待っていた、日本感染症学会からのゾフルーザ使用指針が発表されました。
内容は、
・12歳未満の子どもは耐性ウイルスが大人より多く検出される傾向にあるため「慎重に投与を検討する」
・12歳以上については「データが乏しく、現時点では推奨するかどうかは決められない」
らしいです(まだ学会HPにアップされていません)。
まあ、想定内の内容ですね。
言い方を変えると、
「ゾフルーザ®は耐性化しやすいので、第一選択薬にすべきではない」
ということです。
日本小児科学会からも提言が発表されるはずですが、準じた内容になるのでしょう。
■ インフル新薬「ゾフルーザ」12歳未満への投与は慎重に
(2019年10月17日:NHK)
昨シーズン、最も多く使われたインフルエンザの新しい治療薬「ゾフルーザ」を服用した患者から、この薬が効きにくい耐性ウイルスが出ていることを受け、日本感染症学会は12歳未満の子どもについては投与を慎重にするなどとした提言を新たにまとめました。
インフルエンザの新しい治療薬「ゾフルーザ」は、耐性ウイルスが出やすいことが課題となっており、日本感染症学会は使用の在り方について議論してきました。
学会が新たにまとめた提言によりますと、ゾフルーザについて、12歳未満の子どもは耐性ウイルスが大人より多く検出される傾向にあるため「慎重に投与を検討する」としたほか、12歳以上については「データが乏しく、現時点では推奨するかどうかは決められない」としています。
塩野義製薬が開発したゾフルーザは、1回の服用で効果が得られるとして、去年、販売が始まると、最も多く使われるようになり、半年間だけでおよそ600万人分が出荷されました。
ゾフルーザについて、学会は、広く使われてきた「タミフル」とは異なる効果があり、タミフルが効かない場合や、重症化が懸念される患者に使えるため、慎重に使用することで耐性ウイルスを広げないことが重要だとしています。
新たな提言は、学会のウェブサイトに近く掲載されるということで、学会の関係者は「ゾフルーザが緊急時にも使えるよう使い方を考えるきっかけにしてほしい」としています。
インフルエンザに関してはご意見番の菅谷先生も同意見で、
「ゾフルーザ®は外来診療レベルでは基本的に使う薬ではない」
とコメントしています。
■ インフルエンザ 今季は早くも流行の兆し ワクチンや手洗いの徹底で感染予防を
(2019年10月16日:読売新聞)より一部抜粋
・・・・・
◇ ゾフルーザ®は耐性ウイルスや副作用への注意
また昨年には、新しいタイプの抗インフルエンザウイルス薬「ゾフルーザ」が登場した。従来薬とは作用の仕方が異なる「キャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害薬」という薬で、タミフルが5日間服用するのに対し、ゾフルーザは1回の服用で済むこともあり、昨季は多くの患者に使われたとされる。
しかし、ゾフルーザにはウイルスのアミノ酸変異を引き起こしやすい問題点が指摘されているほか、今年3月には、25例の出血関連症例(うち因果関係が否定できない症例13例)が発生して3例が死亡(同0例)したとの報告があり、添付文書の重大な副作用として「出血」が加えられた。
ゾフルーザを販売する塩野義製薬は9月、海外の学会で発表した内容として、変異は低年齢小児患者で高く、ウイルスの型としては、成人・青少年・小児ともH3N2で高かったことなどを公表。流行するウイルスはシーズンによって異なり、耐性ウイルスの頻度もシーズンによって異なることが知られていることから、引き続き更なるデータ取得が必要であり、適切な情報開示に取り組むなどとしている。
菅谷さんは、「ゾフルーザは効果の面ではタミフルと変わらないが、ウイルスの変異を起こしやすく、特にA香港型(H3N2)では小児の約25%、成人の約10%で耐性(低感受性)ウイルスが出現するうえ、出血の副作用などの問題もあり、私としては外来診療レベルでは基本的に使う薬ではないと考えている」と話している。
ところがシオノギ製薬は猪突猛進中、使用制限など目に入らず、予防投与の適応を申請したというニュースも同時に流れています。
■ 塩野義「ゾフルーザ」予防適応の追加を申請
(2019.10.16:AnswersNews)
塩野義製薬は10月16日、抗インフルエンザウイルス薬「ゾフルーザ」(一般名・バロキサビル マルボキシル)について、予防適応の追加を日本で申請したと発表した。申請は、インフルエンザ患者の同居家族または共同生活者750人を対象に行った国内臨床第3相(P3)試験の結果に基づく。塩野義の発表によると、同試験でゾフルーザはプラセボに比べてインフルエンザの発症を86%減少させた。
<追記>
日本感染症学会の提言がHPにアップされました;
■ 日本感染症学会提言「~抗インフルエンザ薬の使用について~」(2019年10月24日)
内容は、
・12歳未満の子どもは耐性ウイルスが大人より多く検出される傾向にあるため「慎重に投与を検討する」
・12歳以上については「データが乏しく、現時点では推奨するかどうかは決められない」
らしいです(まだ学会HPにアップされていません)。
まあ、想定内の内容ですね。
言い方を変えると、
「ゾフルーザ®は耐性化しやすいので、第一選択薬にすべきではない」
ということです。
日本小児科学会からも提言が発表されるはずですが、準じた内容になるのでしょう。
■ インフル新薬「ゾフルーザ」12歳未満への投与は慎重に
(2019年10月17日:NHK)
昨シーズン、最も多く使われたインフルエンザの新しい治療薬「ゾフルーザ」を服用した患者から、この薬が効きにくい耐性ウイルスが出ていることを受け、日本感染症学会は12歳未満の子どもについては投与を慎重にするなどとした提言を新たにまとめました。
インフルエンザの新しい治療薬「ゾフルーザ」は、耐性ウイルスが出やすいことが課題となっており、日本感染症学会は使用の在り方について議論してきました。
学会が新たにまとめた提言によりますと、ゾフルーザについて、12歳未満の子どもは耐性ウイルスが大人より多く検出される傾向にあるため「慎重に投与を検討する」としたほか、12歳以上については「データが乏しく、現時点では推奨するかどうかは決められない」としています。
塩野義製薬が開発したゾフルーザは、1回の服用で効果が得られるとして、去年、販売が始まると、最も多く使われるようになり、半年間だけでおよそ600万人分が出荷されました。
ゾフルーザについて、学会は、広く使われてきた「タミフル」とは異なる効果があり、タミフルが効かない場合や、重症化が懸念される患者に使えるため、慎重に使用することで耐性ウイルスを広げないことが重要だとしています。
新たな提言は、学会のウェブサイトに近く掲載されるということで、学会の関係者は「ゾフルーザが緊急時にも使えるよう使い方を考えるきっかけにしてほしい」としています。
インフルエンザに関してはご意見番の菅谷先生も同意見で、
「ゾフルーザ®は外来診療レベルでは基本的に使う薬ではない」
とコメントしています。
■ インフルエンザ 今季は早くも流行の兆し ワクチンや手洗いの徹底で感染予防を
(2019年10月16日:読売新聞)より一部抜粋
・・・・・
◇ ゾフルーザ®は耐性ウイルスや副作用への注意
また昨年には、新しいタイプの抗インフルエンザウイルス薬「ゾフルーザ」が登場した。従来薬とは作用の仕方が異なる「キャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害薬」という薬で、タミフルが5日間服用するのに対し、ゾフルーザは1回の服用で済むこともあり、昨季は多くの患者に使われたとされる。
しかし、ゾフルーザにはウイルスのアミノ酸変異を引き起こしやすい問題点が指摘されているほか、今年3月には、25例の出血関連症例(うち因果関係が否定できない症例13例)が発生して3例が死亡(同0例)したとの報告があり、添付文書の重大な副作用として「出血」が加えられた。
ゾフルーザを販売する塩野義製薬は9月、海外の学会で発表した内容として、変異は低年齢小児患者で高く、ウイルスの型としては、成人・青少年・小児ともH3N2で高かったことなどを公表。流行するウイルスはシーズンによって異なり、耐性ウイルスの頻度もシーズンによって異なることが知られていることから、引き続き更なるデータ取得が必要であり、適切な情報開示に取り組むなどとしている。
菅谷さんは、「ゾフルーザは効果の面ではタミフルと変わらないが、ウイルスの変異を起こしやすく、特にA香港型(H3N2)では小児の約25%、成人の約10%で耐性(低感受性)ウイルスが出現するうえ、出血の副作用などの問題もあり、私としては外来診療レベルでは基本的に使う薬ではないと考えている」と話している。
ところがシオノギ製薬は猪突猛進中、使用制限など目に入らず、予防投与の適応を申請したというニュースも同時に流れています。
■ 塩野義「ゾフルーザ」予防適応の追加を申請
(2019.10.16:AnswersNews)
塩野義製薬は10月16日、抗インフルエンザウイルス薬「ゾフルーザ」(一般名・バロキサビル マルボキシル)について、予防適応の追加を日本で申請したと発表した。申請は、インフルエンザ患者の同居家族または共同生活者750人を対象に行った国内臨床第3相(P3)試験の結果に基づく。塩野義の発表によると、同試験でゾフルーザはプラセボに比べてインフルエンザの発症を86%減少させた。
<追記>
日本感染症学会の提言がHPにアップされました;
■ 日本感染症学会提言「~抗インフルエンザ薬の使用について~」(2019年10月24日)