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ダンスとか。

グルーポ・ヂ・フーア 『H3』

2009-11-09 | ダンスとか
Grupo de Rua, H3

フェスティバル/トーキョー09秋

にしすがも創造舎。
2003年10月に横浜赤レンガで『From Popping to Pop or vice-versa』『Me and my choreographer in 63』という作品を二本見た(どちらも初演は2001年)。その時は特に前者の方が、ストリートダンスの解体・再構築というようなことをやっていて興味深く見たのを覚えている(フォーサイスがバレエに対して行ったような「脱構築」の手法)。ブレイクダンスの動きを、スタイルに則った自然な流れとは別のロジックに基づいて組み立て直そうとしているようだった。やがてブラジルのストリートチルドレンと一緒に作ったものらしい『H2』(2005年)という作品があちこちで評判になって世界的に注目を集めるようになり、その後の『H3』(2008年)だったので今回とても期待していたのだが、「体操」にしか見えなかったというのが正直なところ。舞台前面の横長空間で、無音(正確には、街のノイズが聞こえる)でかけ合いをするシーンが長く続き、その後にアシッドなヒップホップ~ノイズ系のエレクトロニカがかかって奥の空間が広く使われる。運動量は膨大でエネルギッシュだし、動きがトリッキーに組み立てられている部分もあるのだけど、ダンサーたちの出力がほぼ一定で、しかもフレーズやシーンが短く切れているので、フローがほとんど生じない(ノせてくれない)。ストリートダンスをここまで非ダンス的にしてしまっている以上、そこに何かコンセプトがないわけはないという気もするが、上演中にはそこまでたどり着けなかった。「後走り」がライトモティーフになっていて、舞台下手で二人がかりで次々にダンサーたちを後ろ向きに中央の空間へ「発射」して行くシーンはウケた。
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