明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



寒山と拾得はボロを着ている設定だが、陰影のない手法だと、着彩で凝っても、ただ汚くなってしまう場合がある。日本画では着衣のシワなどの描写を衣紋線というそうだが、40年前からやり方は一緒で、実際のシワを改めて観察したこともなく、一挙に作る。全ては表情を生かすためにある。 まずは拾得をボロボロヨタヨタと作ってみた。何が良いといって、石塚式ピクトリアリズムは、日本画調になるけれども、元が粘土製ならではの衣紋になるだろう。実は制作中に寝てしまい、表面が乾いてしまった。通常ならいったん湿らせるのだが、そのまま続けてみたらボロボロの感じになった。こんな〝怪我の功名”を、意図的にやったのだ、という顔をしてやっている手法が多い。陰影を出さない手法は頭で考えたので、手掛けるまで時間がかかってしまった。やってみたら一晩で出来てしまったけれど。



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