還暦過ぎの阿乱怒論

家庭菜園や工作好きの爺父が日々感じたことを綴る独り言

政治家は武士たれ

2011-01-20 21:39:16 | 日記
与謝野さんの入閣について批判が強いようだが、我々はどう評価すればいいのだろうか。
責められるべきは民主党であって、菅さんの変節を責めるべきであろう。
増税の前に徹底的に無駄を洗い出すと言って政権をとったのに、官僚の人件費はそのままにしておいて消費税を上げようなんて公約違反も甚だしい。

借金だらけの今の財政を考えれば、誰も負担が増えることについては反対ばかりもしておられない。。
ただし、それは総選挙前に民主党が言っていたように、徹底的に無駄を省き役人の人件費も2割削減した上でのことだ。
現状のままで安易に増税に走る菅内閣は一刻も早く民意を問うべきだ。

一方、野党も敵失を喜こび単なる票欲しさに政局に走ることなく、真剣に日本のことを考えて政策論争をしてもらいたい。
与野党とも増税の必要性については異論がないはずだ。
生活必需品は無税にする、○○については軽減税率にすべきだとかの具体的な議論をすべきだろう。

与謝野さんについては余命を考えて、自らの信念に従っての行動と信じたい。


かつて五稜郭の戦いで、榎本武揚は留学中に自らが書き写してオランダから持ち帰った「万国海律全書」が戦災でなくなってしまうのを恐れ、これからの日本には絶対に必要だからと敵の参謀・黒田清隆に送った。
黒田は感激し「弾丸や武器が不足しているなら、送ろうか」と言う。
しかし榎本は申し出を断り、幹部だけが責めを負い部下の責任は問わないことを条件に降伏する。
榎本の才能と人柄に感服した黒田は、頭を丸めてまで榎本の助命を嘆願し榎本を助けた。

伊藤博文についで第2代の総理大臣になった黒田は、以後も榎本を重用し、結局榎本は旧幕臣でありながら新政府の各大臣を歴任した。
敵であっても「今後の日本を思う気持ちは同じ」と榎本に武器を送ろうとしたり、その後も重用した黒田こそ本当の武士であったのだろう。
本当に日本の為になるなら、敵であっても有能な人材を登用するという姿勢を貫いた。

一方福澤諭吉は、旧幕臣でありながら新政府に登用された榎本や勝海舟を嫌って「二君に仕えるという武士にあるまじき行動」「やせ我慢を知らない男」と酷評している。

このように全ての物事は単純ではなく裏表があり、立ち位置によって評価が180度異なるものだ。

要するに、政治家はごまかすことなく自らの立ち位置をはっきりさせて、民意を問うべきなのだ。

同志を売るような首相は政治家以前に人間として最低だ。



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1 コメント

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Unknown (柏獅子)
2011-01-21 09:01:04
怒論! 同感です。
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