electric

思索 電子回路 論評等 byホロン commux@mail.goo.ne.jp

愛と青春

2008-03-01 18:08:49 | 音楽・映画
ピアノ・レッスン
監督 ジェーン・カンピオン

私の中では「セックスと嘘とビデオテープ」に次ぐ、或いは双璧のラブストーリー。もちろん両者は全く異なるものであるが、映像と音楽の美しさは「ピアノレッスン」をひときわ引立たせている。主人公のエイダは農夫の夫と見合結婚のためにニュージーランド南端の島にやって来る。エイダは、顔にマオリ族の入れ墨をした無愛想な隣人ベインズにピアノを教えることになり、ここから物語りは展開する。一見奇妙な状況の中で、エイダがベインズに心を奪われていく様子、ベインズのエイダに対する愛情の深さなどに素直に納得させられるリアリティがある。描写のみならず内容を包括して、息を呑むほどの美しい映画。


ブラザー・サン シスター・ムーン
監督 フランコ・ゼフィレッリ

フランチェスコは裕福な商人の息子で、頭のいい快活な青年。そのフランチェスコが友人と共に十字軍として遠征し、戦闘半ばにして夢遊病者のように町に戻り帰る。意識を回復したフランチェスコはもはや別人となっていた。否もはや人ではなかった。魂を失ってしまっていたのである。心に強い印象として残るシーンと言葉の数々。物悲しい音楽と薄暗い映像で始まるが、見始めるとラストまでの時間を感じさせない。映像と音楽もしだいに明るく清らかな美しさを見せ始める。終了の後もまだまだもっとずっと見ていたいと思わせる第一級品の映画。またドノバンの音楽を抜きにしてもこの映画は語れないだろう。
コメント
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