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弁護士NOBIのぶろぐ

マチ弁が暇なときに,情報提供等行います。(兵庫県川西市の弁護士井上伸のブログです。)

せこい話~利息制限法と過払金返還請求の解説付き~

2006年12月14日 | ⑤法律問題について
利息制限法(利限法)という法律があります。
これは借金の利息の上限を定めるもので,この法律で定められた利息(利限法利息)を超えて利息を契約で定めても,利限法利息を超えた利息は無効となり,法律上は利限法利息になるというものです。

その法定利息は,
10万円未満の借金→年20%以下
10万円以上100万円以下→年18%以下
100万円以上→年15%以下
とされています。

例えば,50万円を年29.2%の利息で貸しても,実際は18%しか利息をとれないことになってます。これは個人とか業者とか関係なしに適用されます。

しかし,消費者金融やクレジット会社は利限法を無視してお金を貸し,契約利息どおりの利息をとります。

現在こういうことがまかりとおっているのは,利限法には罰則(刑事罰,行政罰)がないことが原因です(ただし,別の法律で,貸金業者は29.2%を超えた利息を取ると刑事罰,行政罰の対象となるとされています。)。

法的には,利限法に違反して支払った利息はとれないはずなので,超えて支払った分は元本に充当されます。
きちんと決められた利息を支払っていると,実際には業者の計算より早く借金が0になってしまいます。
でも,業者は,利限法を超えた利息のままで計算するので,まだ借金が残っていると言って,当然まだ返せと言うので,借主は通常そのまま借金を返して行くことになります。

しかし,すでに借金が0になっているのですから,法的にはもう支払わなくてもいいはずなので,その分は返してくれということができます。
この払いすぎて返してくれといえるお金のことを「過払金」といいます。

我々弁護士は,借金で困った人の借金の整理を依頼されると,まず,業者に今までの取引の履歴を提示してもらい,それを利限法に従って計算し直し(引直計算),過払金がないかどうかをチェックします。

利限法の解説はここまでにして,やっとここから今回の本題です。

私が受任しているある事件で,この引直計算をすると,過払金が出たのですが,なんとその額はたった3000円。
業者はめんどくさいので,当然0で和解してくれとうちの事務員さんに言ってきました。
しかし,3000円の話なので私自身も少しめんどくさいなとは思いましたが,3000円とはいえ依頼者のお金ですし,今後の私が業者になめられるわけにもいかないので,0というわけにも行きません。
そこで,私が業者に電話をかけ,「0和解(お互い支払なく0円で和解すること)はできません。3000円支払って下さい。」と言いました。
それに対し,業者の担当者の方は,「ふっ」と鼻で笑ったのです。
「この野郎!!」と私は心の中で叫びました。
(そりゃセコイ話や,馬鹿にされるのも仕方ない,でも,大人同士の仕事の話なんだから,鼻で笑うなんてあまりに失礼ではないか!!!)
非常に腹が立ちました。
と腹を立てていると息をつく間もなくその担当者は,「半分でどうですか?」
(え~?!鼻で笑っておきながら,あんたの方がもっとセコイやないか!!)
私も大人なので「半分は無理です。2000円で。」と穏やかに返しました。
そんなこんなで,2000円で合意。
担当者は「決済の関係で,支払いは来年の1月半ばでお願いします。」
???!!!(鼻で笑ってこっちのことバカにしておきながら,なに図々しく値切ったり支払期限を1ヶ月以上延ばしよんねん。)
まあこちらも急いでない事案だったので,それでOKを出しました。
ほんまとことんせこい話です。

「ホンマむかつくわー。弁護士なめとったらあかんで!!次にこういうふうに鼻で笑う奴おったら,絶対まけたらんぞ!!!利息含めて全額支払以外絶対訴訟おこしたる!!!!」
と心に誓うのでした。

ちなみに本件の場合,他の業者に訴訟する予定があったので裁判所に私が行く回数は変わらないし,裁判所に納める印紙代は3000円程度訴額を追加しても変わらないし,訴訟提起にかかる費用としては裁判所に予納する郵便切手代の約1000円だけ。
だから,その費用を差し引いた分まではまけたのですが,別に一件被告が増えたからと言ってこちらの手間や費用はそんなに変わらないわけなんですよね。
一方相手側の手間は,わずか3000円のために,部署は変えなあかんわ,いろいろ社内手続はあるわ,裁判所に答弁書を出さないといけないわとかなり大変だと思います。
この担当者も3000円の訴訟を実際に起こされたら,訴訟案件の担当部署の人に「年末で死ぬほど忙しいのに,こんな案件を訴訟にしてんねん!!うまいこと示談せんかい
!!!」と相当怒られると思うんですよね。
そこらへんわかってやってんのかな?
多分弁護士は忙しいので,3000円のためそんな面倒なことをいちいちやらないとたかをくくっているんでしょうね。
僕は他に訴訟なくても本当に訴えますよ。
私は結構大人げない弁護士ですので,あまり怒らせないで下さい。
お互い礼節をもって交渉しましょう。

他方,他の業者で8000円の過払がありましたが(過払金の元本6000円,過払金につく法定利息2000円),訴訟にしないで下さいと言ってきて,7000円で和解成立(訴訟外の示談交渉で利息まで抵抗なく支払うのはめずらしいんです)。
この業者は,よく実務を勉強しており,大人でかしこいな~と感心しました。

弁護士でもマチ弁にもなると1000円単位でせこい交渉をすることもあるのです。

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裁判員制度

2006年08月04日 | ⑤法律問題について
ずっと予告だけしていて,紹介するのが遅くなりましたが,裁判員制度について軽く書きます(私のこの制度についての賛否については,弁護士登録後に紹介するかもしれませんが,ここでは差し控えます。)。

平成16年5月21日,「裁判員の参加する刑事裁判に関する法律(平成十六年法律第六十三号)*」が成立し,5月28日に公布されました。
公布の日から起算して五年を超えない範囲内,つまり平成21年(2009年)5月末までには同法が施行され,「裁判員制度」が始まります。

裁判員制度に対しては,いろいろ賛否両論ありますが,ほぼ間違いなく遅くとも平成21年5月には裁判員裁判が始まってしまいます。
どうせ始まるなら,一度裁判員を体験することはきっといろいろな意味で貴重な体験になると思われますので,裁判員になるチャンスを得た人は前向きに参加されることをおすすめします。

まず,裁判員制度についての情報のリンク先を紹介します。
法務省のHP「あなたも裁判員!」*
最高裁判所HP「裁判員制度」*
日本弁護士連合会のHP「裁判員制度」*

制度の目的・概要,裁判員制度に関するアンケート結果,裁判員制度についてのQ&A,イベント情報などが載っています。
結構詳しいので,私が説明するよりまずそれらを読んでいただいた方がよいと思います。

あと,映画「評議」が,平成18年8月27日(日),午後3時30分から午後4時35分まで,BS日本(通称,BS日テレ)にて放映されます。
私も実務修習中,裁判所で見ましたが,なかなかおもしろいです。
役者の人選もしぶいですし,評議(裁判官と裁判員の事件ついての会議)自体も結構本当の裁判員裁判でも同じように進めていきそうな感じで,結構リアルでした。
さすが裁判所が広報用に制作した映画です。
ぜひBS日本が見れる方はご覧下さい。
ちなみにこの映画裁判所で貸出しも行っているはずですので,BS日本が見れない方も是非一度最寄りの裁判所に気軽に問い合わせて見てください。

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新会社法施行

2006年05月02日 | ⑤法律問題について
昨日5月1日,新「会社法」が施行されました(会社法の施行日を定める政令*参照)。

今までは,会社,つまり,営利社団法人については,「商法」「有限会社法」「株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律」によって規律されていましたが,「会社法」という名の法律に一本化され,さらにライブドアのフジテレビ買収事件等の問題点も含めいろいろな点につき改正されました。改正の概要については,法務省民事局のHP内の「会社法の」の概要*をご覧下さい。

新会社法の条文については,以下を参照下さい。
新会社法条文*(HTML)
その他新会社法の施行令や施行規則については上の”「会社法」の概要”でご覧下さい(こっちはpdfファイル)。

また,会社法についてのQ&Aについては,下記ブログがとても参考になると思います(実際に新会社法立案者のおひとりで「新・会社法100問」の著者のおひとりでもある葉玉先生のブログとその便利の目次です。)。
会社法であそぼ。*と,その便利な目次『会社法であそぼ。』 をあそんじゃおう!*

私もそろそろ本気で新会社法やらんとやばいです(上記”「会社法」の概要”と素人向けの薄い本しか読んでないので,あまりよくわかってないです。)。

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アイフルの業務停止のニュースを見て

2006年04月19日 | ⑤法律問題について
少し古くなったニュースですが,先週末に金融庁*が消費者金融大手アイフル*に対し,強引な取り立てなどの法令違反が相次いだとして,全約1700店を対象に、3日から25日間(店舗により異なる)の業務停止命令を出したそうです。アイフルは5月8日から業務を停止するそうです。新聞記事*はこちら。
具体的には,職場や家族に繰り返し電話するなどの強引な取り立てや、契約者から無断で委任状を取るなどの法令違反をしていたようです。

上記の事実関係を前提としてみるに,今回のアイフルに対する業務停止は,貸金業の規制等に関する法律(貸金業規制法)*36条1号,同法21条1項2号(正当な理由ない職場等への連絡の禁止),同項5号(債務者以外の者への返済要求の禁止)に基づくものでしょう。21条1項の解釈については,金融庁の事務ガイドラインの第三分冊金融会社関係の3金融業関係*の3-2-6(取立て行為の規制)が参考になると思います。

一般にサラ金(最近は消費者金融を言っているようですが)等を規制する法律には,利息制限法*出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律(出資法)*貸金業規制法*,同法の施行令*施行規則*や,上記金融監督庁のガイドライン*等があります。

利息制限法によって,民事上金利が年15%~20%とされ,出資法によって,金融業者が年29.2%を超える金利を取ると刑事罰を科されることになります。
ほとんどのサラ金がとっている利息は,この利息制限法により民事上違法になるが,年29.2%以下の刑事上は違法とならないいわゆる「グレーゾーン」の利率です。
もっとも,貸金業規制法43条のいわゆる「みなし弁済」の要件を具備すれば,民事上もグレーゾーンの利息が有効となってしまいます。
ただ,この「みなし弁済」になる要件ついては近時新しい最高裁判例(平成18年01月13日 第二小法廷判決 平成16年(受)第1518号 貸金請求事件*)が出て,とても厳しくなり,これをクリアーすることは事実上ほとんど不可能に近いものとなりました。
サラ金の取立行為の規制については,>,前述した貸金業規制法*21条1項や金融庁事務ガイドライン*の3-2-6を参考にして下さい。
威圧的な取立,債務者が困惑する方法による取立(職場への連絡して取り立てること,午後九時から午前八時までの取立,自宅のドア等に張り紙や落書きをしたりすること等),弁護士や司法書士の受任通知後の取立等が禁止されています。

この前の日曜日の関口宏さんが司会をされているTBSのサンデーモーニング*を見ていると,このニュースについて報道していました。
この報道は少し言葉足らずな点が少し気になりましたが,なかなか思い切ったことを言っており,とても感心しました。
まず,サラ金はテレビ局にとってお得意さんであるにもかかわらず,サラ金のグレーゾーン金利を取ることについて「処罰されなければ何をやってもいいのか」みたいな批判をしていたこと,サラ金の高金利・厳しい取立により自己破産する人が増えて社会問題になっていることなど,サラ金に対して痛烈な批判をしていました。
また,利息制限法の15%~20%の金利が高いと言っていたのも,なかなか思い切った発言だったのではないでしょうか。確かに,この超低金利時代において(今後はわかりませんが),15%~20%の利息は高すぎるようにも思えますからね。
マスコミが極端にならない程度にスポンサーや政府やその他の有力者・団体を恐れず思い切った発言をするのはよいことではないでしょうか。スポンサーや政府やその他の有力者・団体も暖かくそれを見守ってもらいたいものです。

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債務整理の方法(個人サラクレ事件)③ 各手続きの比較の続編

2006年02月10日 | ⑤法律問題について
個人が負債整理するときに,破産,個人民事再生(給与所得者再生も含む),任意整理(特定調停も含む)がよいか簡単かつ一般的にお話します。

破産は,浪費・ギャンブルが原因で借金を作った場合でなくて,借金が少なくとも100万円以上ある人に向いてます。ただし,破産すると資格が制限される職業の人はダメでしょう。これの例は,警備員,保険外交員,弁護士などです。

個人民事再生は,借金の原因は問いませんが,200万円以上5000万円以下の借金がある人に向いてます。また,住宅ローンを支払中の不動産がある人で,不動産を失いたくない人は,住宅ローンはそのままでそれ以外の債務だけ減らすことができます(ただ,すべての住宅ローンある人ができるわけでないので,弁護士等にご自分ができるかどうかご確認下さい。)。

任意整理が向いている人は,利息が20%以上の消費者金融(サラ金)・クレジット会社から10年以上前からお金を借りまじめに返している人や,借金が100万円以下の人等が向いてます。

それぞれのメリットは,
破産は借金が0になること,
個人民事再生は借金が100万円か総負債額の5分の1のどちらか多い方に減ること(総負債額によっては借金が10分の1まで減ります),
任意整理は,将来の高い利息が0になること,払い過ぎた利息が借金の元本に充当され借金が減ること(長く返せば返すほど減る額は大きくなる)です。
上から順に借金が減るメリットは大きいですが,任意整理でもメリットは十分あるでしょう。

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刑事事件の「被告」?!

2006年01月07日 | ⑤法律問題について
よくテレビのニュースで刑事事件で犯人として訴えられている人を「被告」とか,「●●被告」(例えば,「宅間守被告」とか「林真須美被告」とか)とか言ってます。
しかし,法律用語として正確にいうと,刑事事件で訴えられた人は「被告」ではなく「被告人」と言います。
そして,「被告」は,法律用語としては,民事訴訟で訴えられた人のことを言います。

このため,まれにではありますが,民事訴訟で訴えられた人が,裁判所で「被告」と呼ばれることに対し,「何で犯罪者扱いされなければならないのか!!」と言って怒ってしまい,本来なら話し合いで決着がつくようなケースでも,話がこじれてしまうことがあるそうです。

私も,別に,マスコミは正確に法律用語を使わなければならないとは思っておらず,視聴者がわかりやすいよう一般的な言葉を使えばいいと思います(例えば,刑事事件で犯人と疑われている人のことを,一般では「容疑者」と言われていますが,法律用語では「被疑者」と言います)。

しかし,「被告」の場合は,その言葉に別の意味があり,それと混同されることによる不利益がある以上,マスコミは,ここでは正確に「被告人」と言うべきなんじゃないでしょうかね(「被告人林真須美」とか「林真須美被告人」とか)。
マスコミも裁判所に司法記者クラブがあり,そこの記者は毎日裁判所にいるわけだから,記事を書くとき気をつければいいのに,ニュースを見るたび思います。
それに,裁判所もこれによって迷惑を受けるなら,司法記者クラブにいい加減訂正を求めてもいいような気がします。
なんでいつまで経っても訂正しないのでしょうかね。不思議でなりません。

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債務整理の方法(個人サラクレ事件)② 各手続きの比較等

2005年06月12日 | ⑤法律問題について
私が書こうと思っていたことの大部分が以下のHPに載ってました。借金に困っている方はご参考下さい。

大阪地裁破産部のホームページ
http://www.courts.go.jp/osaka/saiban/minji6/index.html*

弁護士への具体例を挙げ相談の形をとって記述されていたり,対照表があったり,細かいQ&A等があり,非常にわかりやすいものではないかと思います。
破産・個人民事再生のことがよくわかるのではないでしょうか。

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債務整理の方法(個人サラクレ事件)① 破産編

2005年05月22日 | ⑤法律問題について
法的整理手続としては,破産,個人民事再生,特定調停があり,
任意の示談の方法としては,任意整理というものがあります。

以下,これらの手続共通のメリット・デメリットと,それぞれの手続についてのメリット・デメリットを説明します(今回は破産のみ)。

【すべての手続の共通の問題】
(1)メリット
・借金がいくらかやすくなる。

(2)デメリット
・信用情報のブラックリストに載り,今後7年間借金ができなくなる(ケースバイケースだけど)。

【破産】
(1)メリット
①借金が0になる(免責される)。

(2)デメリット
①残った財産を失うこと(*1)

②免責不許可事由にあたる人はできない。(*2)

③破産手続中はなれなくなり,現在やっている人はやめないといけない職業・資格がある。例えば,弁護士,保険外交員,警備員,会社の役員など(詳しくは,弁護士等に相談下さい)。

④破産管財人がつく場合だと,裁判所に20万円以上のお金(予納金)を収めなければならなかったり,自己宛の郵便が管財人にすべて検閲されるようになる。(*3)

⑤官報という政府刊行の新聞に破産したことが載る。(*4)

⑥破産者になることが,世間体が悪いし,屈辱である。これは人によると思いますが,特に歳を取った人ほどこのように思うことが多いです。ただ,私は借金地獄よりはマシだと思うし,何より借金が0になる利益は絶大ですから,破産できる人は破産を選んだ方がよいと思います。

(*1)差押禁止財産(現金99万円や生活に欠かせないもの職業にかかせないものなど。民事執行法131条,同法152条参照)以外,財産を失うこと(これは,なかなか難しいので弁護士等に相談するといいでしょう)。

(*2)免責不許可事由(借りた理由が浪費とか,嘘をついて借りるとか,債権者を故意に隠すとか。破産法252条1項各号参照)にあたると,免責されなくなります。ただし,免責不許可事由に当たる場合でも,その程度が軽い場合は,裁判官の裁量によりほとんどのケースで免責されます。また,その程度が少々重くても,債権者に数十万円程度弁償すれば免責されるケースが多いです(これも判断難しいので,弁護士等に相談したほうがいいでしょう)。

(*3)破産管財人が選任される場合とは,処分する財産が多い人(もちろんそれ以上に借金があるけど)や,免責不許可事由が多い人,法人,個人事業者の場合等があります(詳しくは,弁護士等に相談してください)。

(*4)普通の人は読まない新聞なので,まわりの人に破産したことがこれによりバレルことは少ないです。ただ,大きな会社等では,稀に社員が破産してないかチェックしているところもあると聞いてます。また,銀行,貸金業者,闇金業者等はチェックしています。

※選挙権がなくなったり,戸籍に載る等といった偏見を持っている人も未だいるようですが,そのようなことは一切ありませんのでご心配なく。

また,基本的には,債権者か官報を読んでいる人にしか破産したことがバレルことはなく,多くの人が職場や家族や近所の人に知られず破産しています。
しかし,裁判所に提出する資料を集める段階でうまくやらないと,職場や家族にバレルことがありますので,注意しましょう。
私は,家族に対しては正直に話すほうがいいと思います。手続に家族の協力が必要なことも多いし,今後の立ち直りには家族の協力が必要な場合多いですからね。
それに,案外家族はこれぐらいで見捨てたりすることは少ないですしね。自分で言いにくければ,弁護士に家族に説得してもらうのもいいでしょう。

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借金でお困りの方へ②~弁護士に頼むか,司法書士に頼むか,自分でやるか,その他に頼むか~

2005年05月02日 | ⑤法律問題について
以下は,サラ金問題についてだれに頼めのがいいのかを考える目安にして下さい。

1 総論(一般論や注意点)

簡単にいうと,弁護士は金は高いが,その分いい仕事をしてくれる可能性が高くなります。
ただ,弁護士といってもピンからキリまであり,事務員に任せっきりで何もしない人もいるそうです(これがバレルと,提携弁護士ということで,懲戒の対象になります)。
弁護士が事務員にある程度任せつつも大事なところでは前面に出てきて,きちんと誠実にフォローしてくれることが,弁護士の最低限の前提でしょう。
当然,司法書士もピンキリです。

相談に行ったとき,この人は信用できるかを的確に見極めなければなりません。
信用できないと思えば,他の人に頼めばいいです。ただ,相談料は損しますが。
でも,5250円で,変な弁護士に頼んで大損をしないで済むなら,安い話と思います。

あと,債権者に紹介された弁護士・司法書士を選ぶのは危険と言われてます。
弁護士・司法書士は,貴方と利害の対立する債権者から紹介してもらうのではなく,自分で探すか,その事件について貴方と利害対立のない人から紹介してもらいましょう。

弁護士事務所は,従来一見客お断りの事務所が多かったですが,最近は大分一見客を採るようになってきました。
弁護士会のサラクレ相談に行けば,そういうことも少ないし,タウンページで断られても,懲りずに次ぎ次ぎ他の事務所にかけましょう。
昨年弁護士の着手金・報酬が自由化されたことに伴い,各事務所が報酬規則を作らなければならなくなりました。
この事件はいくらかは,正確には相談をしてみないとわかりませんが,サラクレ事件の場合は,大体何ぼかということは答えられなくもありません。
他の事件でもいえることですが,念のため料金の基準を電話で弁護士に聞いておくといいでしょう。
何の基準も教えてくれないところは,相談の予約を後回しにしてもいいかもしれませんね。

あと,弁護士・司法書士を雇う雇わないに関係なく,何らかの法的手段をとると,信用情報に載り信用がなくなり,以後借りれなくなったり,借りれる額が減ったりします。
カードを持っていた人はカードが使えなくなったりして困ることがありますので,注意しましょう。
ただ,どうしても自力では全額返せない状態にあるのに,カードが使えないと困るからと言って,法的手段をとること差し控えないよう気をつけましょう。

弁護士・司法書士に頼むと,仕事をしてて忙しい人でも,法的手続きについて知識がない人でも,なんとかなります。
ただ,弁護士・司法書士を雇ったら,任せていればそれで終わりというわけではなく,裁判所に提出する資料の作成・収集には,弁護士・司法書士の指示をよく聞かないとダメです。
自分自身のことですからね。
ただ,弁護士・司法書士の言いなりになるだけでなく,自分のしたいこと,したなくことははっきり伝えましょう。
変なことをいうと怒られますが,何が変なことから言ってみないとわかりませんからね。
怒られると思っても,意外になんともないこともありますし。
そういう風に希望をいうと,弁護士・司法書士も,きちんとこれはできるできないということをはっきり説明してくれます(してくれない手抜きな先生の場合は,説明を求めましょう。これは,貴方の権利です)。

2 弁護士に頼むメリット・デメリット
(1)メリット
正式に受任してもらえると請求が止まり,弁済をしなくてもよくなる。
一般的に,ややこしい事件でも他の業種と比較して適切に処理できる。
一般的に,訴訟を起こされたときでも的確に対応できる。
裁判所に行ったとき常に横でサポートしてもらえる。
(2)デメリット
一般的に,費用が他の業種より高い(20万~40万。債権総額,債権者数,保有財産額によってはもっと高くなることがあります。)。
(3)NOBIのコメント
ちゃんとした先生についてもらえば,安心です。ただ,勝手なことや借金を作った理由が悪質な場合は,かなり怒られます。
高いと言っても,収入が少ない人は,法律扶助協会を通せば,半額程度にやすくなります(15万~20万。もう少し幅があったかも)。収入がない人は扶助協会に持ち込んでくれるよう弁護士に言ってみるといいでしょう。
相談料は,正式に受任したときはいらないという先生もおられたり,そもそもサラクレ事件については不要とする先生もおられるとか,相談前に聞いてみましょう。

3 司法書士に頼むメリット・デメリット
(1)メリット
正式に受任してもらえると請求が止まり,弁済しなくてもよくなる(弁護士と同じ)。
一般的に,弁護士より費用が安い(相談料が不要など・相談前に事前に聞いてみましょう。)。
(2)デメリット
一般的に,弁護士に比べると,法的処理や訴訟の対応力が落ちる。
裁判所で代理できる範囲が限られており,裁判官との面接があった場合(ややこしい事件など),付き添ってもらえない。
(3)NOBIのコメント
弁護士に張り合っている先生の中にはかなり出来る人がいるそうです。
やはり,ややこしい事件では,不安が残ります。
債権者から訴訟を起こされそうな場合や,財産をまだある程度持っている場合,浪費やギャンブルで借金を作った場合,債権者になんらかの嘘をついてお金を借りた場合,直近に一部の債権者に対してのみ弁済した場合,自分の財産を処分・贈与した場合等と言った事情がある場合は,弁護士のほうが適任でしょうか。
そういったややこしい事情がなければ,司法書士でサラクレ事件を多くやっている先生の方なら安心ですし,弁護士より若干安い分お得かもしれません(もちろん,これも先生によって報酬額は違うでしょう)。

4 自分でやるメリット・デメリット
(1)メリット
非常に安上がりにできる(例えば,破産だと,通常,2万円以内で出来ます。)。
(2)デメリット
自分ひとりで書面の作成,裁判所への行くこともしなければならない。
請求が止まらない。
忙しいと手続きが進まない。
法律をある程度理解する力がいる。
(3)NOBIのコメント
とにかく安上がり,ただ裁判所に書面を出すまでは,請求は止まりません。
任意整理は有利な条件での示談は難しいでしょう。
まあ,本人のやり方次第ですが,難しいです。
ややこしい事件だと,例えば,破産の場合では,管財人が立ち,その報酬として少なくとも20万円はいることになりますので,ご注意を。

5 その他(行政書士など)に頼むメリット・デメリット
(1)メリット
一応一人で書面を作成するわけでなく,他人に手伝ってもらえる。
(2)デメリット
請求が止まらない。
裁判官の面接には,ついてきてもらえない。
ややこしい事件への対応があまり期待できない。
(3)NOBIのコメント
正直よくわかりません。

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借金でお困りの人へ① ~まず相談に行こう~

2005年04月11日 | ⑤法律問題について
私の法律事務員としてサラクレ事件(個人の多重債務事件,自己破産,個人民事再生,任意整理など)をたくさん処理した経験から述べていきます。

借金で困っている人は,まず弁護士・司法書士の法律のプロに相談することをお勧めします。
破産とかがみっともなくて嫌だという人もいるかも知れないですが相談だけで依頼しないこともできるので,まず相談だけでも行かれたらいいと思います。
多くの借金をかかえている人は冷静な判断力を失っているので冷静なプロの判断が必要です。

何より弁護士・司法書士に頼む最大のメリットは,正式に依頼を受けてもらえると,返済がストップすることです。これで冷静になって,ゆっくり元の生活を取り戻すことが可能になります。

ニュースとか見てると,借金苦から自殺や犯罪に走る人をよく見ます。そういったニュースを見るといつも,なぜそうなる前に早く相談に行かなったのだろうと悲しい気持ちになります。
ほとんどの事件が,案外簡単に解決します。

また,自分が破産などするとみんなに迷惑をかけると思っている人も多いかもしれません。
しかし,返済に自分の収入だけでは足りず,借りなければ返済できない場合には,いくら本人が返せると思っていても,客観的に見ると,借金は雪だるま式に増えていくことが多いです。最終的には借金が増える分もっと多くの人たちに迷惑をかけることが多いです。
そうなると大事な妻夫親兄弟姉妹親戚友人知人等を失ってしまいます。
目先のことばかりではなく10年後20年後のことを考えて動きましょう。

相談アクセスは,最寄の弁護士会か司法書士会か,最寄の法律事務所に。ホームページやタウンページ等を見て電話をかけて問い合わせてみるといいでしょう。

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