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ダンスとか。

『4.48サイコシス』

2009-11-17 | ダンスとか
フェスティバル/トーキョー09秋

東池袋・あうるすぽっと。
作/サラ・ケイン、演出/飴屋法水。
4年前にクロード・レジの演出でも見たことがあり(BAM)、その時は直立不動のイザベル・ユペールのモノローグという形式だった。それに対し、飴屋演出はケインがテクスト上でやっていることを、役者や照明や音などといった演劇の道具立てへとかなりリテラルに置き換えてみせている感じ。隅々までギンギンに磨き上げられた飴屋テイストが素晴らしくて、戯曲作家の仕事に、あくまでもそれと過不足なく渡り合うだけの演出家の仕事がぶつけられているような印象で、「演出」というよりはむしろ実験的な「翻訳」という方が相応しいと思った。とはいえレジのモノローグ演出も、飴屋のアンサンブル演出も、教科書的なアプローチという意味では単に両極というか、テクストを忠実に読むならこのどちらかになるしかない気がするが、飴屋版は複数の人々の語りの集積になったことで、一個人の内面の懊悩というイメージを超えたメタフォリカルな広がりを見ることができたりして、意味の重層化に傾いている。とりわけ日本語が、ネイティヴだけでなく非ネイティヴの役者によっても発話されたりすることで、「日本語」という言語共同体の内部に分裂が刻み込まれている辺りが興味深かった(それだけに、もう少し心に響くような日本語に翻訳できなかったのだろうかという部分もあったりするのだけど)。よくある「生きづらさ」みたいなドメスティックな画が単に「国際化」している(世界共通のものになっている)とかいったような同質性の確認ではなくて、グローバルな力学的状況の中に都市や個人の生のディテールが位置づけられることでむしろ日常の風景が現実の世界の具体的な多様さ(差異)とその諸関係へと開かれていくような、「運動性」の感触が舞台の中にあった。
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Port B 『個室都市 東京』

2009-11-17 | ダンスとか
フェスティバル/トーキョー09秋

池袋西口公園および周辺。
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