン、爆発5秒前のような深呼吸(笑)
「何を見たんだ?」
「足跡。父が殺された場所にあった。」
その言葉を聞いてシャーロックはあきれたように椅子の背もたれに寄りかかります。
「男?女?」ジョンが真剣に質問をすると「どちらでもない。それは・・・」とヘンリーの言葉を遮るように
「足跡?それだけか?」とシャーロック。
「だけど、それは・・・」
「悪いけど、モーティマー先生の言う通りだ。それは子供の頃のトラウマが作り出した妄想だ。
つまらん!さよなら、ミスター・ナイト。煙草をありがとう。」
「だけど足跡はどう説明を?」
「他の動物だって足跡はつくだろう。それだけだ。君とデボンに行ってお茶でもおごるよ。」
シャーロックはそう言うとキッチンに行くのでヘンリーは振り返り叫びます。
「ミスター・ホームズ、その足跡は巨大なハウンドなんだ!」
その言葉を聞いて立ち止まったシャーロックは「もう一度言ってくれ。」と言います。

「僕が見つけた足跡は・・・」
「違う、ちゃんと正確に、今言った言葉を繰り返してくれ。」
「ミスター・ホームズ、その足跡は巨大な・・・ハウンドだ。」
その言葉を聞いたシャーロックが突然「依頼を受ける。」と言うのでジョンが「何だって?」と突っ込みます。
「興味深い事件をありがとう。」そう言いながらシャーロックはいつものポーズをとりながら再びリビングへ。
「いやいや、ちょっと待て。さっきまで足跡なんて退屈だって言ってたのに今は興味深い?」
再びジョンの突込みです。
「足跡は関係ないよ、ジョン、君は相変わらず何も聞いていないな。バスカヴィルは知ってる?」
「何となく。それって極秘中の極秘だろ?」
「そこから始めよう。」シャーロックの言葉に「それじゃ、ダートムーアに?」とヘンリー。
「いや、僕は忙しいから行けないけどかわりに優秀な助手を送るよ。」
シャーロックはジョンの肩をポンポンと叩きます。
「理解力は無いけど情報収集に関しては信頼できるんだ。」
「何言ってるんだよ君は。事件なんて抱えてないだろう。ちょっと前まで退屈だって文句言ってたじゃないか。」
「ブルーベルだよ、ジョン。僕にはブルーベルの事件があるんだ。暗闇で光るうさぎだ。」
そしてシャーロックはヘンリーに向かって「NATOが騒いでいるんだ。」と大真面目な顔。
「ちょっとすみません、あなたは来ないんですか?」とヘンリーが言うと、
シャーロックはジョンに向かって例のあの顔です(笑)私の大好きな場面です!

これ、一応残念そうな悲しげな表情らしいですよ。見えないけど(笑)
それを見たジョンは「ああ・・・わかったよ。」と言ってマントルピースの向かいます。
そうして骸骨のビリーを持ち上げ中から煙草を出し、シャーロックの方へ放り投げます。

結局、いつの間にか勝負になっていたんですね。ジョンが隠していた煙草を出す時のこの嬉しそうな顔は、
「煙草が吸える!」ではなくて「勝った!」という表情ですもんね。
そしてシャーロックはそれを一旦受け取りますがすぐに自分の肩越しに投げちゃいます。
「もう要らないよ。僕はダートムーアに行く。」
そしてリビングの出口に向かって歩きながら「ヘンリー、僕たちは後から行く。」と言います。
「え?来てくれるんですか?」と状況がよくわからないヘンリー。
「20年前の失踪に巨大なハウンド。これを逃す手はないだろう。」シャーロック、Game is on!


続きます。