紫のオルフェ~何でもかんでも気になる音楽、名曲アルバム独り言

ジャズ、ラテン、クラシックを中心として、名曲、アルバム演奏者を紹介します。&私の独り言を…

ザ・バディ・デフランコ・セプテット~ライヴ・デイト

2007-08-16 23:48:00 | ジャズ・フルート他(ホーン)
まだまだ暑い日が続いてますねぇ。
そこで、今日も肩の凝らない寛ぎのホーンアルバムを紹介しましょう。
セプテット(7人編成)ですが、白人を中心としたメンバーは最高!
中でもベーシストは?…あの夭逝の天才、「スコット・ラファロ」の名が…(驚)
それでは詳細を紹介しましょう。

アルバムタイトル…ライヴ・デイト

パーソネル…リーダー;バディ・デフランコ(cl)
      ハービー・マン(fl、ts、b-cl)
      ピート・ジョリー(p、accd)
      ヴィクター・フェルドマン(vib)
      バーニー・ケッセル(g)
      スコット・ラファロ(b)
      スタン・リーヴィー(ds)

曲目…1.オー・レディ・ビー・グッド、2.サテン・ドール、3.マイ・ファニー・ヴァレンタイン、4.ブルース・フォー・スペース・トラベラーズ、5.ティン・リード・ブルース、6.クレイジー・リズム、7.バラード・メドレー…a)アイム・グラッド・ゼア・イズ・ユー、b)ゼアズ・ノー・ユー

1957年8月 LAにて録音

原盤…ヴァーブ 発売…ポリドール
CD番号…POCJ-2144

演奏について…正直、ピカ1の名演と言われれば???となってしまいます。
と言うのも、このアルバムは、超名演によって私が紹介したいと言うわけではなく、全体の編成の妙だったり、西海岸的なハイセンス…明治時代の「モボ」的な演奏のトータル勝負で聴かせたいアルバムなんですよ。
ですから、ぶっ飛び超絶名演はありません。

1曲目「オー・レディ~」では、「ハービー・マン」が、まだ「悪さ」を出していない?ストレートな表現をしているし、「ケッセル」は名アドリブを短小節ですが、演っていて好感が持てます。
「フェルドマン」の寛ぎのヴァイブ、そして、「ベニー・グッドマン」を彷彿させる「デ・フランコ」のクラリネットも勿論素晴らしいです。
一言で言うと、レーベルで「パシフィック・ジャズ」の演奏みたいと言ったら分かり易いでしょう。

2曲目「サテン・ドール」では、白人が演る、お洒落「ブルース」調4ビートによって進められ、「デ・フランコ」が、煌めき多い名フレーズを多発するアドリブがとにかく良い味出してます。
他のメンバーは、ほぼバックに徹していますが、「ジョリー」の半音くずしのソロは行けてますし、「マン」は後の彼の名アルバムで吹かれる名フレーズをチョロっと吹いて、将来の成功が垣間見れます。
「ケッセル」のソロもお洒落で良いですが、特にここでは短いながらも「ラファロ」がソロをとっており、天才の一部が発見できて幸せになれますよ。
もしもベストトラックを挙げるなら、この曲でしょう。

3曲目「マイ・ファニー~」は、原曲に忠実なメロディを「デ・フランコ」が吹くのだが、とても味わい深い好演で、中途の「フェルドマン」のヴァイブも知性的でこのバラード演奏に良い仕事をしています。

4曲目「ブルース~」は、「ケッセル」が書いた急速調のブルースですが、勿論当人がピカ1の演奏をしています。
やや飛翔的なあばれ吹きをする「マン」も買いです。
この二人に煽られ、「ジョリー」「フェルドマン」もかなり大胆なアドリブを演じ、特に「ジョリー」は中途でピアノからアコーディオンに持ち替え、これがかなりの名演奏で、この曲に抜群のスパイス効果を与えてます。
ベースを刻むだけの「ラファロ」の重戦車の様なパワフルさも良いですね。
個人的にはトータル評価で、かなり好きな演奏です。

もう一つのブルース「ティン~」は、「デ・フランコ」が作曲していて、ここでも当人「デ・フランコ」が、最も大胆な崩しをするアドリブを見せる。
そして続く「フェルドマン」のアドリブは、かなりブルージーで、「デ・フランコ」の意図(ブルース曲)を充分に理解している。
バスクラを演じる「マン」、ピアノの「ジョリー」、ギターの「ケッセル」も、二人に右へ倣えのブルース演奏に従事して、この曲に関しては、とても白人ウェスト・コーストジャズではなくて、南部や東海岸の香がぷんぷんの異色名演になっている。
こいつら…やる時はやる男達で、やはり只者じゃないぜ!!

7曲目「バラード・メドレー」の2曲も、寛ぎ度100%の、勿論良い演奏です。
中でも「デ・フランコ」と「ケッセル」の上品な絡みバラッド演奏に、ベースで飾り付けを施す「ラファロ」が好アシストです。

せっかくアルバム紹介記事を書いたのに…パソコンの調子がおかしい

2007-08-16 00:05:03 | ジャズ・テナー・サックス
今日は、「ベン・ウェブスター」の「シー・ユー・アット・ザ・フェアー」と言うアルバムを紹介するために、かなり大作の文表を作成したのに、パソンコンがフリーズを起こしやがって…チ、チクショー(小梅太夫か!)
と言うわけで、今日は記事を書くことが出来ません、ごめんなさい!!

と言いながら投稿したら、や、やったー。
これで紹介できるぜ。

先ほどの大作とは違って、端折っちゃうけどゴメンナサイ!
一言で言えば「ジス・イズ・ザ・オールド・スタイル・テナー」です。
しかし、ベテラン・テナーは決して死んではいませんよ。
独自の「ブレス奏法」は健在で、廻りのメンバーのアシストもすごいので、このクソ暑い残暑に聴くには、(頭を切替える意味でも)もってこいですよ。
では、詳細を…

アルバムタイトル…シー・ユー・アット・ザ・フェアー

パーソネル…リーダー;ベン・ウェブスター(ts)
      ハンク・ジョーンズ(p)※2~4、9
      ロジャー・キャラウェイ(p)※1、6、7 
                 (ハープシコード)5、8
      リチャード・デイヴィス(b)
      オシー・ジョンソン(ds)

曲目…1.シー・ユー・アット・ザ・フェアー、2.虹の彼方に、3.わが恋はここに、4.イン・ア・メロー・トーン、5.ララバイ・オブ・ジャズランド、6.スターダスト、7.フォール・オブ・ラブ、8.ホワイル・ウィアー・ダンシング、9.サムワン・トゥ・ウォッチ・オーヴァー・ミー

1964年3月11日、25日 録音

原盤…インパルス A-65 発売…ユニバーサル・ビクター
CD番号…MVCJ-19100

演奏について…重ね重ねすみませんが、約2時間前に気合を入れて、超大作の文章を書いていたので、再度書く気には毛頭なりません。
ですので、今日は極簡単に説明します。

お薦め曲は、タイトル曲「シー・ユー~」では、「ウェブスター」の男の色香たっぷりのソロ(実は全曲そうですが…)にプラスして、「キャラウェイ」の哀愁のシングル・トーン、「デイヴィス」の真に硬派のガチガチに引き締まった重厚ベース、ドラム「ジョンソン」のおかず、遊び心も充分で、4人の掛け合いがとても楽しい1曲ですね。

2曲目バラード「虹の彼方に」…「ウェブスター」の情感たっぷりのテナーソロは、背中で語る男の哀愁、正しく古い日活の映画に出てくる、主人公(裕次郎か?旭か?)の波止場の情景を思い浮かばせますね。
伴奏する「ハンク・ジョーンズ」のピアノも泣かせるメロディフレーズを連発して、「ウェブスター」を、好サポートします。

4曲目「イン・ア・メロー・トーン」…こちらも有名なスタンダードだが、正統派4ビートに乗って、「ウェブスター」がバッチリ渋く「ブレス奏法」で決め!
「ハンク・ジョーンズ」は、ここではブロックコードで「ウェブスター」を盛り上げ、シングルトーンで演奏を装飾する。
「デイヴィス」「ジョンソン」の、短いが決め一発のソロパートも抜群です。

6曲目超名曲「スターダスト」も4曲目同様の演奏。
この曲では「ジョンソン」のブラシュワークがとても品良く、且つお洒落サウンドで気持ち良いですねぇ。
「ウェブスター」は寛ぎのテナーを気持ち良く吹き切ります。

個人的には5曲目「ララバイ~」&8曲目「ホワイル~」が大のお薦め。
どちらも影の主役はハープシコードを奏でる「キャラウェイ」です。
中途のソロでは、ハープシコードがこんなにもジャズに合うのかと再認識させられ、テクニックもすごいです。
それから「ララバイ~」「ホワイル~」とも、ボサノヴァ・ラテンリズムで、皆を煽る「デイヴィス」のベースドライヴィングも、実に素晴らしい。
「ウェブスター」のオールドスタイルの職人吹きが、逆にこの新編成のカルテット演奏に妙に映えます。

それから7曲目「フォール~」での哀愁のバラード…「ウェブスター」のソロは、まじに泣ける名フレーズです。

こう言う古いスタイルのテナーもたまには良いぜいぃ!!!