弁護士NOBIのぶろぐ

マチ弁が暇なときに,情報提供等行います。(兵庫県川西市の弁護士井上伸のブログです。)

受験生さんのコメントへのご回答(マチ弁について)

2006年10月06日 | ⑥弁護士等法曹情報
とてもするどい内容のコメントでしたので記事にしました。

>こんにちは (受験生)

>2006-10-06 15:12:39

>はじめまして。法曹を目指している学部生です。

>失礼かもしれないのですが、現役の弁護士さんに質問したいことがあります。

>NOBIさんの町弁の定義なのですが、国民の立場からすれば、法律家が、高額な料金を請求する限り、
>>>近所の町医者のように「ちょっとNOBIさんのところに相談行ってくるわ」

>というような弁護士さんは難しいのではないでしょうか?
>冷めた目でみると、あくまで弁護士は高い所から物をみてるので、自分たちの敷居の高さが分からなくなっている印象が残ります。
>町弁志望なので、自分でも悩んでることなので、NOBIさんの考えを良かったら聞かせていただけませんか?

>私の定義では、町医者のような弁護士=自分のできる仕事なら、嫌な仕事でも断らない弁護士です。


するどい質問ですね。

弁護士の報酬が高額なのは,ある種収入が不安定であるので仕方のないところがあるんですよね。
なかなか清貧とはいかないのが現状です。
医者みたいに保険制度があればもう少し楽になり安くなると思います。

また,考え方次第では,そんなに弁護士費用って医者より高くないと思います。
病気で言うと風邪ぐらいの症状の事件なら相談程度(30分5250円)ですみます(医者で保険使うと初診だと10分で1000円くらいですが(保険がないとすると10分3000円強。保険も高い保険料を毎月払っているので実質的には自己負担),分給からすると弁護士の方が安い)。
少しぐらい病状が進んでいても内容証明一本ですんだりすることもあります(数万円。これは高いか?)。

訴訟とか10万以上かかる事件は,保険のきかない手術みたいなものだと思います。
そう考えるとそんなに高くないと思います。

といっても何十万はやはり高いです。

収入が一定以下の人は,法律扶助という制度もあり(法テラス),弁護士費用の立替えができ(しかも通常の弁護士費用より相当安くなる),月々1万円程度の分割弁済ができます。
この点は医者より恵まれていると思います。

なんか自己正当化というか開き直り的になってしまいました。
医療費もそもそも高すぎると言われたらおしまいのことですね。

ただ,これから弁護士増えるので,過当競争が始まり,弁護士費用が今より下落することも考えられます。
そうすれば,気軽に弁護士を雇えることになります。
どうなるかわかりませんが。

受験生さんのおっしゃるとおり,弁護士は上から目線の人が多く(私もそうかもしれない),嫌な仕事も断る人多いのも確かです。

ただ,絶対負ける事件を受けると着手金ドロボーにもなりかねないので,説明の上,お断りすることもあります(ただし,ご本人は勝てると思っていることもよくあり,ご不満を持たれる方も多いと思います。)。そういうこともあることもご理解頂きたいと思います。

また,嫌な事件には,勝つことは勝てそうだが,労だけ多く,実入りが少ない事件もあります。こういう事件は,経済的余裕があって,仕事量が限界来ておらず(限界超えている人はかなり多い。だから,弁護士には受任義務が原則ないと思われます。),社会貢献を目指している弁護士なら受けてくれると思いますが,そうでない人は断ることが多いと思います。

折角弁護士になったのなら,まさにこういう事件をやりたいものですが,なかなか現実は厳しいところもあります。私は,イソ弁で収入的には少ないが安定しているので,そういう事件でも仕事量が限界を超えていない限りやって行きたいと思っています。

受験生さん,死ぬほど勉強して,できるだけ早く,希望の法科大学院の既習コースに入り,新司法試験をクリアし,弁護士になって下さい。
そして,今の気持ちをずっと忘れないでください。

私も初心を忘れないように振り返りながら頑張って行きたいと思っています。

また,ときどきこのようなコメントを下さい。

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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
保険 (医療従事者)
2008-08-16 02:14:02
弁護士先生とお話ししていると、お医者さんは保険があっていいねぇといわれる方が多いように思います。しかしながら、医療保険は小額の費用で国民の健康を担保すべく設定されていますから、弁護士先生の多くが不満を持っていらっしゃる国選弁護のようなものだとは思いませんか。国選弁護に携わっている弁護士先生は、より社会貢献している弁護士であると思いますし、同様に医療保険で診療している医師はより社会貢献している医師であると考えます。
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