三島由紀夫の同時代の作家には三島がどう見えていたのか。事件直後の週刊誌のコメントは、私はこうなることは判っていた、とかいっているのも多いし、亡くなったあの時点で親しいといっている割に同性愛を否定したり、トンチンカンなこといっているのが多い。さすがだ、と思わされるのは澁澤龍彦くらいである。だからこの直後に、死の一週間前まで撮影していた自らが腹に出刃包丁刺して魚をぶちまけて死んでいる魚屋になっているところを訳知り顔の連中に見せつけざまあみろ、となるはずだったろう。三島は小説の最後の一文がピシッと浮かばないと書き出さなかったという。『男の死』が出なかったおかげでピシッと行かなかった。無念であろう。 野坂昭如の『赫奕たる逆光』私説・三島由紀夫を読んでいる。良いタイトルである。 高校2年の時の担任が、お前ら現国の成績が悪すぎると居残りさせて『真夜中のマリア』を朗読させられた。一年前は、石川達三の『四十八歳の抵抗』だったと聞いた。野坂は家族写真が嫌いで、あんなことしてできた家族と並んでなど恥ずかしくて嫌だというようなことを書いていた。以来この人はちゃんとしたまともな人だと思うようになった。 自身の出自と照らし合わせつつ書かれ面白くて読んでいる。
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アートコレクターズ(生活の友社)引用の美学 存在しないものを撮る 石塚公昭
『石塚公昭 幻想写真展 生き続ける作家た18年7/25~9/2 リコーイメージングスクエア銀座ギャラリーA.W.Pyoutubeこ
2016年『深川の人形作家 石塚公昭の世界』 youtube
※『タウン誌深川』“明日できること今日はせず”連載12回『大つごもり 樋口一葉