
WBCミドル級タイトルマッチ
WBCミドル級王者のフリオ・セサール・チャベスJr選手(Julio Cesar Chavez Jr)が元オリンピアンのサウスポー、アンディ・リー選手(Andy Lee)の挑戦を受けたタイトルマッチ12回戦は米国テキサス州で行われ、チャベスJr選手が7回TKOで勝利して3度めの防衛に成功しています。(体格比較)
サウスポースタイルからの長い右リードや左ストレート・アッパーでのリー選手のボクシングがリードを奪ったように見えた試合序盤戦ですが、チャベスJr選手は無理せずじわじわとプレスを強めて対抗。初回から強い左フックを決める場面を見せ、2回後半からは最大の武器であるボディブローを増やしながら徐々にペースを引き寄せていきます。両者の攻防の距離が縮まるにつれてジュニア選手の強い左右フック、アッパーやボディブローなどの攻撃が挑戦者をキャッチ。4回には体位を入れ替えざまの右ストレートや左アッパー同士の相打ちでチャンスを掴んだ26歳の王者。
パワーの差で確実にリー選手の体力を削り続ける展開の中、6回は執拗なボディアタックで一気にリー選手を失速させ、続く7回にロープに詰めた場面でのコンビネーション攻撃で大きなダメージを与えた場面でのストップ勝利でした。
ストップを呼び込んだ一打はボディブローで追い詰めてから決めた顔面への右フック、このパンチでグロッキーに陥った挑戦者に左右の追撃を浴びせていた場面でのフィニッシュでした。
CompuBox Stats: Chavez Jr. Lands A lot of Power on Lee
Powerpunches
リー選手の右ジャブをかいくぐってから当てる顔面への左フックや右ストレートリード、距離を詰めた場面でのボディブローを軸に据えたフック・アッパーでのコンビネーションブローなど、シニアの姿も重なったこの日のジュニア選手のパフォーマンスでした。
相手のパンチを食うのが気になりますが、とにかくタフで全然効いた様子が見えませんし、その攻撃は非常にパワフル。1つ2つ階級が違うようにも見えるこのあたりのフィジカルの強さ・体力はこの人の大きな武器でしょう。この日の当日体重が不明なのですが、恐らく大きく膨らんでいるのは確実。これには賛否もあるのでしょうが、体力を生かしたジュニア選手のパワーファイトがミドル級戦線において確固たる地位を築きつつある、ってのは確かでしょう。
WBAスーパー王者シュトルム対IBF王者ゲール、WBA王者ゴロフキン対WBO王者ピログ、そしてチャベスジュニア対マルチネスもついに実現?といった情勢のミドル級戦線ですが、ジュニア選手のパワー体力が他王者たちを飲み込むってな展開もあるのかもしれません…?
チャベスJr選手は46勝(32KO)1分。リー選手は28勝(20KO)2敗。
Chavez Jr. is Content With Career Path Despite Critics(Jake Donovan/Boxing Scene)
Chavez Jr. gets best win of career(Dan Rafael/ESPN)
写真
Photos: Chavez Jr. Takes Down Andy Lee in El Paso(Boxing Scene)
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フリオ・セサール・チャベスJr対マット・バンダ(2008/07/12)
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フリオ・セサール・チャベスJr対ホセ・セラヤ(2008/02/09)
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アンディ・リー対クレイグ・マキューエン(2011/03/12)
アンディ・リー対ウィリー・ギブス(2008/07/19)
アンディー・リー対ブライアン・ベラ(2008/03/21)
セルヒオ・マルチネス対マシュー・マックリン(2012/03/17)
ついに真価が問われる、超一流か並なのかがわかるときがきましたね!
もし明確に勝つような事があれば一気にパッキャオ、メイウェザー並の人気選手になりそうな気がします。
チャンス時のコンビネーションはいいですねえ。
とは言え、万能型な上、パンチもありサウスポーのマルチネスにはいいところ無く敗れると思います。
マルチネスが加齢により、急激にスタミナが落ちてたら分かりませんけど。
同日に予定されていたカネロ対オルティス戦が消滅して実現への障害は1つ減ったのかもしれません。
ただ準備段階での怪我やなんかもあり得ますし、私はまだまだ半信半疑な心境です。
>まっからむさん
両者の体格差が大きなカギになる気がします。
当日で10ポンドぐらい違うであろうパワー差でどこまでマルチネスに迫れるのか、この1点のみが焦点の試合な気がします。
パブリクのパワフルなジャブに苦しんでいた、という姿も過去には見せていたマルチネスですし、おっしゃる通りスタミナもマルチネスの課題の一つだと私は思っています。
ジュニアのえぐいボディ連続攻撃でマルチネスのスピードが鈍らされるような展開、なんてのも結構可能性あるかもしれません。
私もマルチネスが大きく優位だとは思っていますが、その差は以前よりも確実に縮まっていると思います。楽しみです。
思い起こすのはコットvsマルガリートの初戦ですね。
あの試合では圧倒的体力にコットが押し潰されてしまいましたが、マルチネスの場合はリバウンドこそ余りしないものの練習開始直前の体重はかなり重いらしく、ウィリアムズ戦などでは体力勝負でも強さを発揮しています。
しかし一方で、いくらなんでもチャベス相手では体格差があり過ぎる様にも感じます。
・・・まあ、正直全く展開が予想出来ませんが、それだけに非常に楽しみです。
過去の当日体重データによると、マルチネスは165~170、ジュニアが179~181となっていますからねぇ。
最低でも10ポンドは差のある両者になりそうです
コット対マルガリートのようになるのか、あるいはモズリー対マルガリートのようになるのか興味深いです。(ジュニアとマルガリートではタイプに違いがかなりありますが)