徒然日記

街の小児科医のつれづれ日記です。

麻疹輸出国から麻疹輸入国になった日本

2012年02月11日 07時47分02秒 | 小児科診療
 数年前まで、日本は「麻疹輸出国」としてアメリカなどから非難されていました。
 事情が変わったのがMRワクチン(麻疹/風疹ワクチン)が定期接種化してから。
 自然感染の患者が激減し、流行が抑えられました。
 そして日本は「麻疹輸入国」と認知されるようになった、という記事を提示します;


風疹・はしか、海外型急増 「旅行・出張前に接種を」(2012.2.8:朝日新聞)


(日本で検出された麻疹ウイルスの推移)

 国内の風疹やはしか(麻疹)の感染者で、海外で流行するタイプのウイルスが急増している。厚生労働省研究班が調べた。妊婦が風疹に感染すると、子どもに障害が出る危険があるほか、麻疹では流産や死産につながりかねない。30~40代の男性は風疹の予防接種を受けていない人が多く、専門家は「海外旅行や出張前には接種を」と呼びかけている。
 国立感染症研究所や地方衛生研究所が2011年に国内の患者からとった麻疹ウイルス約120検体、風疹ウイルス約20検体の遺伝子の特徴を調べた。この結果、麻疹は東南アジア、欧州など海外で流行しているタイプがほぼ100%を占めた。海外タイプは3年前から急増している。風疹も大半がタイやフィリピン、ベトナムなどで流行しているタイプの可能性が高かった。



 予防接種の効果/威力をヒシヒシと感じますね。
 他の感染症もこのスタンスで対処すれば、小児科医の仕事内容が激変するはず。
 「罹ってから治療する」ではなく「罹らないよう予防する」小児医療へ。
 少しずつ、小児科医の夢に向かって動き始めました。
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