ここからは一般論ではなくて私見になるが、なぜ安倍政権は集団的自衛権の成立を急いでいるのかだが、その根拠となった一つに中国の強引な海洋進出に対抗するというもので、その代表例が尖閣諸島の領空/領海侵犯だ。
野田内閣の時に尖閣諸島は国有化されたが、その時から中国政府は頻繁に船や飛行機で挑発するようになり、阿部政権でも挑発は続いているのだが、おそらく安倍晋三氏はかなり前から憲法を変えたいと願っており、尖閣諸島は絶好の口実ができたと思うのだが、それは置いておくとして、尖閣諸島は日本政府の所有になっていて、当時の野田内閣が所有した経緯についてジャーナリストの田原総一朗氏の記事を読んだことがあるのだが、検索したが見当たらないので、完全な記憶で書くのだが、田原氏の事情通によると、中国の「国有化」という意味は日本語の「国有化」と意味が違っていて、日本の場合では、単純に尖閣諸島という名義が個人から国に移っただけで本質的に変わず、いわば所有権の変更にすぎないと日本人は考えるが、中国人から国有化と聞くと、それは尖閣諸島が本格的な開発に乗り出したと感じるのだそうだ。それで一気に領有権を主張するために行動に出た。
それまで尖閣諸島は個人が所有した領土で、領海の場合は12カイリまでは日本の主権が及ぶが、それ以外は公海なので日中の協定により付近までお互いに漁ができたのだが、中国から見れば本格的に開発がはじまったので中国政府は対抗せざるを得なくなり、船や飛行機を出して日本との衝突が激しくなった。つまり「国有化」という意味の違いから、もし野田内閣がもっと長期に安定した政権だったなら、今のような無用な緊張は回避できたのではないかと個人的に思っている。しかしその後の安倍内閣は中国包囲網を明言しており、尖閣諸島は格好の材料にしてしまったと個人的には思っている。