寒山拾得の着物のすそをボロボロにする。陰影の無い手法では着彩での汚しはそれこそただ汚い。意図を越えそうなので、ボロは形だけにする。先日思い付いた積雪の場面は、実際やって見なければ効果の程は不明だが、陰影のない石塚式ビクトリアリズムを始めてから、もっともっとの加算しか知らなかった私に減算を覚えろ、といっているようである。成り行きに任せが一番である。内から起こる変化には常に耳を済ませているから取りこぼしはないだろう。 寒山が持つ巻物は、撮影には適当な手持ちの実物を使うつもりなので、とりあえずは着彩を前に、最後に残るは髪である。河童以来の人形用髪を貼り付けるつもりだが、ぶきっちょゆえ、試しにやってみたらめちゃくちゃになった。今度は上手くいくだろうか。