『男の死』の個展で、三島由紀夫が最晩年九州に調べに出かけた『神風連』(しんぷうれん)を題材に、神風連の乱を制作した。電線の下を通る時は扇で頭を隠し、すでに鉄砲の時代に西洋文明を拒否し、刀で戦ったような人々である。神風連の乱の場面で三島には切腹してもらったが、映画『憂国』で三島がそうしたように、豚モツを使用したが、ここが写真である。生々しい。展示にはどうか、とその部分を暗くした。その程度で自己規制してしまうようでは、やりたいことを続けるには大リーグボール3号(陰影を消す手法)を編み出さなければ行き詰まっただろう。まさに必要は発明の母である。 陰影のない手法ならば生々しさは消えるだろう。陰影がない代わりにヌメ々の質感も消える。 前から考えていたのは三島や乱歩が好きだった血みどろ絵調で、阪東妻三郎の無声映画『雄呂血』のように捕り的に囲まれ追い詰められる侍、と言う場面である。市ヶ谷の総監室での捕り物にしても良いが、あそこで相手を傷つけたのは三島の方である。ここまでこんなことを考えておいて今さら何を、と言う話しではあるが、こだわりというのはそうした物である。作れば良いという物はではない。俺を汲み取り人にしておいて何を言う、と三島にまで言われそうだが、あなたが彼になりたいなんてお書きになるからですよ。肥桶からこぼれるのを糞尿でなく血にすること、私にしては、思い付くまでちょっと時間かかってしまいましたけど。
新HP
旧HP
アートコレクターズ(生活の友社)引用の美学 存在しないものを撮る 石塚公昭
『石塚公昭 幻想写真展 生き続ける作家た18年7/25~9/2 リコーイメージングスクエア銀座ギャラリーA.W.Pyoutubeこ2016年『深川の人形作家 石塚公昭の世界』 youtube
※『タウン誌深川』“明日できること今日はせず”連載12回『大つごもり 樋口一葉