紫のオルフェ~何でもかんでも気になる音楽、名曲アルバム独り言

ジャズ、ラテン、クラシックを中心として、名曲、アルバム演奏者を紹介します。&私の独り言を…

シェリフ~「モダン・ジャズ・カルテット」

2007-02-28 23:09:56 | ジャズ・ピアノ・コンボ
この前、ジョン・ルイスを紹介したので、今日はルイスの本体とも言える、モダン・ジャズ・カルテットの好アルバム「シェリフ」をお送りします。

このアルバムは好アルバムですが、モダン・ジャズ・カルテット(以下MJQ)の代表作、有名盤では有りませんが、私好みの演奏が多いので選びました。

MJQパーソネルについて
ジョン・ルイス(p)、ミルト・ジャクソン(vib)、パーシー・ヒース(b)、コニー・ケイ(ds)の4人です。

ジャズでありながら、クラシックの室内楽の様な、小粋でライトなジャズを演るグループです。
中核を成すのが、バッハに傾倒しているクラシック的ピアニストの、ジョン・ルイスと、ブルースに傾倒し、ファンキーなミルトのバイブが水と油ではなく、心地よい調和・融合を見せて、聴くものを和ませるのです。

曲目…1.シェリフ、2.インナ・クラウド、3.バチアナス・ブラジリア、4.ミーン・トゥ・ミー、5.ナチュラル・アフェクション、6.ドニーのテーマ、7.カーニヴァル(黒いオルフェ)

演奏曲の解説を…私の一押しは、このブログの名前(紫のオルフェ)の由来の曲である、7曲目のカーニヴァル(黒いオルフェ)と、ブラジルのバッハ(ヴィラ=ロボス作)の3曲目が双璧です。
次いで、ライトなボサ・ノヴァの5曲目はルイスのピアノが秀逸、スタンダードの4曲目は、このアルバム中最もMJQらしい名演で、特にミルトが乗っています。

いつも言うことが多いのですが、このアルバムも全曲駄演・駄曲がないので、みなさんにお薦めしたいですね。

チャールス・ミンガスの「道化師」

2007-02-27 23:52:03 | ジャズ・ベース
本作は、ミンガスのアトランティック録音の第2段である。
偉大なるベーシスト兼バンドリーダーであるミンガスは、世に多くの問題作を提起してきた。
このアルバムの前作「直立猿人」などはその最たる作品であるが、今回はあえてこのアルバムを紹介したい。

アルバムタイトル名…「道化師」
ジャケット写真からしても、強烈なインパクトを放っている。

パーソネル…チャールス・ミンガス(b)
      カーティス・ポーター(as&ts)
      ジミー・ネッパー(trb)
      ダニー・リッチモンド(ds)

曲目…1.ハイチ人戦闘の歌、2.ブルー・シー、3.ラブ・バードの蘇生、4.道化師

演奏について紹介です。
1曲目から、ミンガス節全開であり、この曲が一番の推薦曲である。何とも攻撃的なタイトルであり、演奏である。ミンガスのベースもさることながら、ポーターのサックス、それにも増して、ネッパーのトロンボーンがエグい。
4曲目のアルバムタイトル曲は、ナレーション入りで実験的な作品だ。

正直、ミンガスのアルバム(曲)は、今迄紹介してきたアルバムの様に、聴き易くはないが、こう言うジャズがあることも分かって欲しいし、これだからジャズは面白いのである。



キース・ジャレット・トリオ~スタンダーズ・ライブ「星影のステラ」

2007-02-26 23:19:16 | ジャズ・ピアノ・ソロ~トリオ
先ほどまで、兄弟ピアノ連弾奏者の「レ・フレール」の演奏をテレビで拝見し、中々良いなぁと言う印象を持ちました。
他に見た方がいらっしゃったら、またご返信をお願いします。
さて、今日はピアノ・トリオのライブの名盤を紹介します。

アルバム・タイトル名…スタンダーズ・ライブ「星影のステラ」

パーソネル…キース・ジャレット(p)
      ゲイリー・ピーコック(b)
      ジャック・ディジョネット(ds)

録音…1985年7月2日 パリ、パレ・デ・コングレにてライブ録音

曲目…1・星影のステラ、2.ザ・ロング・ブルース、3.恋に恋して、4.トゥー・ヤング・トゥ・ゴー・ステディ、5.今宵の君は、6.オールド・カントリー

私の一押しは、アンコールで弾いた「オールド・カントリー」の哀愁のメロディがピカ一ですが、1曲目からキース節全開で、鼻歌(うなり声)がびんびんです。
2曲目のセンス・解釈も抜群、特にキースのソロは勿論ですが、ピーコックのベースのインタープレイは目を見張ります。
ディジョネットは全編に渡り、抑えたシンバルワークでバックに徹して、二人を際立たせています。
3曲目は原曲よりもかなり早いテンポで、ピーコックとのバトルが良いです。
4曲目はこのアルバム第2のお薦め曲(演奏)で、キースのピアノに美を感じるでしょう。
5曲も好演で、駄演、愚演は一切無しのお薦めアルバムです。
ピアノトリオ好きなら、外せないアルバムです。

東西の融合「グランド・エンカウンター」~ジョン・ルイス

2007-02-25 22:02:43 | ジャズ・ピアノ・コンボ
まず、最初に今晩の「日の丸飛行隊」、復活嬉しかったですね。
最後の葛西のジャンプの時は、神に祈りましたよ。
いやぁ、良かった良かった。

さて、今日は通称「イースト・コースト・ジャズ」と「ウェスト・コースト・ジャズ」が融合されたとされる名盤、「ジョン・ルイス」の「グランド・エンカウンター」を紹介します。

パーソネル…☆ジョン・ルイス(p)いわずと知れた、モダン・ジャズ・カルテットのピアニストであり、室内楽的ジャズを奏でる中枢人物である。
      ☆ビル・パーキンス(ts)西海岸を代表する白人テナー
      ☆ジム・ホール(g)パーキンスと同じく、西海岸で活躍していた白人ギタリストの第一人者。
      ☆パーシー・ヒース(b)ジョン・ルイスの片腕?として、モダン・ジャズ・カルテットのリズム・セクションを担う男。
      ☆チコ・ハミルトン(ds)黒人だが(失礼)自己のバンドを含め、西海岸でライトなジャズを演っていたブラシワークの鉄人。

曲目…1.ラブ・ミー・オア・リーブ・ミー、2.言い出しかねて、3.イージー・リヴィング、4.2度東3度西、5.スカイラーク、6.恋をしたみたい

演奏曲について簡単に解説しましょう。
西と東の融合と言ったが、MJQ自身が東海岸のジャズとは言え、至って西海岸的な演奏&解釈のバンドなので、ミルト・ジャクソンの代わりに、パーキンスのテナーとホールのギターが加わったと見るべきである。
どの曲も片意地張らず、リラックスした洒落た演奏である。
ピアノトリオの部分などは、まんまMJQと言えそうな演奏で、至る所でルイスが統制を取っているのが分かる。

前から言ってますが、美少女のジャケットも秀逸であり、この「くつろぎのジャズ」演奏も大いに有りですぞ。


      

美しきボサ・ノヴァのミューズ~ナラ・レオン

2007-02-24 23:51:36 | ラテン・ヴォーカル
今日紹介するのは、ボサ・ノヴァ史上永遠の名盤、「ナラ・レオン」の「美しきボサ・ノヴァのミューズ」を紹介しましょう。

アルバム・タイトル…原タイトル「10年後」

ナラ・レオン(1942~89)…語るように歌う、正しく「ボサ・ノヴァ」を歌うために生まれてきたようなシンガーだ。

曲名…このアルバムは元来、LPの時は2枚組で29曲の大作なので全曲紹介は一寸ご勘弁を…そこで有名どころや名唱を紹介しておきます。

2曲目・ヂザフィナード、6曲目・平和な愛、8曲目・メディテーション、10曲目・まなざし、12曲目・ヂマイス、13曲目・インセンサチス、14曲目・ワン・ノート・サンバ、※15曲目・白と黒のポートレート、16曲目・コルコバード、17曲目・イパネマの娘、※19曲目・思いあふれて、23曲目・オ・グランヂ・アモール、24曲目・エストラーダ・ド・ソル

特に※印の2曲はメチャお薦め。

とにかく、優しい歌声、歌い廻しを聴いて、癒されて下さい。

親しみ易い「神」降臨!コルトレーン「バラード」

2007-02-23 22:18:38 | ジョン・コルトレーン
そろそろ、ブログ開設から一ヶ月が経ちます。
今迄、私はペン・ネーム「エリック・ドルフィー(えりっく$Φ)」で、最も敬愛する音楽家が「神コルトレーン」と言っていましたが、ドルフィーは真打登場で一度紹介しましたが、まだ皆様にコルトレーンのアルバムを紹介していませんでした。
そこで、今日はコルトレーンの切り札を一枚出します。
初紹介アルバムと言う事で、難しいコルトレーンとは無縁の、誰でも聴けばスーッと入れて、納得のアルバム「バラード」を紹介します。

アルバム名…「バラード」

パーソネル…「ジョン・コルトレーン」(ts)
      「マッコイ・タイナー」(p)
      「ジミー・ギャリソン」(b)
      「エルヴィン・ジョーンズ」(ds)
      「レジー・ワークマン」(b)※7曲目のみ

曲目…1.セイ・イット、2.ユー・ドント・ノウ・ホワット・ラブ・イズ、3.トゥー・ヤング・トゥー・ゴー・ステディ、4.オール・オア・ナッシング・アット・オール、5.アイ・ウィッシュ・アイ・ニュー、6.ホワッツ・ニュー、7.イッツ・イージー・トゥ・リメンバー、7.ナンシー  全7曲

演奏について少しだけ解説させて頂こう。
一言で言えば「全曲名曲であり、全曲名演」である。
大袈裟に聞こえるが、どのスタンダードもジャズ演奏として、古今東西の演奏の中でもベスト1だと思う。
エモーショナルで繊細でありながら、センチメンタルになり過ぎない、抑えた叙情性、つまり究極のリリシズムを感じさせる演奏だ。

とにかく、ジャズとは何か?と思ったら、このアルバムを聴いて下さい。

但し、一つだけ言っておきますが、神コルトレーンは、このアルバム「バラード」が彼の真髄ではなく、一面にしか過ぎません。
コルトレーンの精神的な高みに達した、正座して?聴く「アルバム」もその内紹介致しますので、ご期待下さい。





ナイト・ドリーマー~ウェイン・ショーター

2007-02-22 23:27:01 | ジャズ・テナー・サックス
コルトレーン・カルテットのリズムセクションに、フロントラインにショーターと天才リー・モーガンが顔を連ねた、正しく「夢」の様なアルバム。

アルバム・タイトル…「ナイト・ドリーマー」

パーソネル…ウェイン・ショーター(ts)
      リー・モーガン(tp)
      マッコイ・タイナー(p)
      レジー・ワークマン(b)
      エルビン・ジョーンズ(ds)

曲目1.ナイト・ドリーマー
  2.オリエンタル・フォーク・ソング
  3.ヴァーゴ
  4.ブラック・ナイル
  5.チャコール・ブルース
  6.アルマゲドン

録音…1964年4月29日

演奏について…全てショーターのオリジナルであるが、とても楽曲的にバランスが良い。

まず1のアルバムタイトル曲はミステリアスなワルツでショーターが吹きまくり、2は曲名通り、東洋的な曲調で面白い。
3は一転して、ショーターがテナーでバラードを歌い挙げる。
4はこの時代多かった、いかにも2管編成らしいハードバップの曲調で、ソロとユニゾン、ハーモニーが絶妙に展開される。
そして5がブルース、6はコルトレーンの曲に多い、マイナー調のグルービーな曲調と、全曲飽きさせない構成になっている。

各演奏者について言えば、ショーターは全曲若々しくぶいぶい吹きまくっているが、モーガンはリーダーのショーターに敬意を表してか?いつもより(彼のリーダーアルバム等に比べると)かなり控えめな演奏である。
リズムセクションについてだが、ここはワークマンだけは、コルトレーンカルテットとそれ程相違ないが、エルビンはかなり控えめでバックに徹しており、マッコイも時折天才的でモーダルな演奏をするが、「親方」の元での演奏よりは、やはり大人し目に思う。

しかしながら、好アルバムなので是非聴くべし!

デジタル・プレイ・バッハ~ジャック・ルーシェ

2007-02-21 23:45:26 | ジャズ・ピアノ・ソロ~トリオ
バッハは永遠なり。
クラシックの作曲家の中で最も時代を感じさせない作曲家がJSバッハである。
バッハの曲は、楽器もテンポもリズムも地域もオールバリアフリーである。

1960年代、このバッハの全能性に目を付けたジャズミュージシャンがいた。
今日紹介の「ジャック・ルーシェ」と「オイゲン・キケロ」と言う二人のピアニストである。
特にルーシェは10年に渡り、「プレイ・バッハ」(ジャズの解釈でのバッハ演奏)を演奏し続けたが、70年代前半でピタリと止めてしまった。
※この時代が彼を要求しなくなったのかもしれなかったのかも?
しかし、バッハ生誕300周年の1985年に彼はこのアルバムを引っさげて復活を遂げる。

演奏はピアノ・トリオなので、お洒落で聴きやすい。
先ほど名を挙げた二人の内、キケロの方がよりジャズ・ピアニストであり、ルーシェは演奏解釈がクラシックよりであろう。

そういう意味では、クラシックから一寸冒険して見よう…流行で言うなら、「ちょい悪クラシック」的な演奏なので、万人向けの演奏である。

パーソネル…「ジャック・ルーシェ」(p)
      「ヴァンサン・シャルボニエ」(b)
      「アンドレ・アルピノ」(ds)

曲目…1.G線上のアリア、2.2声のインベンション第8番、3.シチリアーノト短調、4.トッカータとフーガニ短調、5.前奏曲第1番、6.前奏曲第2番、7.主よ人の望みの喜びよ、8.イタリア協奏曲第1楽章、9.第2楽章、10.第3楽章、11.コラール前奏曲第1番、12.幻想曲ハ短調、13.第1楽章、14.第2楽章、15.第3楽章

録音1984年12月

お薦め曲…どれも耳にした事がある親しみ易い曲ばかりですが、1、4、7、8~10が超名曲で良いですが、個人的にはバッハの作でないと判断されている?3が哀愁メロディで一番好きです。

スパニッシュ・ブルー~ロン・カーター

2007-02-20 23:23:14 | ジャズ・ベース
今日紹介のアルバムは「ベースの巨人」「ロン・カーター」がCTIに録音した、「スパニッシュ・ブルー」です。

その名の通りスペイン風(フラメンコチックと言った方が良いだろうか?)の曲を当時のCTIオールスターズがドラマチックに演奏します。

アルバムタイトル…「スパニッシュ・ブルー」

パーソネル…ロン・カーター(b) 
      ヒューバート・ローズ(fl)
      ローランド・ハナ(p&elp)
      レオン・ペンダーヴィス(elp)
      ジェイ・バーリナリー(g)
      ビリー・コブハム(ds)
      ラルフ・マクドナルド(pcs)

曲目…1.エル・ノーチェ・ソル
   2.ソー・ホワット
   3.サバド・ソンブレロ
   4.アーカンソー

1974年11月 録音 

このアルバムの特徴を一言で言えば、カーターの恩師「マイルス・デイビス」の名アルバム「スケッチ・オブ・スペイン」をいかにもヒントにしていると言った感が有る。(悪く言えばパクリ?)
但し、2曲目にカーターが幾度となくこの恩師と共演した、マイルスの自作曲「ソー・ホワット」を演奏している所を伺うと、まぁ「パクリ」と言うより、「マイルス・リスペクト」と言った方が的を得ているかとも思う。

スペインの風を感じる1曲目&3曲目と、マイルスに近づいた?2曲目が特にお薦めです。
4曲目はこの頃のフュージョン節全開で、好みが分かれる気がします。

真面目なジャズ…ランダム・アブストラクト~ブランフォード・マルサリス

2007-02-19 23:01:00 | ジャズ・テナー・サックス
一言で言おう。
非常に真面目なジャズである。

アルバムタイトル…「ランダム・アブストラクト」

パーソネル…「ブランフォード・マルサリス」(ss,ts)
      「ケニー・カークランド」(p)
      「デルバート・フェリクス」(b)
      「ルイス・ナッシュ」(ds)

曲名…1.イエス・アンド・ノー
   2.クレッセント・シティ
   3.ブロードウェイ・フールス
   4.ロンジェリス
   5.アイ・ソウト・アバウト・ユー
   6.ロンリー・ウーマン
   7.スティープのテーマ
   8.イエスタデイズ
   9.クレパスキュール・ウィズ・ネリー

録音…Sound city studio,Tokyo August12&13,1987

演奏者から紹介しよう。ブランフォード・マルサリスは言うまでもなく、天才トランペッター、ウィントン・マルサリスの兄である。
弟が10代から、ジャズ界の新星として脚光を浴びたのに対して、兄はどちらかと言うと「遅れてきた大物」的な人である。
このアルバムの演奏を聴くと、奏でる楽曲が同じという事もあるが、(ts&ss)かなり「コルトレーン」に影響を受けていることが感じられる。

攻撃的な演奏1や4ではソプラノで演り、5は真面目なブルース調のフォービートをシンプルに吹く。
2などは正しくコルトレーンの超名アルバム「クレセント」を彷彿させるバラードを聴かせる。
ここまでは、似非トレーン的であるが、「真面目なブランフォード」はそれだけでは留まらない。
このアルバムの白眉はずばり6の、「ロンリー・ウーマン」と、8のスタンダード曲「イエスタデイズ」をゆったりとしたバラードで聴かせる所だろう。
ロンリー~について言えば、元祖(作曲者)オーネット・コールマンはフリージャズの寵児だったので、この演奏解釈は「ブランフォードの真価」が見てとれる。
但し、バックの3人はコルトレーンカルテットの3人の解釈を踏襲しているけど。
8はブランフォードのセンスの勝利だ。
とにかく、聴き応え充分な「真面目なジャズ」だ!!


「ヘヴィ・サウンズ」エルヴィン・ジョーンズ&リチャード・デイヴィス

2007-02-18 23:54:24 | ジャズ・ビッグバンド・その他
このハードなアルバムジャケットを見てくれ!

タイトル名…「ヘヴィ・サウンズ」の通り、重厚なジャズをこの二人を中心に展開してくれる。

双頭のリーダーアルバムだが、やはり「エルヴィン・ジョーンズ」がリーダーだろう。私の神「コルトレーン・カルテット」から独立した「エルヴィン」が重々しいドラムをぶっ敲いています。
勿論、ベースの「リチャード・デイビス」の硬派な弾きっぷりも秀逸。
テナー・サックス「フランク・フォスター」とピアノの「ビリー・グリーン」は本来花形楽器なのだが、ここではリーダー二人の師の影を踏まずといったチョイ謙虚な演奏をしている。

曲目…1.ラウンシー・リタ、2.シャイニー・ストッキングス、3.M.E、4.サマー・タイム、5.ギター・ブルース、6.ヒアズ・ザット・レイニー・デイ
1968年録音

いかすのは、まず1曲目のR&Bのラウンシー・リタが最高だ。
それと双璧が4曲目のサマー・タイムで、ここでエルヴィンとデイヴィスが11分のデュオを繰り広げて、それもデイビスは弓弾きで、Wリーダーの面目躍如です。
ギター・ブルースは何とエルヴィンのアコースティックギタープレイを聴くことができる。
ヒアズ・ザット~はフォスターのワンホーンバラードが聴き物です。

とにかくハードなのだが、飽きない(飽きさせない)アルバムです。
是非、聴いて下さいな。

ストコフスキー指揮、チャイコフスキー交響曲第5番

2007-02-17 23:26:34 | クラシック交響曲・管弦楽曲・協奏曲
クラシック界の鬼才、「レオポルド・ストコフスキー」の代表的なレコード(CD)、チャイコフスキー交響曲第5番を紹介しましょう。

ストコフスキーの鬼才ぶりを示すレコーディングは、「ストコフスキー編曲の展覧会の絵」や「バッハ・アルバム」なども有りますが、このシンフォニーは、「ストコ節全開」ではなく、どちらかと言うと正統的な解釈&演奏です。
しかし、そこはストコフスキー、細部にチョコッと光る彼をチラチラ見せており、
ある意味、個性をけばけばしく見せてはいないので、逆に普遍的な名演奏(彼の代表作)として、万人に認められているとも思います。

曲のチャイコフスキーの5番については説明の必要はないでしょう。
超名曲、交響曲第6番「悲愴」ほど有名ではないですが、第4番からのチャイコフスキー後期3大交響曲として、多くの方から指示されている名曲です。

ストコフスキー以外の名盤としては、ムラビンスキー指揮/レニングラードフィルハーモニー管弦楽団や、カラヤン指揮/ウィーンフィルハーモニー管弦楽団なども好演奏として有名です。

演奏者…指揮;レオポルド・ストコフスキー
    オーケストラ;ニュー・フィルハーモニア管弦楽団
録音…1966年頃

特に第3楽章のワルツが絶品の聴き物です。

「カミン・ホーム・ベイビー」

2007-02-16 22:16:11 | ジャズ・フルート他(ホーン)
楽しもうよ!このアルバムを。

フュージョンの基礎を作った男「ハービー・マン」のジャージーな初期の作品。
昔昔、硬派なジャズ・ファンからは毛嫌いされていたが、「ジャズ・ロック?」大好きな若者達からは、絶大な人気を誇り、嘗てはダウンビート誌で10年にも及びナンバー1フルート奏者に選ばれたアーティストです。
まぁ、私はマンの評価なんてそんなことはどうでもいいんです。
私なりに言えば、ハービー・マン…こいつはハッピーなだけではない、そんじょそこらの只者ではないフルート吹きってな感じでしょうか。
まぁ、そんなくだらない講釈は止めにして、改めて演奏者、曲目を紹介します。

アルバムタイトル…「ヴィレッジ・ゲイトのハービー・マン」

演奏者…ハービー・マン(フルート)
    ハグード・ハーディ(ヴァイブラフォン)
    アーマド・アブドゥル・マリク(ベース)
    レイ・マンティーラ(ドラム&パーカッション)
    チーク・ベイ(ドラム&パーカッション)
    ルディ・コリンズ(ドラム)

曲目…1.カミン・ホーム・ベイビー
   2.サマータイム
   3.イット・エイント・ネセサリー・ソー

録音…1962年12月 ライブ録音

1曲目のベン・タッカー作曲の名曲「カミン・ホーム・ベイビー」からハッピーなボサ・ノヴァに踊って下さい。全員ノリノリの演奏で秀逸です。
2曲目の「サマー・タイム」こいつも良いよ。おしゃれなサマータイムではないけど、こういう解釈も多いに有りだ。
3曲目もハービー節全開!!
とにかく、ラテン・ジャズ、ボサ・ノヴァ最高です。



真夜中のジャズギター

2007-02-15 23:46:04 | ジャズ・ギター
今宵は真夜中のジャズギターをどうぞ。

アルバムタイトル…「ミッドナイト・ブルー」

演奏者…ケニー・バレル(guitar)
    スタンリー・タレンタイン(tenor sax) 
    メイジャー・ホリー(bass)
    ビル・イングリッシュ(drums)
    レイ・バレット(conga)

曲目(CD盤)1.チトリンス・コン・カーン、2.ミュール、3.ソウル・ラメント、4.ミッドナイト・ブルー、5.ウェイヴィー・グレイヴィー、6.ジー・ベイビー・エイント・アイ・グッド・トゥ・ユー、7.サタデー・ナイト・ブルース、8.ケニーズ・サウンド、9.K・ツイスト              

録音…1963年1月7日
 
お薦め曲を手短に…1曲目は「バレル」はもとより、コンガマスター「バレット」の独壇場、3曲目はこのアルバムの白眉、バレルのギターにラメント(哀歌)を見ろ!4曲目タイトル曲なだけあって佳曲です。
他にも、タレンタインが好演する7曲目やブルージーな5曲目なんかも面白い。

シックに真夜中のジャズギター聴きましょう。




なごみのジャズ「アート・ペッパーのムーチョ・カラー」

2007-02-14 23:09:32 | ジャズ・アルト・サックス
みなさん、お仕事お疲れではありませんか?
今日紹介のアルバムはくつろぎ、なごみのジャズです。

演奏者…アート・ペッパー(alto sax)
    コンテ・カンドリ(trumpet)
   ジャック・コスタンツォ(conga)
    チャック・フローレス(drums)
    ラス・フリーマン(piano)
    マイク・パチェコ(bongo)
    ビル・パーキンス(tenor sax)
    ベン・タッカー(bass)

西海岸の白人ジャズメンがメインの、ラテン・ジャズアルバムです。
正直言って、白人アルトサックスの最高峰の「アート・ペッパー」にとっては、代表作ではありませんが、こう言う片意地張らないジャズも多いに有りなんです。
ペッパーは、この頃の演奏はこのような「ライト系」の演奏が多いのですが、麻薬中毒もあって、この数年後からは演奏が豹変し、最終的には長曲のフリージャズ系になって行きます。
このペッパーの所謂、前期、後期のどちらが「本物のペッパー」か?と良く議論されるのですが、(著名なジャズ評論家のI氏やT氏が良く論争しています。)
私はずるいですが、どちらのペッパーも本物と思います。
人間誰でも表の性格(顔の方が分かり易い?)と裏の性格が有るので、又、私は硬派のジャズと軟派?なジャズの両方を聴く人なので、ペッパーやコルトレーン、マイルスの変貌でも何でも来いです。

曲名…1.ムーチョ・カラー、2.枯葉、3.マンボ・デ・ラ・ピンタ、4.四月の思い出、5.ヴァヤ・ホンブレ・ヴァヤ、6.アイ・ラブ・ユー、7.マンボ・ジャンボ、8.オールド・デヴィル・ムーン、9.パーノッド、10.ザット・オールド・ブラック・マジック   1957年LAフォーラムシアターにて録音

お薦め曲はタイトル曲「ムーチョ・カラー」が一押し。
何とも面白い?「枯葉」がそれに次ぎますが、ラテン曲ばかりなので、とにかく気軽に聴いて下さい。