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明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



桂文楽『明烏』('68)古今亭志ん朝『抜け雀』('72)金原亭馬生『親子酒』('78) 三遊亭圓生『掛取万歳』('73) たいした理由があるわけではないのに、妙に縁が無かった人物にジャズのソニー・ロリンズ、ロックのジェフ・ベック、落語の桂文楽がある。志ん生の対極にあるような芸だが、物凄く計算されていて、削りようがないような噺を堪能。志ん朝はまだ若かったが、実に華がある。私が一番好きだった馬生は昔禁酒した時に、ドラマや映画で酒場での飲酒場面がが出てきても平気なのに、馬生だけは駄目で、顔を見ただけでチャンネルを換えたものである。今回はお父っあんが酔うのが早かったが、あれをジワジワとアルコールが沁みていく様をやられたら、とても耐えられるものではない。圓生も好きな噺家であったが、亡くなった時、特集番組で過去の映像を観て、落語といえども、古ければ良いというものではないことを知った。この人たちでないと味わえない味をそれぞれが持っていることに感銘を受けたのであった。 仮に私が何秒で涙腺が緩むか、という競技に出場せねばならなくなった場合、小沢昭一が古今亭志ん生にインタビューした際の話しで、すでに現役を引退して隠居状態にもかかわらず、それまで読んでいたネタ本を慌ててコタツの下に隠した、というエピソードを思い出すことにしている。

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