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あるSEの業務日報

日報代わりの記録です。

オーディオの基礎9 Windowsパソコンでグラフィックイコライザーを起動する

2016-09-20 18:57:05 | オーディオ

 グラフィックイコライザーは、それぞれの周波数ごとに細かく調節できる装置だが、実際の部屋で音楽を再生するときは部屋のクセがあるので、低音がら高音までフラットで再生できる環境はまずない。低音が不足していたり、高音が出すぎたりなど様々なのだ。グラフィックイコライザーがあれば周波数を細かく指定できるので、過不足をカバーできたり、好みのスタイルに合わせることができる。

 今回はWindowsパソコンの設定を変えてグラフィックイコライザーを呼び出してみようと思う。

 説明はWindows10で行うが、Windows7も基本的に同じなので、コントロールパネルを呼び出せばよい。

 

 まず[スタートボタン]を右クリックする。

          

  [コントロールパネル]をクリックする。

          

  ダイアログから[ハードウェアとサウンド]をクリックする。

          

  [サウンド]をクリックする。

          

 サブパネルが開くので「プロパティ」を押す。

          

  [拡張]のタブを開き、一覧から「イコライザ」を探してチェックを入れる。

          

 次に、設定の[…]の部分をクリックする。

          

 グラフィックイコライザーが表示されるようになる。後はそれぞれの周波数を任意に変更していけば良いのだが、お勧めの設定があらかじめ用意されているので、赤枠にあるように[▽]をクリックしてみよう。

          

 ポップ、ライブ、クラブ、ロック、低音など代表的な設定例があらかじめ用意されている。ここでは「クラシック」を選択することにする。

          

 これでクラシックが選択されたので[OK]ボタンを押して設定を完了させる。

          

 プロパティの変更が完了したので[OK]ボタンを押してダイアログを終了して作業完了。あとはずっとこの設定が保持されて、低音から中域である1kHzにかけて強調される。高音域は変化しない設定だ。

 このようにグラフィックイコライザーを有効にすることで、曲に合わせて設定を変えることが可能になった。説明はクラシックの設定で行ったが、ジャズやロックなどの好みの設定に自由に切り替える事ができる。ぜひ活用していただきたい。


オーディオの基礎8 アンプの話

2016-09-19 01:43:41 | オーディオ

 今回はアンプの基本的な事について書こうと思う。よって音質が良くなるとか改善の話ではなく、普通に操作の事なんかを書いていく。

 まずはボリュームから説明しよう。

 写真は私のアンプなのだが、右寄りの一番大きいのがボリュームで音量を調節する。一番大きなつまみがボリュームであることを示しており、大音量を聴いた後は音量を下げておいたほうが良い。これは単純に後日聴いたときにビックリしない為の配慮だ。

 バランス 

 バランス(Balance)は左右のチャンネルで出力を調整するための物で、アンプのすぐ隣に配置されている機種が多い。モノラルレコードを聴くの最もわかりやすいのだが、歌謡曲もセンターが中心に聞こえるはずなので、中心よりもどちらかに外れて聞こえる場合は、バランスを動かして中心に聞こえるようにする。CDなど最近のデバイスを再生する場合は、センターにそろっていると思うが、スピーカーからの出力差など、いろいろな要因があるので、一度きちんとセンターが合っているかバランスを確認してみよう。

 インプットセレクター

 CDプレーヤーやチューナー、レコードプレーヤーなど、入力されたデバイスを切り替えるのがインプットセレクターだ。CDプレーヤーの再生以外にも、FM放送を聴いたり、昔ながらのレコードをかけるなど、セレクターを切り替えて交通整理を行っている。また再生以外にも平行して録音できるように「RECセレクター」が搭載されている機種が多く、通常はOFFにしておくが、録音時は任意のデバイスを選択することができる。RECセレクターを選択する事により、CDを再生しながら、FMチューナーで録音することも可能なのだ。RECセレクターを搭載しているアンプは試してみると良いだろう。ちなみに私のアンプはRECセレクターが無いため、インプットセレクターの選択がそのまま録音先となる仕様だ。

 treble と bass

 たいていのアンプには、トレブルとバスの2つのつまみがある。trebleはトレブルと読み高音を強調する。bassはバスと読み低音を強調する。トレブルのつまみを右に回すと高音が増していく。バイオリンやピッコロなどのかん高い音が増幅されるようになる。他方はバスのつまみを右に回すと低音が増すので、ベースがよりずしんと鳴り響くようになる。これら2つのつまみはトーンコントロール(Tone control)と呼ばれるもので好みに合わせて活用しよう。

 ラウドネスボタン

 多くのアンプにはラウドネス(Loudness)が付いており、これは音量が小さい場合には低音が増すようになっている。これはラウドネス曲線という計算式があり、それに基づいてアンプが補正してくれるものだ。スイッチをオンにすると低音が増すようになっている。これは「小さい音量」というのがポイントで、音量を上げていくと、低音不足が解消されていくので、大音量の場合は自動的に解消されるようになっている。余談だがラウドネス曲線は低音のほかに、高音についても補正すべきなのだが、実際には補正される事はなく、より影響が大きい低音についてのみ補正されるようになっている。

 夜間など大音量で音楽を聴けない場合は、積極的にラウドネスボタンを押すようにしよう。音質が悪くなるからという理由でラウドネスを押さない人を見かけるが、耳が半分塞がれた状態で高音質を求めようとする方が間違っていると思う。

 ダイレクトボタン

 ダイレクト(Direct)ボタンは、パイオニアのアンプでは一般的に搭載されているもので、トーンコントロールとラウドネスボタンを無効にしてしまう機能だ。このボタンを押すと音がとてもクリアになる。トーンコントロール回路の影響はかなり大きく、例えるなら景色を透明なビニールで覆うようなもので全体的にぼやけてしまうのだ。それとラウドネスボタンも無効となるため、おのずと大きな音量で流せる時にしかできないが、ダイレクトボタンをオンにすると、インプットセレクターからの信号を増幅するだけになるので、余計な色が付かないとてもクリアな音になる。ただ先に書いたように、ラウドネス機能は小音量で聴く際には必須だし、小音量だからこそトーンコントロールで全体的な音を調整する必要がある。大きな音で聴ける条件がそろった時だけ全開で聴けると考えば良いだろう。

 

 今回はアンプの基本的な使い方について話したが、一口にアンプと言ってしまったが、今回説明したのはプリメインアンプだ。インテグレーテッドアンプとも呼ばれる、ごく一般的なものだ。もう一つ、高級オーディオの部類になるが、プリアンプとメインアンプに別々の機械に分かれている物もある。インプットセレクターとトーンコントール回路などの微小信号を扱う「プリアンプ」と、大きな電力を担う「メインアンプ」の2つで、プリアンプとメインアンプが一緒になって働くようになっている。また、プリアンプはコントロールアンプ、メインアンプはパワーアンプとも呼ばれおり、呼び名が違うだけで、機能的には同じだ。

 そしてこれら2つの機能を一つにしたのがプリメインアンプとなり、機能を統合という意味でインテグレーテッドアンプとも呼ばれる。つまりプリメインアンプと呼び名が違うだけだ。

 

 本日の視聴

 さて本日はリヒャルト・シュトラウス 「交響詩」ツァラトゥストラはかく語りき」

 ズービン・メーター指揮。ユーヨークフィルハーモニック演奏の演奏だ。このCDにはムソルグスキーの展覧会の絵も収録されている。

 ツァラトゥストラ~といえば、映画「2001年宇宙の旅」だろう。実は、今回のトーンコントールの話で、重低音が聴きたくなり、真っ先に思ったのがこの曲だ。冒頭のコントラファゴットによるバタバタバタというか、ゴゴゴゴゴゴと地響きのように震える音。口径の大きなウーファーでないと地響きは聞こえてこないのだ。30cmを超える大型スピーカーを持っている人はぜひ聞いて欲しい。

 youtubeでツァラトゥストラはかく語りきで検索すると、カラヤンさんの演奏があった。ちなみにこのこの曲はCDを2枚持っているが、正直言ってよくわからないのが本音。そしてつい、「美しく青きドナウ」が聴きたくなってしまう。ちなみに映画「2001年宇宙の旅」はレーザーディスクを持っているが、エンドクレジットにはカラヤン/ベルリンフィルと書かれていた。ウィーンフィルの演奏はとても優雅に流れるが、ベルリンフィルはとても統制のとれたドイツらしい演奏となっている。

Youtube

 


オーディオの基礎7 ピンケーブル。

2016-09-14 00:36:37 | オーディオ

 ケーブルの話の続きになるが、前回はスピーカーケーブルについて話したが、今回はピンケーブルの話だ。接続のしかたや、グレードによる線の違いなどついて紹介する。

 まずコンポを購入すると、アンプとCDプレーヤーを接続しなければならないので、ピンケーブルが必要になる。多くは1mのケーブルで接続しているのではないかと思う。

 まずCDプレーヤーの方から説明すると、基本は左右のチャンネルで端子が出ている。左チャンネルが白。右チャンネルが赤なので、ピンケーブルの白をCDプレーヤーの端子の白いジャックに接続する。同様にピンケーブルの赤いケーブルと、プレーヤーの赤いジャックに接続する。

 次はアンプのリアパネルには、PHONO、CD、TUNER、AUXなどずらっと端子(ジャック)が並んでいるが、その中に「CD」を見つけて白い端子と、CDプレーヤーから来た白のピンケーブルを接続する。同様に右チャンネル用に「CD」の赤端子と、赤いケーブルを差し込むと、アンプとCDプレーヤーが接続された。

 ちなみに「PHONO」はアナログレコード専用端子で、規格が違うので他の機器とは接続できない。「TUNER」はラジオ用であり、これはCDプレーヤーと規格が同じなので、仮にCDプレーヤーに接続しても問題なく再生できる。「AUX」は予備端子であり機器を増設した場合に接続する。

 

 ピンケーブル、ラインケーブル、RCAケーブル

 さて、今までピンケーブルとして話してきたが、オーディオではラインケーブルと呼ばれる事が良くある。実は呼び名が違うだけで中身は同じものであり、CDプレーヤーなどに「LINE OUT」と記載されている物が多いが、ピンケーブルの事であり、「LINE IN」や「LINE OUT」と書かれている機器がある時は「ピンケーブルとつなぐ」と思えばよい。余談だがたまに「RCAケーブル」と呼ぶ場合があるが、これもピンケーブルの呼び名が違うだけだ。昔、家電メーカーのRCAが規格を作ったので、世界的に普及したのだ。言葉の片隅に覚えておこう。

 

 不要に長いケーブルは問題がある

 先ほども書いたが1メートルのケーブルで接続する場合が多いが、本当はケーブルが短い方がノイズが抑えられるので有利なのだ。安いピンケーブルは単純に銅線を巻いただけなので、電磁波から受けるノイズは無防備なのでノイズを受けてしまう。

 グレードが高くなると銅線の外側にシールドを巻く事で電磁波の影響を減らしている。これはテレビのアンテナ線でよく見る同軸ケーブルと同じ構造であり、内側の芯線と外側には網線が囲まれていて、芯線が大切な信号を送り、側の網線でノイズを遮断する仕組みとなっている。良質なケーブルなのか、安いケーブルなのかの違いは、アンテナ線のように太いケーブルなのか、100円ショップとかで売られている細いケーブルなのかでおおよそ見分ける事が出来る。

 ピンケーブルは1メートルの長さが一般的だが、グレードの高い(高価)ケーブルは50cm用、1m用、1.5m用と売られているが、少しでも音の劣化を減らすために必要な長さのケーブルを選べるようになっている。「大は小を兼ねる」から長いケーブルを束にしている人がたまに見かけるが、これはオーディオとしては問題のある方法だ。だから不用意に長いケーブルは使わない方が良い。

 同軸ケーブルはピンケーブルに使えるのか?

 アンテナに良く使われる5C-2Vケーブルはホームセンターでも安く売られるが、プラグがあれば、はんだごてを使ってケーブルを自作する事が出来る。5C-2Vの芯線はとても太いので、電気抵抗が少なくて済むし、網線により外部からの電磁波を防ぐことができる。この場合はプラス極の芯線と、マイナス極の網線とつなぐわけだ。手始めとしてはとても安いし効果も期待できるので、工作が得意な人は、はんだごてとテスターで導通確認が可能なら自作してみると良いだろう。ただ、同軸ケーブルは、プラス側に芯線、マイナス側は網線になるので、行きと帰りの線が異なってしまうので、明らかにケーブルの特性がついてしまう。だからオーディオ用には芯線を2本にしたケーブルを使うのが理想だ。「RCAケーブル 自作」で検索するとキットが市販されているので、手ごろな価格でかなりグレードの高いケーブルを手に入れる事ができる。

 電磁波対策でアルミ箔は使えないか?

 細いピンケーブルしか無い場合で、電磁波の影響を防ぐためにアルミホイルを巻き付けては?と考える人は多いと思う。昔、私も実際にやった事があるが、結論から言うとほとんど効果が無く、トライガードテープのほうがはるかに効果があった。アンプなどを全体にアルミホイルでくるむと効果があるのかもしれないが、放熱の邪魔になるし、危険なのでやめておいた方が良いだろう。

 高いケーブルは本当に良いのか?

 ケーブルが違えばそんなに音が変わるのか?と疑問に思う人も多いだろう。「100円ショップのケーブルでもいいんじゃない?」と言われると一概にダメとも言えない。それで満足ならそれで十分だし、不満に感じたらグレードを上げていけば良い。見栄を張ってすごいグレードのケーブルを使っている人でも、歌謡曲しか聞いていないなら宝の持ち腐れなのだ。スピーカーケーブルの時に書いたように、私も一番最初は普通のケーブルから初めて、徐々にケーブルが不満になりグレードを上げていった。

 初めは長さ1mの普通のピンケーブルだった。

 その後、本格的にクラシック音楽を聴くようになり、ケーブルがとても頼りなくなく思えたので、ソニーの上位クラスのケーブルに乗せ換えた。

 写真は50cmのケーブル。現在は今のところ何も使っていない状態だ。グレードが上がったのではっきりと音質の改善を認識できた。他に1mケーブルもあり実際にサウンドフィールドプロセッサ用に使っている。やはり1mケーブルは使い勝手が良いのだ。

 その後オーディオ雑誌でオーディオテクニカのArt linkケーブルを知り、PC-OCCケーブルをずっと使用している。初めは50cmで8,000円くらいだったと思う。そして一番最後はスーパーPC-OCCのハイブリッドで1mで20,000円を超えていたと記憶している。音の立ち上がりが抜群に速くて透明なのだ。あのスピード感は他には代えがたいのでずっと愛用している。

 このように実際にケーブルの音を聞いてみて、必要性を感じれば高い買い物ではないと思う。

 

 さて、本日の視聴はモーツァルトのセレナード13番。アイネ・クライネ・ナハト・ムジークだ。

 

 イムジチ合奏団の演奏。

 

 このCDには13番以外にも、セレナード6番と、ディヴェルティメントが3曲収録されている有名な曲ばかりだ。

 Youtubeで「アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク」を検索してみると、カラヤン/ベルリンフィルの演奏が出てきた。こちらの演奏も素晴らしい。


オーディオの基礎6 ケーブルの話

2016-09-11 22:33:09 | オーディオ

 これまでは、セッティングなどのお金をかけない方法を紹介してきたが、これからお金をかけて改善する話になる。

 やはりケーブルを変えるのが手っ取り早く劇的に音質が良くなるので、まずはスピーカーケーブルから始めよう。

 まずは付属のケーブルから

 ミニコンポなどを購入するとスピーカーに付属するケーブルがついてくるが、直径1ミリ程度の細いケーブルが付属していた時は正直言ってこれは良くない。とりあえず鳴ればいい程度のものなので、太いケーブルに替えるだけで劇的に変わるのだ。付属していたケーブルがどれくらいのクオリティなのか判断することにしよう。

 平行ビニールコード

 

 これはホームセンターなどに5メートルで600円くらいで売られているものだ。本来電源用のコードなので15アンペアに耐えられる太いケーブルになっている。先にも書いたが付属のケーブルが直径1ミリ程度なら、平行ビニールコードに替えると音が良くなるはずだ。このケーブルのメリットは、どこでも手に入る手軽さと値段の安さであり、一番最初の入門としてこれから始めるのもひとつの選択肢だ。

 なお、平行ビニールコードの多くは単色でプラスとマイナスの区別がつきにくいが、決して適当に接続しないでプラス側とマイナス側をきちんと見分ける必要がある。コードの片側にはメーカー名など何らかの刻印がされているので、刻印側を端子の赤色と接続すれば、左右のチャンネルで逆相接続になることがないので覚えておこう。

 OFCスピーカーケーブル

 平行ビニールケーブルは普通の銅線であり、線内部の不純物が多いため音質に悪影響が出る。そこでオーディオ用としては無酸素銅線のOFCケーブルが一般的だ。入門としてはこれから始める人が多いと思う。スピーカー専用ケーブルで平行ビニールコードと同等かそれ以上の太さのケーブルを選ぼう。細いケーブルは電気抵抗を高めるので無酸素銅線だとしても使わない方が良い。オーディオ専門店に行くと各種のケーブルが売られており、1メートルあたり数百円の安い物から、1万円を超えるケーブルもたくさんあるが、ここで重要なのは現在の状況を確かめる事だ。もしミニコンポを持っているだけだとしたら、高価なケーブルを選ぶのはオーバースペックとなる。一般的なコンポの場合でも、最初は3,000~5,000円くらいのケーブルで初めてはどうだろうか。もう少し予算があるなら、1メートルあたり1,500円くらいのケーブルを選ぶと当面は良いのではないかと思う。

 私の過去のケーブルはこのようだった。

 ソニー製のOFC防振処理コードで、元は5メートル2本セットだった。確か4,000円くらいだっと思うが、現在はもう売られていないようだ。このケーブルの出来はかなり良くケーブルが硬くてしなやかでない。ケーブルに受ける振動は内部で発電が起きてしまい、プレーヤーの信号にノイズとなって加わってしまうのだ。だからケーブル自体が振動をふせぐようになっている。このケーブルが主力で使われていたのは半年間くらいだと思う。その後より高性能なケーブルに替わり、サラウンド用のスピーカーとしてだいぶ活躍してくれた。

 ソニーのケーブルから次に変えたのが、オーディオテクニカ製のケーブルだった。今はもう製造されていないらしいが、単結晶銅のPC-OCCケーブルで、私はとても気に入っている線だ。確か1メートル3,000円くらいで売られていたと思う。なお以前も書いたが私のケーブルはトライガードテープを2重巻きにして、上からブチルゴムを巻き付けているので写真のようになっている。

 あと写真をみてほしいが、実は銅線が内側と外側の二重構造になっており、低域と高域の特性の違いで2種類の銅線が使われている。2本の線にみえるがこれだけでプラス側であり、マイナス側にも同じように2種類の銅線になっていて、1本のケーブル内には4本の銅線でセットになっている。このケーブルも1年くらい主力で働いてくれたがこのケーブルは現在使用していない退役状態だ。

 次にケーブルを入れ替えたのが現在使用しているもので、SuperPC-OCCが発売されたのを知りすぐさま買い替えた。確か1メートル1万円くらいだったと思う。3m×3mのケーブルとなり高いケーブルを買った強い印象がある。SuperPC-OCCは、従来のPC-OCCと複合されたハイブリットケーブルで、先代ケーブルと同じように2重構造で低域と高域に特性を合わせたケーブルだった。さらに全体にチタンシースを練りこんであるので、電磁波の遮断を同時に行ってくれるというスグレモノのケーブルだ。いまでもあのケーブルを買ってよかったと思っている。

 私の場合は安物のケーブルから段々とグレードの高いケーブルへ買い替えていった。ケーブルを変えたことにより、それまで聞こえなかった世界が広がったのが面白かった。ゴトゴトと団子のようになっていた一塊が、実は細かく繊細なものなんだと気づかされる。面白いと同時に一流の演奏が聴きたいという願いでやっていたと思う。

 だからオーディオは面白く、奥が深いのだ。

本日の視聴

 先日、同僚がFacebookの投稿にStar Size Comparison 2というのを紹介していた。それを見て1980年のコスモス(COSMOS)を思い出した。あの番組は見ていたし、実はMusic of COSMOSとしてレコード店で売られていたので持っている。Youtubeで探したが一部にCarl Sagan - The Music of the Cosmos Television があった。全曲聴きたいところだが、レコードには40分くらいのいろいろな曲が録音されていたが、現在レコードを聴くことができないので、やはりレコードプレーヤーがほしいところだ。

 というわけで、宇宙つながりでホルストの「惑星」だ。

 グレートコンポーザーから、ホルスト。組曲「惑星」。

 小澤征爾指揮。ボストン交響楽団の演奏だ。

 木星は何年か前に歌としてヒットしたそうだが、経緯とか全然知らないし歌に興味ないし…。

 昔から惑星の曲は好きだ。特に金星とか海王星などの静かで美しい曲が好きだし、土星は重厚な感じが良い。

 火星や木星だけでなく、全曲を通してぜひ聴いてみてほしい。


オーディオの基礎5 電源の極性

2016-09-10 15:53:47 | オーディオ

 今回は電源のコンセントの話だ。

 交流100ボルトはどっちに切り替えても全く問題なく使えるのだが、オーディオに関しては電気の極性によって音が良くなったり悪くなったりするので、今回は検電について紹介する。

 検電ドライバーを用意

 まずはホームセンターなどで検電ドライバーを用意しよう。500円くらいで売られているはずだ。見つからない場合はアマゾンや楽天で「検電ドライバー」を検索して購入しよう。

 私のは20年以上前に購入したものだ。

 小型のマイナスドライバーだが中にネオン管が入っており、コンセントの片方にドライバーを差し込むと、コンセントのどちらの電極か判定できるものだ。

 実際に使ってみよう。

 壁から出ているコンセントの穴にドライバーを差し込む。

  写真ではわかりにくいがネオン管が点灯している状態で、こちらはホット側であることが分かる。あるクラス以上のオーディオ機器はプラグの極性を表す印がある。ケーブルに白い線が描かれていたり、プラグに印が刻印されているのなら、その側はコールド側に挿せばよい。

 ちなみに壁のコンセントは、長い方と短い方に極性を表しており、長い方がコールド側=プラグの印、というように接続すれば良いのだが、実際には電気工事した人が結構いい加減に配線してしまうので、極性が逆になっている場合が多く、検電ドライバーで確認する事が大事だ。

 アンプのプラグに極性印がある場合は、検電ドライバーのネオン管が消えているコールド側に印を合わせる。CDプレーヤーなどのオーディオ機器に極性表示が記されている場合は、すべてコールド側にそろえよう。

 さて、極性が無い場合はどうすれば良いのだろうか?。これは単純に音の聞き比べをしよう。まずはアンプから初めていく。テストはクラシック音楽、できれば交響曲や協奏曲などの大規模な演奏が分かりやすい。ただし歌謡曲などはほとんど違いがないので聞き比べのしようがないので注意だ。

 これから一つずつ極性を合わせていくが、もし、アンプからサービスコンセントが出ていてCDプレーヤーなど接続している場合は、いったん電源タップを用意して、それぞれの機器と独立してつなごう。アンプを通してCDプレーヤーを接続してしまうと、アンプの極性を入れ替えると一緒に極性も入れ替わってしまう事になるので、不便でもテストの時は独立して接続しよう。

 それでは3分程度まず音楽を聴いて現状の様子を覚えておく。聴いたらアンプのコンセントを逆にしてみる。そして再び再生して違いを聞き比べてみよう。オーケスラの厚みが出たか、あるいは貧弱になったかで判断する。この際、最初から中低域でドカンと華々しい曲が分かりやすい。逆に高域の静かな曲は逆相接続となる。例えばドビュッシーの牧神の午後への前奏曲。名曲なのだが、フルートのソロで静かに始まり、逆相(コールド側)でつなぐと高域が伸びる傾向があるので、ここだけ聞くと良さそうに思えてしまうが、全体を通して聞くと貧相になる。なので、やはり交響曲は編成が大きく、中低域が豊富なほうが良い。例えばベートヴェン交響曲5番とかが分かりやすい。チェロやダブルベースの中低域に加えてバイオリンや管楽器などがまんべんなく演奏される。曲全体の厚みが増す方へ接続しよう。

 確認が出来たらコンセントにコールド側の印をつけておく。これで後日つなぎ変えても簡単に見分けがつくようになる。

 後はCDやレコードプレーヤーなどのそれぞれの機器で視聴していくが、これも手順は同じで、音が良い方へ検電ドライバーが消えている方にコールド側に印をつけていく。

 クラシック音楽が好きな人なら電源の極性に違いが気づくと思うので、ぜひ実践してみよう。

 さて、本日の視聴はベートヴェンの交響曲第5番「運命」。カルロスクライバー指揮。ウィーンフィルハーモニー管弦楽団の演奏だ。

 カルロスクライバーさんは世界的に絶大な人気を誇る名指揮者だが、録音嫌いで有名な人だった。私もこのCDだけが唯一持っているが、コンサートでのビデオ収録は比較的多く撮影されており、ウィーンフィルのニューイヤーコンサートをご覧になった方は多いと思う。

 このCDには5番と7番が収録されているが、私は特に7番が好きでいかにもウィーンフィルが本気だぞと伝わってくる。N響もそうだが、ある一定のクオリティで大半が卒なく演奏されるが、稀に本気モードになる時があり、クライバーさんの録音はまさにそれだと思う。

 

 参照。

セッティング  -ケーブルの接続方法- 

コンセントには方向がある


パソコンとアンプをセレクターでつないでみた。

2016-09-07 01:23:38 | オーディオ

 先日、サブパソコンのミニスピーカーでYoutubeで流してクラシック音楽を演奏したが、その話の延長で、ミニスピーカーの替わりに私のオーディオ機器とパソコンをつないだらどうなるかという話だ。

 これは単純にパソコンからステレオミニプラグとアンプのピンケーブルを変換するだけの話だが、そのままではけっこう不便だ。サブパソコンはあくまで仕事用なので、オーディオ機器を鳴らす時にはいちいち切り替えなければならない。そこで使っていないビデオセレクターがあったので、スイッチ一つで簡単に切り替えられるようにした。

 セレクターの写真とケーブルがこれ。

 白い箱がビデオセレクター。セレクター左下のちょっと太いケーブルが、ステレオミニプラグとピンケーブルの変換ケーブル。右下のちょっと短いケーブルははやり同じものだがこれはステレオミニプラグの延長用で、プラグがオス・メス逆になったもの。セレクター上のピンケーブルの束はアンプ用で2メートルの長さがある。

 実際に接続したのがこれ。

 アンプへ送る際にちょっとケーブルが足りなかったので延長ピンケーブルで接続し、合計3.5mのケーブルとなった。その際アンプとは「AUX」端子と接続した。

 まずはセレクターを切り替えて見にスピーカーを鳴らしてみる。前と特に代ったところは特になく、普通にパソコンの音が鳴った。次にセレクターを切り替えてアンプの電源を入れyoutubeを再生してみるときちんと音は出た。これでパソコンを使ってアンプを鳴らすことに成功だ。しかし・・・、予想通りクオリティはあまり高くない。セレクターの接点が増えたし、ケーブルの種類を2回も変換したし、延長ケーブルを使ったりと、かな~り伝送ロスが発生したと思う。やはりきちんとしたケーブルをストレートにつなぐなどの根本的な対策が必要なのだろう。

 でもとりあえずはYoutubeできちんとした音楽が聴けたので今回は良しとしよう。


オーディオの基礎4 耳の高さで聴こう

2016-09-01 18:43:04 | オーディオ

 今回も基礎的な事を紹介していくが今回もスピーカー関連の話だ。スピーカーで音を鳴らす場合はスピーカーの正面に正三角形というのが大原則だ。だが水平方向だけでなく上下も大切で、教科書には「スピーカーのツイーターの高さで聴くように」と書いてある。多くのスピーカーは低域用のウーファーと高音域のためのツイーターが分担して音を再生するようになっているが、ツイーターは耳の高さにでないと正しく再生できないのだ。だからブックシェルフスピーカーを床に直接置いた場合には、耳の高さはかなり高い位置となるので、ツイーターの有効範囲をはずれてしまうかもしれない。これは高音域の指向性が強まったためで、耳の高さでないと正しい音が聴けないのだ。なお低音域は指向性がほとんど影響がないので何処で聴いてもあまり変わらい。大音量で音楽を鳴らした場合に隣の部屋で聴くと、ズン、ズンとベースの音しか聞こえないのは誰もが経験ががあるだろう。このように音の周波数の違いにより指向性が異なるのだ。

サイン波で周波数を確認。

 低音と高音の違いを実際に聞き比べてみよう。まずは440ヘルツのサイン波だ。オーケスラのチューニングするときの基準となる音で、まずオーボエがAの音を出し、各楽器がその音に合わせるようになっている。オーケストラで生演奏を聞いた事がある人は、一番最初にこの音を聴いたはずだ。あと、最近の地上波ではもうやっていないと思うが、昔のNHK教育テレビで正午直前に時報を流していた。ポッ、ポッ、ポッ、ピーンのアレである。あのポッ、ポッ、ポッが440ヘルツ、最後のピーンが880ヘルツだ。

 次に1キロヘルツのサイン波。1KHz、つまり1,000ヘルツは、オーディオなどのテスト時の基本となる音で、これも昔、NHK教育テレビの朝6時の放送が始まる前にパターンテストと共にこの音を1分間ほど毎日流していた。このサイン波は人工的に作り出された音なので、長く聞くと耳障りな音だ。だが正面からのスピーカーで聴いていると、まずはスピーカーの正面に向いてもらい、わざと横方向へゆっくりと2メートルほど移動していただきたい。移動した地点で急激に音が変化するのがわかるだろう。正面のキーンという音がしなくなったはずだ。これが音の指向性で、1キロヘルツあたりから指向性がはっきりし始める。この指向性はスピーカー正面を向いた時から、顔を横に向いただけでも音がはっきりとわかると思う。教科書に書いてある「スピーカーは耳の高さの位置」とは、この指向性の事を言っていたのだ。

 ちなみに2キロヘルツの音(2,000Hz)はこちら。サイン波はかなりキーンとしたますます不快な音だ。これは自然では存在しない音で、混ざりものが無い状態は人は異常だと認識するのだ。だからとても純粋できれいな蒸留水を飲むと、逆にまずいと感じるのと同じなのかもしれない。サイン波は人工的に作り出した音だが、音楽の場合ではフルートがだいたいこのあたりの音で、バイオリンもそうだがもう少し上の周波数でよく演奏されている帯域だ。このように2キロヘルツははっきりと指向性がでてくるのを確認してもらいたい。

 クラシック音楽を聞くにはバイオリンが不可欠であり、2キロヘルツは普通に使われる音域のだが、スピーカーがきちんと設置されていないと、正しく再生できないのがこの実験で理解してもらえたと思う。

 ブックシェルフスピーカーはコンパクトで場所をとらず、設置場所も自由度が広いが、これは本棚に本の代わりにスピーカーをという意味で、ブックシェルフなのだ。だから机上の本棚を想定していて、床に直置きする事は考えていない。床から置く場合はスピーカースタンドを使う必要がある。

 今回の実験でスピーカーの置き場所はどの位置なのかあらためて確認してみよう。

 さて、本日の視聴はラヴェルのボレロだ。

 グレートコンポーザーから、モントリオール交響楽団の演奏でシャルル・デュトワさんの指揮だ。

 チューニングなどの話だったので、まずはソロで演奏が始まる曲が良いだろうと思いこれにした。この曲は同じフレーズが延々と続くだけの単調な曲なのだが、楽器が次々に変わり、少しずつ楽器が増えていく。そして最後はユニゾンの大合奏で終わるというとても面白い曲だ。

 Youtubeでもいろいろありそうなので検索すると、なんとデュトワさんの指揮があった。ボレロ/ラヴェル(デュトワ) 


100均の耐震クッションを貼ってみた。

2016-08-29 01:12:09 | オーディオ

 オーディオ基礎の続きだが、スピーカーの防振について話そうと考えていたが、やはり身近で簡単な物のほうが良いだろうということで、ミニスピーカーに100円ショップで売れている防振グッズを選んでみた。

 買ったのはこれ。

 耐震クッションのポリウレタンゲル。耐荷重2枚で30kgと大型フロアスピーカーでも耐えられそうだが、とりあえずはパソコン用のミニスピーカーで貼ってみよう。

 ピタっと張り付いてソルボセインのような感じだが、小物の転倒防止グッズかと思ったが説明書にあるように、本棚やパソコン、オーディオ機器なども図に描いてあるのでオーディオ用にも使えそうだ。

 張り付けた後のミニスピーカーがこれ。

 スピーカーを逆さにし、ゲルを2個張り付けた。かなりの吸引力というか粘着力だ。これなら簡単には転げ落ちないだろう。

 さて、さっそくサブパソコンを起動しYoutubeで再生だ。

 日中霧雨が時々降っていたので、室内が思いのほか暗かった。なので、先ほどパソコンとスピーカを撮り直した。

 ミニスピーカーの下にゲルが貼られたのがわかるだろうか。

 貼った結果は思いのほかいい感じで、中広域は豊かになり音が明るくなった。木管が伸びてバイオリンもきれいだ。低音がちょっと大人しくなったのは、スピーカーから伝わった机の反響が減ったためだろう。低音のために押し込めらた中低域が開放されたので、全体的に明るくなったのだとおもう。

 2枚で216円というお手軽な物だが、これは意外と使えるかもしれない。もっと買ってくる事にこよう。

 今回Youtubeで視聴したのはこれ

 サイトウキネンオーケストラつながりで、前回のベートーベンにつづいて、ブラームス。交響曲第1番だ。

 私はブラームスが好きだ。だがクラシックが好きな人でブラームスが嫌いな人は多い。チャイコフスキーやベートヴェンは多くの人が好きなのだが、ブラームスは好みが分かれ、好き嫌いがはっきりと出る。またブラームスが嫌いな人は大体ブルックナーとマーラーが好きなようで、ちなみに私はブルックナーはあまり好きではない。これはクラシックの根本的な好みの問題だろう。有名なある音楽評論家が本でブラームスを酷評しており、私はブラームスは偉大な作曲家だと思うのだが、その本の中で交響曲を非難していた。作曲家としてはブルックナーを崇拝しているようで、ブラームスは認めないと個人的に思ったが、唯一まあ認めていたのがこの交響曲1番だ。ベルリンフィルの初代音楽監督であるハンスフォン・ビューローが、ベートーヴェン交響曲第10番と評した名曲で、世界中のコンサートでよく演奏されており、私もCDが5枚ほど持っていて、実は小澤征爾指揮サイトウキネンオーケストラのCDがここにあるのだが、あえてパソコンでの演奏という事でYoutubeで再生してみた。ちなみにパソコンのCD-ROMで再生をと思ったが、あのパソコンはCD再生にすごくうるさく鳴くので、Youtubeでの再生となった。

 また台風がやってきそうで、北海道にも影響があるかもしれない。つい先日まで今年は台風が全く発生せず、関東は水不足と報じられていたが解消されたのだろうか?。これから台風シーズンとなるので被害が起きないように願っている。 


オーディオ基礎 2 スピーカーと反射音

2016-08-28 01:42:03 | オーディオ

 今回もスピーカー関連の話なのだが、再生された反射が音に影響を与えるという話で、特に定在波が悪影響を与える。昔のオーディオの教科書では、壁の反射によって大きく影響されると書いてあるが、基本的には今も昔も正しいと思う。部屋にスピーカーを設置して音を出すと、壁や床、天井も一緒に震えて音が鳴る。特別な設備を施した無響室でもない限り反射音を止める事は不可能なので、重要なのはスピーカーから出る直接音と、壁や床などの反射音を悪者にしないで味方に付けるかだ。

コーナーにスピーカーを置く

 まず基本的な事になるが、スピーカーを壁の隅(コーナー)に置くと低音が増す。いわゆる「ブーミーになる」というやつで、スピーカーを角に置くと反射音をたくさん受けるので、壁が反響版のようになるのだ。とにかく低音を稼ぎたい人にはお勧めの方法だ。ただ昔から角にスピーカーを置くのは良くないとされていて、ブーミーにはなるが、音のキレがなくなり全体的に汚れた音になると言われているので、角に置くのはお勧めできない。スピーカーは可能であれば50cmは離したいところだが、部屋の関係で角に置かざるを得ない場合が多い。実は私もそうで、部屋が狭いので壁と壁が角にスピーカーを置かざるを得ない。この場合は積極的にアンプのトーンコントロールを活用してBassを下げて、ブーミーになりすぎないようにしよう。だが実際に使ってみると小音量で流す事が多いので、意外にも影響が無かったりする。ここらへんは頭上の理論だけで片づけないで、実際にやってみて結果を見極めて、だめなら対策を講じるのが良いと思う。

 

悪者の定在波

 スピーカーにとって一番の悪者は定在波と呼ばれる、規則的な反射を繰り返される残響で、フラッターエコーとも呼ばれおり、これが起きると反響しあって聞きにくい音になる。観光名所に「日光の鳴き龍」があるが、あれがまさに定在波が起きた現象だ。あそこまで明確な反響は無いものの、タイル張りの風呂場や玄関などは定在波が起きやすいところだ、そして実はあちこちで発生しスピーカーのある部屋も定在波が起きていて、発生がひどいところは対策が必要になるのだが、まずは定在波が多いのか少ないのか判定をしよう。方法は簡単で両手で手を叩けば判定ができる。まずは外にでて何もないところで手を叩いてみよう。「パン」と、とても乾いた音がする。まずはこの音を覚えておこう。次に部屋の玄関に戻り、角の壁、できれば天井付近で手を叩いてみよう。「パァ~~ン」と金属的な響きになると思う。これが定在波が発生した音だ。玄関はアルミ製のドアや引き戸があるので反響しやすいのだ。他にも居間の中央や壁際や窓、風呂場などあちこちで手を叩いて聞き比べてみよう。そして最後にスピーカーが設置してある部屋で叩いてみて、普段聴いているリスニングポイントで確認しよう。各地点の結果と比較して、オーディオルームは定在波が多いのか比較ができるようになった。次にスピーカーの正面や横の壁、スピーカーの後ろ、そして最後に部屋の角と天井付近を確認してみよう。比較した結果、定在波が起きやすいか、起きにくいかを判断できたので、スピーカー付近で定在波が起きていると判断したら対策を考えた方が良い。まずはスピーカーの設置場所を移動できないか検討するのが基本だが、それが難しいのなら厚手のカーテンにするのは効果が期待できるので、まずは簡単にできることからやってみよう。

 ちなみに昨日解説したスピーカーに角度をつけるのは、四角い部屋で水平にスピーカーを置くと、後ろの壁がもろに跳ね返って定在波が生まれてしまうので、斜めにおいて反射をそらすためだった。そして何も置いていない部屋よりも物がある方が定在波は起きにくくなるので、オーディオ機器と家具の折り合いをつけるのがとても重要だ。

 

 さて、難しい話だったので次はCD視聴だ。

 小澤征爾指揮。サイトウキネンオーケストラの演奏で、「ベートヴェン交響曲第7番」だ。

 コンサートでは定番でよく演奏される曲だ。2楽章はとてもユニークで、交響曲は基本となる主題をまず作り、そこから展開を広げていくのだが、この7番はなんと主題が1つの音しか存在しないのだ。たった一つの音なのに展開してしまうのだからベートーヴェンのすごいところだ。そして第4楽章だが、実は基本がワルツなのだそうだ。優雅なウインナーワルツをすごくアップテンポにたのがこの曲らしい。これらはバーンスタインさんが曲を解説する番組で紹介されたもので、ピアノを弾きながら曲の見どころをいろいろ解説していた。

 これらの点を踏まえてもう一度7番を聞きなおすと違って聞こえてくるのではないだろうか。


オーディオ基礎 1~スピーカの設置と角度

2016-08-27 01:11:44 | オーディオ

 先日もちょっと書いたが、昔1977年からNHKの番組で「技能講座オーディオ入門」という番組が放送されていた。この番組によって「何となく」から「目的を持って」に気持ちが変わった大きな出来事だった。基礎知識があるのと、知らずにいるのではとても大きな差となるので、何気なく使っている機器も、ちょっとした知識があればより音が良くなるものだ。これから少しずつ基本的な事柄などを紹介していくつもりだ。

スピーカーの設置

 まずはスピーカーの設置がオーディオで最も基本になる。それと同時に部屋の広さもとても重要な要素であり、部屋の位置とスピーカーをどこに置くかでオーディオとしての物理的な条件が決まってしまうが、専用部屋を用意している所は稀なので、他の家具との妥協となるが、それでもスピーカーを置くにあたって最低限守る必要があるのだ。スピーカーの距離が離れすぎると、どんなに高級な機器を持っていたとしても宝の持ち腐れになってしまう。せっかくのステレオがきちんと機能しなくなってしまうのだ。だからまずはステレオスピーカーにおける距離から始めよう。

 左右のスピーカーの距離は大型からブックシェルフスピーカーの場合は1.5メートルくらいが良い。3メートルを超えて開けてしまうと鳴き別れが起きる。歌謡曲でも演奏してみてほしい。これが1.5メートルの距離であれば正常に音がり、歌手は正面で歌っているはずだ。しかしスピーカーの距離が3メートルになると右と左にも歌手がいるように聞こえるはずだ。もしそう聞こえたなら、まずは1.5メートルになるようにスピーカーの置き場所を狭くしてみよう。これでしっかり音像定位が結ばれるようになる。次に、左右の中心となる地点に歌手が歌っているかを確かめよう。もしどちらかにずれているなら、アンプのバランスを変えてセンターに位置するようにする。「音像定位を結ぶ」これがステレオにとって最も大切な事であり、オーディオの最初の基本だ。ちなみにパソコン用などで使われる10cmくらいのミニスピーカーの場合はせいぜい1メートルくらいまでで、あまり広げすぎると鳴き別れが起きてしまうので注意だ。

 スピーカーに角度をつける
 多くの人が中~小型のスピーカーを使用しているので、大型フロアスピーカーを持っている人は少ないだろう。ミニスピーカーか、ウーファーが15センチくらいのブックシェルフスピーカーを使用している人が多いと思う。ミニスピーカーはどこでも簡単に移動できるのが最大のメリットで、カタログにあるようにコンポとスピーカーが平行に並べられて設置している人が多いが、これはこれで間違いではない。でも水平だったスピーカーを30度ほど中心へ向かって斜めに動かしてみてほしい。左スピーカーは時計の11時に、右スピーカーは時計の1時に角度をつけて演奏してみると、これだけの事で音の響きが増したと思う。これはパソコン用のミニスピーカーでも、ある程度音量を上げる事により、違いがはっきりするだろう。
 まずは角度を変えただけでも音は変化するので、角度をいろいろ変えて音の違いを比べてみよう。

  さて、本日の視聴は、チャイコフスキーのバイオリン協奏曲。韓国系アメリカ人のサラ・チャンで、ロンドン交響楽団の演奏。コリン・デイヴィスさんの指揮だ。

 私のお気に入りの1枚だ。当時、NHKBSでクラシック番組を見ていたが、国際的なアワードでこのサラ・チャンが新人賞を受賞していた。その番組中にすでに3枚のCDがリリースされており、このチャイコフスキーの協奏曲が流れていた。その圧倒的なバイオリンの演奏がとても印象に残ったが、それから1か月くらい経ったと思うがN響Bモードコンサートで、あのサラ・チャンが来日し、あのチャイコフスキーのバイオリン協奏曲が演奏されるのだ。しかもシャルル・デュトワさんの指揮である。普段のN響はそつない演奏で別に下手ではないが、特に特徴もない演奏が多いのだが、その日の演奏はあきらかに本気モードが入った様子で、オーケストラも第1楽章からとてつもない演奏が繰り広げられる。そしてカデンツァが始まった。サラ・チャンのビオラのようなとても太い音色がするかと思うと、繊細な美しい高音も響く。その演奏に観客が酔いしれた末、フルート首席奏者の工藤さんが見事に引き継ぐ。これぞチャイコフスキーだ。演奏が過ぎて第3楽章の演奏が終わった瞬間、思わず私自身が立ち上がって拍手した。「お約束」ではなく本当に心から拍手したくなる事があるのだと自分自身が思った瞬間だった。観客の拍手が何と5分半も続いており、N響Bモードコンサートを数年間ほぼ毎回聞いていたが、あれほど拍手があった事は記憶が無い。ホールにいた観客も本当に素晴らしい演奏が聴けて本当に喜んだと思う。

 そして、それから半年くらい経ったときに、例の亡くなった友人が札幌に行くので一緒に乗せてもらう事になり、CDショップも連れて行ってくれたので、あのアワードの番組にあったように、サラチャンのCDが置いてあるかもしれないと探したら、なんと売られており、喜んで買って来たのがこのCDだ。曲の演奏としてはロンドン交響楽団の演奏も悪くはない。だが、やはりN響の演奏が忘れられない。実はビデオ録画していたのだが、繰り返し何度も再生してテープが切れてしまったのだ。あれは本当に残念で、VHSのテープからまりは構造的な欠点なので仕方ないが、願わくはあの演奏をもう一度聞きたいと願う。