徒然日記

街の小児科医のつれづれ日記です。

増える診療科、減る診療科

2024年04月29日 06時11分26秒 | 小児科診療
私は小児科医ですが、
医師になった30年前と比べると、
患者数が半減してきているのを実感しています。

主に少子化の影響と思われます。
まあ、母数が減れば病気になる子どもも減るのは仕方ありません。

医師の数はどうでしょう?
やはり小児科医も減ってきているのでしょうか…。
こんな記事が目に留まりました。

2020年と2024年の比較です。
全国の小児科医は1万7,781人(5.4%)
小児科医の増減に言及はありません。
あまり変わっていないのかな?

■ 医師数統計公表、増えた診療科・減った診療科-厚労省調査
ケアネット:2024/04/04)より抜粋;  
 厚生労働省は「医師・歯科医師・薬剤師統計」の最新結果を取りまとめ、3月19日に公表した。それによると、
・全国の医師数は34万3,275人で、前回調査(2020年)に比べ1.1%増加。
・人口10万対医師数は274.7人で、前回に比べ5.5人増加している。
・医療施設(病院・診療所)に従事する医師のうち女性は7万7,380人となり、前回よりも4.8%増と大きく数字を伸ばした。年齢階級別にみるとすべての階級で男性が多くなっているが、年齢階級が低くなるほど女性の割合が増え、29歳以下では36.2%を占めている。
・医師数を主に従事している施設の別にみると、医療施設の従事者は32万7,444人(総数の95.4%)で、前回に比べ3,744人(1.2%)増加。
・従事する主たる診療科別にみると、臨床研修医を除き、内科が6万1,149人(18.7%)と最も多く、次いで整形外科2万2,506人(6.9%)、小児科1万7,781人(5.4%)と続いた。
・診療科別の平均年齢をみると、肛門外科が60.5歳と最も高く、内科(59.1歳)、臨床検査科(58.7歳)と続いた。臨床研修医を除くと救急科が41.9歳と最も低く、美容外科(42歳)、集中治療科(42.8歳)と続いた。
・前回調査時(2020年)と比較して医師数が増えた診療科は、美容外科(対前回比で132.4%)、アレルギー科(同110.7%)、産科(同108.3%)、形成外科(同106.8%)など。
・医師数の減少が大きかったのは気管食道外科(同95.4%)、小児外科(同95.7%)、外科(同96.7%)、心療内科(同97.5%)、耳鼻咽喉科(同97.7%)などであった。
・医療施設に従事する人口10万対医師数は262.1人で、前回(256.6人)に比べ5.5人増加している。これを都道府県(従業地)別にみると、徳島県が335.7人と最も多く、次いで高知県335.2人、京都府334.3人。一方で埼玉県が180.2人と最も少なく、次いで、茨城県202.0 人、千葉県209.0人となっている。
・小児科の医師数(15歳未満人口10万対)を都道府県(従業地)別にみると、鳥取県が184.8人と最も多く、山口県が91.2人と最も少ない。小児科専門医は鳥取県が148.5人と最も多く、千葉県が66.1人と最も少なかった。

一つ前の調査結果もありました。

■ 医師数32万7,210人、増えた科や多い都道府県は?―厚労省調査
ケアネット:2019/12/24)より抜粋;
・全国の医師数は、32万7,210人で、前回調査(16年)に比べ2.4%増となり、一貫して増加傾向が続いている。このうち、女性医師は7万1,758人で、前回よりも6.3%増と大きく数字を伸ばし、過去最多を更新した。
・医療施設に従事する医師の平均年齢は上がり続けており、診療所に従事する医師の平均年齢は初めて60歳代となり、高い年齢層が支えていることがわかる。
・全国の医師数は32万7,210人(前回比で7,730人、2.4%増)、歯科医師数は10万4,908人(同375人、0.4%増)、薬剤師数は31万1,289人(同9,966人、3.3%増)であった。
・医師数を男女別にみると、男性医師は25万5,452人(前回比で3,465人、1.4%増)、女性医師は7万1,758人(同4,265人、6.3%増)となっており、女性医師数の躍進が顕著であった。
・医師のうち、医療施設従事者は31万1,963人(総数の95.3%)で、前回比で7,204人(2.4%)増加した。平均年齢は49.9歳。このうち、病院は44.8歳で前回調査時から0.3ポイント上昇し、診療所は60.0歳で前回から0.4ポイント上昇して、初めて60歳代となった。
・前回調査時より従事者が増えたのは、美容外科が最も多く(対前回比で130%)、以下、産科(同112%)、腎臓内科・救急科(同111%)、リハビリテーション科(同109%)などとなっている。
・従事者が減ったのは、気管食道外科が最も多く(対前回比で94%)、以下、外科(同95%)、肛門外科(同97%)、内科・産婦人科・臨床検査科(同99%)などとなっている。

こちらでも小児科医の増減への言及がありませんでした。

勤務医の平均年齢が約50歳、
開業医の平均年齢が約60歳、とあります。

政府は勤務医の労働環境が悪い現状を、
開業医の負担を増やすことで解決しようとしています。

しかし、両方経験した私からみると、
ブラックな仕事で身体を壊した医師が、
開業せざるを得ないという事実もあります。

勤務医時代はポケベルで24時間拘束されて、
足かせをはめられているような生活でした。
開業すると、夜の拘束がなくなった代わりに、
昼間に仕事が凝縮された印象です。

私は現在、ズバリ60歳ですが、
同年代の医師達が新型コロナで命を落としたり、
人生の節目となるような大病を患ったり、
という現実を目の当たりにしています。
そう、一般社会では“定年退職”の年齢なのです。

その医師達にさらに負担を増やすという方針に、
唖然とするしかありません。

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