紫のオルフェ~何でもかんでも気になる音楽、名曲アルバム独り言

ジャズ、ラテン、クラシックを中心として、名曲、アルバム演奏者を紹介します。&私の独り言を…

余りにもベタなんだけど…JAKE SHIMABUKURO~GENTLY WEEPS

2007-10-07 01:16:55 | ワールド・ミュージック
今日は、昨年日本映画の各賞を総なめ状態にした、名作「フラ・ガールズ」を、地上波、初登場との事で、テレビで観てました。
蒼井優ちゃん、可愛かったですね、&静ちゃん達の踊りも良かったです。
映画の内容も実話でも有り、とても感動しました。
さて、まぁ有名な話ですが、この映画の音楽部門の総指揮が、今日紹介するアーティストで、この映画の作曲も手がけています。

その名は「ジェイク・シマブクロ」。
世界最高のウクレレ奏者と言って良い、今が旬のアーティストです。

アルバムタイトル…ジェントリィ・ウィープス

パーソネル…ジェイク・シマブクロ(ukulele、g)
      セアン・キャロル(ds) 
      マーク・タノゥヤ(b)
      マイケル・グランデ(key)
      ヴェルノン・サカタ(e-g)
      ジョン・ポラス・Jr.(perc)
      ダリアン・エノモト(ds)
      セルジオ・ガリサ(b)
      ダン・タカムネ(e-g)
      ランディ・アロヤ(b)
      ノエル・オカモト(ds)
      ディーン・タバ(b)
      ボビー・ニシダ(g)
                  他

曲目…1.フラ・ガール、2.ビヨンド・ザ・ブレイク、3.ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス、4.エンジェル、5.オーヴァー・ザ・レインボウ、6.コーヒー・トーク、7.レッツ・ダンス、8.ハートビート/ドラゴン、9.ヘイ・リトル・レディ、10.ブリーズ、11.ウィッシュ・オン・マイ・スター、12.レイジー・ジェーン、13.タッチ、14.スペイン、15.オン・ザ・ロード、16.アメリカ国歌

2006年6月14日 ハワイ、ナッシュビルにて録音

原盤…EPIC SONY   発売…ソニー・ミュージック・ジャパン
CD番号…EICP-625

演奏について…ソロ・ウクレレのバカテクを味わえるのは、まず3曲目「ホワイル・マイ・ギター(ウクレレ)~」で、これぞウクレレの超絶技巧の極みを体験できます。
勿論、テクニックだけでなく、ウクレレに込められた、哀愁や情感も見事に表現された名演です。

オープニング曲「フラ・ガール」…多分この映画のサントラにも使用されていると思います。
先ほどの名作映画を、一瞬で鮮明に脳裏に蘇らせるメロディと演奏ですね。
貴方もハワイ(常磐)へ、トリップしましょう。

7曲目「レッツ・ダンス」…個人的にはたまりませんね。
ウクレレで演奏する、フラメンコです。
「ジェイク」のすごテクが熱く燃えさかって、ハワイとスペインが融合される。
クライマックスは、まじに闘牛士のテーマのようです。
14曲目「スペイン」も、文字通り哀愁タップリです。
そして「ジェイク」の生ウクレレ、ハイテクが、とにかく高速で暴れ捲ります。
しかしウクレレってすごいなぁ。いや、「ジェイク」がすごいんだね。

2曲目「ビヨンド~」は、その名の通り、米ドラマ「Beyond The Break」の挿入歌に使用されているらしく、「ジェイク」のとてもハード・コアな一面を見ることの出来る、ハワイアン・フュージョンです。
ハードな「ジェイク」も結構行けるぜ。

12曲目「レイジー~」…うぅーん、曲の冒頭のフレーズから、私の心の琴線に触れ捲りで、思わず失禁(失礼)しちゃいそうです。
中途からジャジーな雰囲気になって、オーソドックスなウクレレ(ピアノレス)カルテットの完成です。

4曲目「エンジェル」、5曲目「オーヴァー・ザ・レインボウ」では、寛ぎ&癒しの「ジェイク」がフル稼働します。
ウクレレのほのかに明るい弦音が、貴方の心を優しく包み込み、ギターでは絶対に出せない、このウォームな響きに、貴方は南国の夕焼けを見るでしょう。

11曲目「ウィッシュ~」も、寛ぎ光線と癒し光線を「ジェイク」が出し捲ります。
しかし、「ジェイク」のアドリブは、どの曲もとてもメロディアスで、慈愛に満ち溢れていて、聴いているととても安心するサウンド(曲)ですね。

6曲目「コーヒー・トーク」…とてもポップで軽快なサウンドとメロディが聴き易く、ハッピー・トラックとして良いですね。
15曲目「オン~」も同じくライトなポップ・チューンです。

8曲目「ハートビート」…ウクレレをマイク(エフェクター)を通した音で録音しており、とても幻想的なイメージに仕上げた。
今いる世界は、夢か現実か、それとも白日夢なのか、この曲は、心の迷いと葛藤を表現しているんでしょうか?
ユニークであって、しかしとても印象的なトラックです。

10曲目「ブリーズ」も、演奏のコンセプトは、8曲目と略同じなんですが、こちらの曲の方が、良く知られたメロディなので、頭の中は、朝もやの転寝状態で、夢うつつな感じが、演奏に表れてるみたいです。
13曲目「タッチ」も同じ様なイメージですね。
ただ、この曲の方が哀愁があって、少しセンチメンタリズムになりそうな気がします。

9曲目「ヘイ・リトル~」は、ウクレレで演じる、カントリー&ウェスタンで、これも聴きようによっては、ウクレレがバンジョーに聞こえるのが、何とも不思議ですね。
編曲も、ハーモニカ、等、もろにカントリーなんだよね。

ラストの「星条旗を永遠なれ」…ウクレレで演ると、とにかく渋いの一言だ。
正に通好みの〆になってます。
とにかく、全編に渡って「ジェイク」の音楽的な深さと広さ、そして技術を堪能できるアルバムです。      

ユーロピアン・ジャズとカリビアン・リズムの融合…新たなフュージョンだ!~バプティステ

2007-09-12 23:49:47 | ワールド・ミュージック
今日紹介のアルバムは…うぅーん、カテゴリーが超難しいなぁ。
UKから発売された、ユーロピアンジャズなのだが、正統的なジャズとは程遠い。
所謂、アシッド・ジャズの様な要素も多分にある。
ジャズなのか、ラテンなのか、フュージョンなのか?はたまた…???
結局、色々なエッセンスが混じり、主役「バプティステ」が多くのジャンルから、音楽を吸収して、影響を受けたアーティストと言う事で、ワールド・ミュージックに入れる事にしよう。

アルバムタイトル…neuriba

パーソネル…David JeanーBaptiste(b-cl、tenor sax)
      Julian Joseph(p、key)
      Daniel Berdichevsky(g)
      Ricardo dos Santos(b)
      Kenrick Rowe(ds)
      Richard Ajileye(perc)
      Rowland Sutherland(fl)
      Sandra Phenis(vocal)
      Orphy Robinson(vib)
                         他

曲目…1.Fortune Smeiles、2.9 Prospect Avenue、3.Mysti、4.Un Cuore in Inverno、5.The Legacy、6.~10. EuroーCarib Classicism Suite《Neuriba、Outcome、State、Egyptian Goddess、Future Pace》

原盤…CANDID 発売…ewe レコード
CD番号…EWBC-79204

演奏について…まず、冒頭で解説したが、とにかくセンス抜群の様々な音楽が渾然一体となって、ネオ・フュージョン(ネオ・ジャズ)が繰り広げられる。
「バプティステ」は、クラシックの素養もあり、演奏技術は申し分無い。
バス・クラでもテナーサックスでも、一級の演奏技術を持ったマルチリード奏者である。

まず、1曲目「フォーチューン・スマイル」…楽しげなカリビアン・リズムにのって、「バプティステ」がクライネットを軽やかに吹く。
しかし、カデンツァに入ると、ラテンのリズムよりも遥か上空を、このクラリネットが飛び廻る。
真夏のカリビアン・ビートに降り注ぐ、クラリネット・シャワーの様な演奏だ。
これまた抜群のノリで、ラテンビートをぶちかます、ピアニストの「ジェセフ」も素晴らしい名演です。

2曲目は「9プロスペクト~」は、「バプティスト」のソロに多くの管楽器のソリストが、輪唱の如く絡みつく、とても印象深い演奏。
そうだ、一言で言うと、管楽器で歌うゴスペルから曲が始まる感じだ。
そのテーマが終わると、アシッド・ジャズ的、超カッコイイ、ベースで「サントス」が淡々と音を刻む。渋いが…この曲1番の聴き所でしょう。
中途で又、「バプティステ」のクラリネットを中心に、管楽器群が絡みつくのだが、またまた「サントス」が硬派のベースでぶちかまし、この曲では独壇場です。

3曲目「ミスティ」…では、例にもれず「サントス」の硬派ベース、ヴァイブの「ロビンソン」を中心に、骨太のリズムを柱にして、女性ヴォーカル「サンドラ・フェニス」が、とてもアンニュイ&ジャジーな色香たっぷりの黒人女性らしく歌う。
伴奏で盛り上げる「バプティステ」も壷を心得た演奏でgood。
夏の夕暮れ、或いは薄暮に聴いていたい、けだるい感じが堪らない魅力です。

4曲目「ウン・コーレ~」は、ピアノの「ジョセフ」が、いかにもラテンチックに、軽快に飛ばす快演が、とにかく気持ち良い。
この曲では、誰が何と言っても、主役はこいつだ!!
パーカションの「アジレイ」もこの演奏の心地よさに大きく貢献している。
そして勿論、「バプティステ」も、好フレーズを次々に吹き捲る。

5曲目「レガシィ」は、変則ラテンリズムに、やや不協和音的なユニゾンが特徴的な曲調で、ここではあえて全員が、音をチョイはずしの美学を追求する。
ドラム、ベースのバック陣営は、カチっと締ったリズムを刻み、崩し系ユニゾンの管楽器群を、上手に支える。
カッティング・ギターの「ベルデシェフスキー」も良い味出してるよ。
正しく、大人の快演奏だね。

6曲目~10曲目…このアルバム最大に聴き物「ユーロ・カリブ・クラシズム・組曲」が最高に決まった演奏。
6曲目の序奏では、またまた「フェニス」のアンニュイなヴォーカルに、フルートの「サウザーランド」が素晴らしいフルートで応戦する。
「バプティステ」の余裕充分なテナーも男らしくて気持ち良い。
この3人の人間模様は…なんてチョット、ミステリアスなフェードアウトで終わる所もにくい演出です。

7曲目はメチャ明るいカリプソで、さらっと行こうぜぇぃ。
8曲目「ステイト」は、6曲目の発展系で、「フェニス」のヴォーカル、いや「語り」が入っていて、メロディは6曲目のテーマの発展型です。
所謂、クラシックのソナタ形式を踏襲しているのです。
この辺があらゆる音楽のエッセンスを混ぜている所以だろうなぁ。

9曲目「エジプトの女神」…一言で好きだ。大好きだ。。
冒頭では「バプティステ」の哀愁タップリのクラリネットを囲って、「ジョセフ」がリストの曲調の様に、華麗なピアノを演奏して警護にまわる。
テーマが終わると、急速調にリズムが刻まれ、この哀愁曲はいつしか、いけいけの明るいラテンに変わっている。
上手と言うか、不思議と言うべきか、見事に転調している。
この後では、「バプティステ」は、「ドルフィー」の如く、クラリネットで絶叫して、とても感動的な演奏である。

そして〆の10曲目は、以前紹介した「デパペペ」の様なラテン調のデュオギターから、発展していき、クラブシーンでかかる、大人のジャジーな雰囲気の演奏に変わる。
「バプティステ」は、苦しさを感じさせない、余裕のソロで、ピアノ「ジョセフ」も流麗なブロックトーンで、エンジン全開になる。
エンディングに近づき、ギター「ベルデシェフスキー」が、フラメンコの様にかき鳴らし、皆の精神も最高揚を迎える。
しかし、熱く成り過ぎず、どこか空の上から、冷静にこの曲を傍観している演奏家達が多くいる。
そう、それは「バプティステ」自身を含めた、彼等ミュージシャンそのものです。
やはり、現代人は一歩冷めた自分を必ず持っているようです。

日本、米、ブラジルの超一流ミュージシャンが集結したスーパー・ユニット「ザ・ブリッジ」を聴いてくれ

2007-08-28 23:43:59 | ワールド・ミュージック
今日、紹介するアルバムは、カテゴリーを区分できないので、総称して「ワールド・ミュージック」に入れさせて頂きます。
CDの帯の解説では、ジャズ、ファンク、ロック、R&B全ての要素を持ち、音楽の中で、古代と現代が出会う…一言で言うならば
「マルチ・カルチャー・ポップ・フュージョン」との事。
しかし、聴いて見ると、個人的には、「ブラジリアン・ポップ」が一番、ニア・イコールの気がします。

アルバムタイトル…ザ・ブリッジ~夢のかけ橋

パーソネル…マイケル・センベロ(vo、g、他)
      ダニエル・ジョビン(vo)
      トシ・クボタ(久保田利伸)(vo、コーラス)
      エドゥー・ファルコ(vo)
      ヴィニー・カリウタ(ds)
      ネイザン・ワッツ(b)
      パウリーニョ・ダ・コスタ(perc)

曲目…1.no chao、 2.pirates in the net、3.the question song、4.procura、5.send me an angel(天使の歌)、6.the way we feel now、7.gone、 8.on the wing、9.love may never last forever、10.somethin’else、11.chenge on chenge、12.candles in the dark、13.quando chuva、14.one planet one people、15.send me an angel(天使の歌/日本語バージョン)

1997年録音

原盤…i NOKS、発売…ポニー・キャニオン
CD番号…PCCY-95005

演奏について…まず、クボタが英語で歌い、センベロが日本語で歌うと言う、2種類のバージョンが残されている5曲目と15曲目の「天使の歌」は、センチメンタルなメロディが素晴らしいボサ・ノヴァ曲。
多分このアルバムの看板曲でしょう。
「クボタ」は高音域を活かした流石の歌唱力で、心に響く、「聴かす一曲」になってます。
「センベロ」は、歌唱力では「クボタ」に若干負けているが、それ以上に「味わい深さ」が持ち味となって、センス抜群の良い塩梅の歌に仕上げています。
中途で入る、フラメンコ的な、アコースティックギターアドリブソロも最高っす。

それから、個人的には、非常に甘~い9曲目「ラヴ・メイ~」が大のお気に入りに追加となった。
歌っているのは、ここでも「センベロ」で、この曲、貴女にデート中に聴かせれば、惚れられちゃうかもよ。
それぐらい、スイートで、ロマンティックな渾身のバラード曲(歌)ですよ。

10曲目「サムシンエルス」は寛ぎのボサ・ノヴァ曲で、「ダニエル・ジョビン」が十八番のブラジル物で、良い仕事しています。
ボサノヴァはやっぱり「ヘタウマ」調の、ヴォーカルが決まり物ですよね。

11曲「チェンジ~」は、このアルバムのコンセプトを一番反映させた曲かもしれません。
ビートはポップで、編曲的にはインド(シタール?)と南米(パーカッション他)のコンフュージョンに仕上げられ、メロディは中東っぽいガムラン調。
ヴォーカルは全員のコーラスがメインで、女性コーラスも入っている。
言語も、「かけ橋」なんて日本語が使われているパートもあって、何とも摩訶不思議ですが、心地よい一曲です。

12曲目「キャンドル~」も「センベロ」の歌うバラード曲。
キャンドルに火を点けて、彼女を待つ、悲しい男心?を歌った歌だが、情けなさを感じるのではなく、かなりピュアな歌&歌詞で、「センベロ」歌う主人公に、同調できるでしょう。

1曲目「ノ・チャオ」…民族楽器で奏でられる序奏が、このアルバムのボーダーレスなスピリットをノッケから知らしめる。
この曲はアフリカの音楽なのか?それとも…国籍不明のリズムとパーカッションの空間が異次元の宇宙を描き出す。
うぅーん誠にディープな1曲

2曲目「パイレーツ~」は、スローだがとてもリズミックな英語で歌われる、独特の風合いを描き出した佳曲。
源流はラテン・フュージョンなんだろうが、ファルセットの歌声や、効果的な「ダ・コスタ」のパーカッションが、曲に素晴らしい色付けをしている。

3曲目「クエスチョン~」は、「コスタ」がメインヴォーカルだが、この曲は完璧な「ブラジリアン・コンテンポラリー・ポップス」のカテゴリーに入る曲。
どこまでも、明るく澄み切ったラテンポップで、青い海と白い雲、そしてまたその上の青い空のコントラストが眼に浮かぶ様な真夏のサウンドです。

他の曲も趣ある曲が多く、興味ある方は是非聴きましょう。