還暦過ぎの阿乱怒論

家庭菜園や工作好きの爺父が日々感じたことを綴る独り言

また暗い時代に?

2013-11-19 14:07:12 | 日記

まさかこんなひどい法律が国会を通る筈がないと信じていたが、報道によるとどうやら今国会で「特定秘密保護法」が成立してしまいそうだ。
行政機関の長(すなわち官僚の意志)が一存で秘密指定を行うことができ、第三者が何ら検証も関与もできない。
何が秘密か自体も国民には一切わからない、おまけにアメリカのように一定期間経過後に全て公開されるといったようなこともなく永遠に秘密にしておけるという。

理屈は何とでもつけられるので、例えば原発事故の際に問題になったSPEEDIのデータも「テロ組織に悪用されるから」と言って秘密にしておくことが出来る。
「薬害エイズ問題」で明らかになった厚労省の失敗(これを明らかにしたのが菅直人の政治家としての唯一の功績)も永遠に秘密としておかれるだろう。
尖閣での中国漁船の横暴ビデオも永遠に闇の中のものになってしまう。
盗聴等の違法な捜査も「公共の秩序の維持のため」と言って全て闇の中で実施されるだろうし、権力側にとって都合の悪い真実は全て永遠の秘密になってしまう。

運用の仕方によっては戦前の「治安維持法」にも劣らない世界になってしまう恐れが非常に強い。
特定秘密捜査のための特高警察のような組織も作られていくのだろう。

国民が衆参両院で過半数を与えてしまった自公両党が本性を表わして国民に向かって牙をむき出し始めた。
そんな政権を選択してしまった国民の自業自得と言えなくもないが、4割強の得票で8割もの議席を獲得した自民党の横暴は目に余る。
現在の与野党勢力図のまま3年間は国民の審判を受けなくてもよいという状態に悪乗りして、自民党の思うままの法律を作ってしまおうという魂胆だ。
我々がいくら歯ぎしりしても何らの関与もできない状態がこれから3年も続くという無力感の中で、戦前回帰がどんどん進んでいくのだろう。

官僚に対する姿勢に共感するところもあった「みんなの党」だが、秘密指定に首相の関与を強めただけで何ら本質問題についての修正をせまることもなく賛成に回ったのには幻滅した。
渡辺喜美も自民党に何らかの弱みを握られてしまったのだろうか。
普段の姿勢からは想像できない軟弱ぶりだ。