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明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



ここのところずっと腹の調子が悪い。何か妙な物を食べた訳じゃなし、神経性の物だとしたら私も案外、普通の神経であるのかもしれない。もともと出不精だから変わらないが、長い距離を出掛ける気にならない。 そんな案配ではあるが、本日オイルブリント用ヌードモデルを確保。例によって知り合いにお願いした。ずいぶん前からの知り合いであるが、ハスノハナの会場で再会し、なんだか“今でしょ”的な気分にかられ、お願いしたらOKが出た。このカンが何が根拠なのかは良く判らないのだが、彼氏が止めろという、私にはどうでも良い理由で一人断られたくらいである。そして、あらかじめ透視していたかのように結果も良い。出来の良くない頭か何故だろうと首を傾げるくらいが丁度良く、結果、初めからの計画通りである。という顔をする私である。

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表層の脳で企んだことはことごとくうまくいかない。陶芸家を目指したことだってそうである。昨日の続きになるが、絵の具をそこいら中に着けてオイルブリンと一人格闘していた時は、何しろメカ音痴。さらに昔、一眼レフのビントがあわなかったのは、まだ眼鏡をかけておらず、乱視のせいだったと気付いていないくらいで、いずれ発表などとは考えてもいなかった。であるから、画が出た時点で即止めたのである。表層の脳が早く止めよと苛んでいた。 しかし数年後、たまたま自分の作品を撮影する事になり、個展会場の壁面を飾るようになった。だったらいっそオイルプリントで、と再開する事になった。後から考えると、上の方で、客観的な存在が見ているのでは、と思いたくなるような話である。 考えて見ると人間も本来木や草と同じ自然物である。内部にはちゃんと答えがあるのではないか?その声を聞き逃しさえしなければ、まんざら外すことはなさそうである。今回、グループ展でご一緒した他のお三方も、どちらかというと、耳をすませているタイプとお見受けした。古典技法もさることながら、むしろ、そちらに共通点があったような気さえした。

ご来廊いただいた方々、ツィートその他でご意見いただいた方々に感謝いたします。

鵜の木駅前 会期中通いました。

オイルプリント制作法

インキング映像↓

http://youtu.be/kZozcEqgKsE 

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オイルプリントで個展を続けていた頃、『乱歩夜の夢こそまこと』の制作が決まりオイルプリントを中断した。そして4年続いた『中央公論Adagio』その後『三島由紀夫へのオマージュ展』つづいて『貝の穴に河童の居る事』。である。中井英夫のオマージュ展よりオイルプリントから遠ざかり十年。乱歩本が河童と同じ編集者だったこともあり、河童も終盤に差し掛かった頃には、オイルプリントの再開を考えていた。 この十年の間に写真を取り巻く状況は変わり、デジタルの反作用で古典技法への関心も高まっていた。 それにしても、よくオイルプリントを選んだものだ、と自分でも不思議になる。いくら考えても数ある技法の中で、私に向いているのはこれしかない。そもそも暗室作業が向いていないのだから話にならない。オイルプリントには暗室はいらないのである。 今回のグループ展は私にとって有意義なものであった。展示の予定も写真家になるつもりもないのに、人形作りを中断し、ただやりたいだけで取り組んだ日々を思い出した。こんなことをやっている場合ではない、とはらはらしながらやっていた。改めて、どうしてもやらずにいられないことはやっておくべきだと、思うのであった。それには必ず理由がある。

オイルプリント制作法

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洗濯をしながら部屋の整理。近々世田谷文学館から半年振りに6体の人形が帰ってくる。大変だ。 明日はグループ展最終日である。91年より、写真、カメラに興味がなかったはずの私が人形制作を放っぽりだして、突然始めたオイルプリント。当時一体何をしている。と友情を持って止めてくれたり心配してくれた友人も、ユーチューブで、ブラシでプリントする様子をで見て、あんなことやってたのか、といっていた。それが今日グループ展である。“待てば海路の日和あり”。子供の頃、お隣に勝手に上がりこんで、しょっちゅう聴いていた広沢虎造のレコード『石松三十石船』で覚えた。後年、おかげで、国語のテストで日和をつい“しより”と書いてしまった。 今回、私も色々考えるところがあった。本来の目的であった、人形やデジタルを使うこと、ウソやホントもすべて平らかにしてしまう手段としては、それはもうすでに実現している。過去の作品を改めて見直して見て、オイルの独特のグラデーションを生かしたポートレイトやヌード。つまり人物を撮りたくなった。そもそも形や内容を含め、人間にしか興味が無いところから私の人形制作は始まっている。顔が命といわれる人形を作って幾年月。そんな私ならではのアプローチが可能ではないだろうか。 会期中、鵜の木駅前の焼き鳥屋のTVでステージを見たばかりの岩崎宏美さんと、御主人の今拓哉さんが来廊された。どうやら楽しんでいただけたようである。件の焼き鳥もゲットとのこと。明日最終日。焼き鳥屋のオジサン、気がついたか訊いてみよう。

『モダン藝術写真展』9月15日(月)~10月7日(火)

http://t.co/lc05lwVaiM

オイルプリント制作法

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hasu no hanaへ向かう為、12時にT千穂の女将さんと、常連でギター仲間のトラックドライバーSさんと、昨日に続きイタチのKさんである。休みの日にどこにも行くところがないので一緒に行きたいという。定年過ぎたら飲むかパチンコしかない。そこで我々が飲もうがアルコールは一切禁止、ギャラリー内の椅子には座らない。という条件で許した。素面であればオドオドしたチワワ程度のものである。  鵜の木に着いて昼食後ギャラリーへ。ビリケン商会の三原さんがみえていた。三原さんとは付き合いが長い。ビリケン商会のはす向かいにあったギャラリーで82年に初個展、翌2度目の個展に来てくれた。以来、私の重要な場面、また私の見えないところで何かとお世話になっている。フェイスブックの画像では常にニコニコと満面の笑みだから、昔ビリケンにいたのは、双子の兄弟のもう一方であろう。 都写美の藤村里美さんが来廊。今から十数年前、古典技法を担当していた藤村さんを作品を持って訪ねた。古典技法のグループ展に参加している今日、隔世の感があるが、人見知りの私が訪ねて行くほど、話し相手がいなかった。 閉廊後、雑巾がけの?白石ちえこさんと飲みにいく。知り合ったのは20年ほど前だろうか。話はあらゆる方向に及び盛り上がり終電まで。 白石さんにもイタチのK公が愉快なおじさんに見えるらしい。実情を暴露したいが、そんな輩とよく一緒に、と私の品性が疑われるのでいえないのが実に悔しい。かといって利用価値がないわけではない。大きさが三島由紀夫とほぼ同じなので、『潮騒あるいは真夏の死』では、水に接するわずかな部分を人形と合成するためだけに房総に連れて行き、冷たい々とむずがるのを、日頃の憂さ晴らしを兼ね、つべこべいうな、と海水に浸けた。

※半年に及んだ世田谷文学館の展示が終了いたしました。有難う御座いました。

『モダン藝術写真展』9月15日(月)~10月7日(火)

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会期も終盤である。額のアクリル板を外し見え方が変わった。 写真というはた迷惑な用語から決別するとなると、同時に古典技法という用語からも、ということになる。写真の歴史自体、たかだか200年である。写真とすれば古典だ、という程度のことである。 オイルプリントが、用紙にただ油性絵の具が残るピグメント法であるところがポイントである。写真と思うから首をかしげられてしまう。見たことが無い物に対して、まずこれは何?となってしまうのが日本人なのだな。と発表当時感じたので、私なりのやり方になっていたが、技法の公開をした。一方。技法の不思議さにばかり目がいって、肝心の私の表現が届かないとしたら作品に力が無いからだ。私もそのくらいのことは考える。オイルプリントを休止していた間に、頭に浮かんだ程度のイメージは取り出せるようになった。制作途中の粘土像を前に、何処かヘンなのに何をどうしていいか判らない。そんな昔良く見た夢も最近は見ることもない。  『The Pit and the Pendulum』。縛り付けられたポーの上に、徐々に迫る刃の付いた恐怖の振子。制作を頼む友人の一人が通風になってしまい、会場に行かれるかどうか判らないとのメール。

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『モダン藝術写真展』9月15日(月)~10月7日(火)

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※世田谷文学館にて展示中10月5日まで

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オイルプリントを再開し、この期に及んで“写真”というはた迷惑な用語から、決別の時が近い、と考えている。写真だろうが版画だろうが印刷だろうがガリ版だろうがプリントである。デジタル時代になり、データの加工は出来るし簡単に失われてしまう。“確たる物”でなくなってしまった。確たる物でないもので真を写す。ということになってしまった訳である。特に何に対していっている訳ではないが、ザマアミロ。という気分である。よってここへ来て、私がかつてイメージした、デジタルと修験者の技のようなアナログな技術を合流させた、人形も人間も、ウソもホントもどうでも良い世界。にようやく違和感はなくなったと感じている。 萩谷剛さんが日本酒を抱えて来廊。昔萩谷さんが編集されていた『クラシックカメラ選科』に、泉鏡花のオイルプリントとともに一文を書かせていただいたことがある。この時は、まだデジタル化がこれほど急速に進むと思っていなかったが、今読むと、内心良い時代が来つつある、と予感しながらもいいたいことを遠慮しているのが判り可笑しい。 そのさらに数年前、ここに同年代と思われる三人の読者投稿があり、そこに作例として写っていたのが田村写真の田村さんである。私が穴の開くほど見ていたおかげで、ある場所で私が田村さんを“発見”した。「ベンチに座っていた方じゃないですか?」。その田村さんも、今では湿版写真の普及に忙しい。 オイルプリントの試作を一人繰り返していた私には、話す相手がいない。もう一人の投稿者Iさんの勤める中古カメラ店にオイルの習作を持って会いにいった。「いつか写真用品店じゃなく、薬品問屋に通って作品を作る人が現れると思った」。といわれた。

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『モダン藝術写真展』9月15日(月)~10月7日(火)

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当ブログは実際より20パーセントほど爽やかに書いている。 今回出品しているエドガー・アラン・ポーの制作は難航した。今までを考えても1,2を争う難航ぶりであろう。その間に今回のグループ展の話が持ち上がった。 オイルプリントを休止していた間も、今まで制作してきたネガやデジタルデータはすべてオイルプリント化が可能である、という前提でいたので、オイルプリントを出品するのであれば、その中から選べば良かったが、ポーはオイルプリント向きであろう、と勢いで決めてしまった。10年ぶりのプリントであり、さらに夏にプリントするのも初めてという不安もあり、制作を急ぎたかったが、こればかりはどうにもならない。結局ギリギリまで制作したおかげでインクが乾かず、大事な一作を駄目にした。 ということで、今回お知らせの送付がほとんどできなかったし、メールを送ろうにも、度重なるPC、携帯の不調により、それもままならず。というわけで会期も後半に突入している本日。長々と失礼に対する言い訳を連ねてしまった。 廊主が勉強熱心で各技法の理解度日々アップ。かつて廊主にオイルプリントを、会期終了まで解らない々といわれ続けたことを思うと実に心強い。明日日曜日は、作家3人在廊の予定です。この機会には、遠慮なく各作家に質問して下さい。

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『モダン藝術写真展』9月15日(月)~10月7日(火)

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溜まった洗濯をしていて寝てしまい、出かけるのが遅れる。暇つぶしになろうかとサインに失敗した『貝の穴に河童の居る事』(風涛社)を持っていった。出版は一昨年だと思い込み、人にもいってしまうが昨年であった。どうも、知らないうちに時間が経ってしまい、恥ずかしいことになるので、ちょっと多めに思い込む癖が付いているのかもしれない。 会場に着いたのが3時過ぎ。すぐに『貝の穴』に出演してくれた親子が来場。好色な河童が海辺に旅行に来た娘の尻に触ろうとしてケガをするところから始まる。その尻の持ち主が結婚するので本日は衣装合わせで両親と出かけたついでに寄ってくれた。お母さんも踊りの師匠役で出てもらっている。旅館の番頭さんも来てくれるだろうし、世田谷文学館は遠くて行かない、といっているタクシーの運転手も、こちらには来てくれるであろう。 その後、歌人の藤原龍一郎さんがお出でに。住まいの向かいの小学校のご出身だそうである。プロレス関連のお話もちらっと。すれ違いばかりでようやくお会いできた。 先日海外の写真展に招かれ、ロールスロイスにレッドカーペット待遇を受けたという権平太一さん見える。私がオイルプリントを始めたきっかけの野島康三は海外では大変な人気だそうである。三島も人気があるようなので、放りっぱなしだったページを作ってみた。久しぶりに眺めたが、最近は自分の頭に浮かんだ画は必ず可視化しているが、今見ると、どうやって作ったか判らない作品もある。

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朝メールをチェックしていると、私が何かを依頼され、そして断ったらしいメールが着ていた。まったく身に覚えがない。昨晩けっこう呑んでいたが、 そこまで訳が判らなくなることはないはずだが。しかし文面を読むと、そうとしか思えない。メールで改めて伺うと、実は送っていただいた美味しい液体の入った瓶と一緒に書類が添えられていたそうである。しかし箱には何も入っていない。それでもお引き受けすることにし、事なきを得た。 本日も一日鵜の木。オイルプリントはモニターで見たのとは随分違うといっていただけるが、表面の独特の艶は、スキャンしようと撮影しようと無理であろう。こればかりは実際に見ていただかないとならない。 終了間際、旧知のO君来る。3年ぶりか。駅近くの店で旧交を温める。この歳になると、体調の話になるのは仕方がないが、O君の周りでは癌が多発しているという。そんな話を別の人と話したばかりである。原発は事故云々以前に、放射能を発散しているという話がリアルに感じる。 帰宅すると玄関に瓶が包まれていた破れた包装紙が放りだされている。内側にちゃんと書類が貼りついていた。それはそうだ。入っているとしたらここであろう。包装紙の、まるでDNAの解析で、126年ぶりに犯人が特定された、切り裂きジャックの被害者の下着のような有様に、一人赤面す。

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『モダン藝術写真展』9月15日(月)~10月7日(火)

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ジャズ・ブルースシリーズから作家シリーズに転向し、最初に作ったのが澁澤龍彦である。何しろたくましい黒人から急に転向したので、何度脚を切断し、粘土をそぎ落としたろうか。おっかなびっくり作ったので非常に小さい、と思い込んでいたが、妖精のように、様々な場所に配するつもりもあってことさら小さく作ったのを思い出した。当時は合成などやっていなかった。雑誌のインタビューで、パソコンについてぼろくそいったのを、未だに覚えている人につっこまれる。 二人目は乱歩か谷崎であった。乱歩の第一作は黄金仮面を持たせ、二作目が気球にぶら下がった乱歩である。 作家シリーズに転向したのは、初めてジャズシリーズを撮影し展示したときに、実写と間違えた編集者がいたことがきっかけである。そんなつもりで作ったわけではない。そこで人形でないと作れない作品を、と始めたので、書斎にいたり、いくらでもある作家像にしたくなかった。それで作ったのが『帝都上空』である。老人である乱歩がピストル持って気球にぶら下がるわけがない。だがしかし。これでも実写だと思う人がいた。これはもうしかたがない。 97年。作家シリーズの一回目の個展は、御遺族に許可をいただきタイトルを『夜の夢こそまこと』にした。8年後の処女出版も同じく。そして17年後にようやくオイルプリントになった。

オイルプリントインキング映像↓

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『モダン藝術写真展』9月15日(月)~10月7日(火)《土曜日曜祝は在廊しています》

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オイルプリントの独学について何度か書いたが、教えてくれる人がいたならともかく、廃れまくって跡形もない技法であった。91年頃ならまだ戦前のブロムオイリストの生き残りがいたはずだが、探しようがない。 程なく当時の文献データから自己流にはみ出し始めた。階調を得る為、シャドー、中間、ハイライトと三種のネガを作り、それぞれインキングを施し転写することにより階調が得られることを知ったが、私にはそういう作業が向いていない。目の前のことだけにしか責任が持てないタチなのである。昔目指した陶芸の世界も、ロクロを回しながら乾燥中の作品のことを気にし、窯の温度を気にし、全体的に作業を進めるが、それがまったく向いていなかった。(ついでにいえば暗室作業がまた向いていない)そこで私はゼラチンの厚みを厚くし、一回で階調をより多く出そうと考えた。 先日も書いたが、後に既成の印画紙を使うブロムオイリストの映像をネットで見て、豚毛のような硬い毛質の大きなブラシを逆手に持ち、ドカドカ画面を叩いているのを見て驚いた。私の方法ではゼラチンがダメージを受け、とてもできない。人形制作もそうだが、比較参考にするものがないせいで、いつのまにか私なりの方法になってしまう。 この映像は、出品中のプリントのインキング映像だが、ゼラチン紙が水を含んで膨張し、レリーフ状になっている様子が判っていただけるだろう。柔らかいブラシを使用し、特に仕上げの段階で、触れるか触れないか、というブラシの使い方をしている。この映像では判りにくいが、あれで画質が微妙に、しかしぐっとアップするところが醍醐味である。 これを写真というか版画というか、どう解釈するかはあなた次第です?ついでに被写体は粘土ですけど。 写真というまことを写す。という言葉を嫌い、まことなどと一切かかわりたくない。と画面から排除することにファイト燃やしてたらこうなりました。

インキング映像↓

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『モダン藝術写真展』9月15日(月)~10月7日(火)

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今回、私も十数年見ていなかった2000年制作のプリントを展示している。見ていると、当時の気分が蘇ってくる。 そういえば、と思い出したのがこの翌年。編集部から有名な芥川龍之介の写真のスキャンデータが送られてきたものを、オイルプリント化した物である。 ついでにこの頃、時にブラシの毛がへばりついてしまう、アナログにも程があるオイルプリントを、某カメラ雑誌のトンチキ編集者に、「こういうものはコンピューターでできるから」。といわれたことまで思い出した。 昔、仕事で使ったポジフィルムを失くされ、悶着があった某企業の男。「二度とウチの仕事があると思うなよ」。と陰でいっていたそうである。(本当に来なかったが)当人はサーフボードを頭にぶつけて死んでしまった。件の編集者がちょっと心配である。

DMを持って、休廊日に来る方が必ずいるものである。月・火・土・日 12:00-19:00 水・金 15:00-22:00 Close:木曜日ということなので、お間違えないよう。私は明日17日は在廊しています。

『モダン藝術写真展』9月15日(月)~10月7日(火)

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会場には個性的なプリントばかりである。普通の作品がない。 2000年頃、個展会場では、制作工程の質問ばかりで、毎日同じ質問に答えるのに閉口した。次からはHPの制作ページをプリントアウトして貼っておいた。あれから時間が経ち、予想はしていたが、この会場に来るのは、普通のプリントがないことを知って来ていただくので楽である。かつて古典印画の専門用語など、覚えたところで話し相手がいなければ無意味ではないか、と1人苦笑していたのが、ここでは思い切り話せる。しかも私以外の3人は女性である。昨日の搬入時、私の空間把握能力のなさ、釘打てば曲げる不器用さを、歳若い女性連の前で披露してしまった。いたたまれなさに、小学生の時、3人の女の子に掃除用具入れに閉じ込められたのを思い出したくらいである。 本日来て頂いたカメラマンの方に、オイルプリントの制作中の様子を撮影したい、といわれた。有難い話であるが、出品作を作ったばかり。部屋がまだ、坂口安吾が裸足で逃げ出す状態である。二十歳の女性からヌードを撮って欲しい、と頼まれ、その程度のことで片付けられる私ではないのである。 掃除用具入れに何故閉じ込められたか。私は虐めっ子でも虐められっ子でもなかったから長年の謎であったが、今書いていて、以前出てきた3年生の時の通信簿に、「掃除の時間に何をしてよいかわからずふらふらしています」と書いてあったことと何か関係があるような気がしてきた。

『モダン藝術写真展』9月15日(月)~10月7日(火)
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搬入  


学生時代、美術展の審査会の搬入のアルバイトをした友人から訊いた話である。審査会場では名簿を見るだけで、作品を見もせず手を上げる審査員がいたそうだが、そんなことはどうでも良い。 ある時、物凄く厚塗りの油絵を運んだ時のこと。絵が床に着いたとたん、全体にズルッと絵自体が下にズレたという。乾いているのは表面だけだった。という話である。本当の話だったかどうか。その友人は亡くなったので確かめようがない。(子供時代、“乾いているのは表面だけだった”ことによる、畑での悲劇は見たことがある)  昨日、作品が生乾きだったおかげで渾身の作品を額装中に駄目にしてしまった。これはズレた絵と同様、ギリギリまで粘らず、余裕を持って制作しろ、という戒めである。もっとも件の作品は、粘ったおかげの最後の一作だったのだが。 今後の戒めにとっておくことも考えたが、そんなことをしていたら部屋が戒めだらけになってしまう。一部を切り取り、オイルプリントと取り組み、初めて画像が現れた、記念すべきブローニーサイズのプリントと同じ引出しにに入れた。 その代わりというわけではないが、急遽、私自身懐かしい作品が会場に届いた。1枚はずっと当HPのトップページを飾っている。他にも額装していないので会場には展示しないが、何点かお持ちしたい。 他の3名の方の作品がまた素晴らしいので是非お出かけ下さい。 初日である明日は、私は3時を(あくまで目標に)会場に出かける予定でいます。

 

『モダン藝術写真展』9月15日(月)~10月7日(火)
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