皆さん、お久しぶりです。
随分とご無沙汰していて、本当にすみませんです。
今日はクラシック好きなら誰でも知っている、正に一期一会の超名盤を一枚紹介しましょう。
アルバムタイトル…ベートーヴェン「トリプル・コンチェルト」
ブラームス「ダブル・コンチェルト」
演奏者…ベートーヴェン・トリプル・コンチェルト
(ピアノ、ヴァイオリンとチェロのための三重協奏曲 ハ長調 作品56)
ヘルベルト・フォン・カラヤン(指揮)
ダヴィッド・オイストラフ(vl)
スヴァトスラフ・リヒテル(p)
ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(vc)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ブラームス・ダブル・コンチェルト
(ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲 イ短調 作品102)
ジョージ・セル(指揮)
ダヴィッド・オイストラフ(vl)
ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(vc)
クリーブランド管弦楽団
曲目…ピアノ、ヴァイオリンとチェロのための三重協奏曲 ハ長調 作品56
第一楽章…アレグロ(17:47)
第二楽章…ラルゴ(5:35)
第三楽章…ロンド・アラ・ポラッカ(12:52)
ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲 イ短調 作品102
第一楽章…アレグロ(16:57)
第二楽章…アンダンテ(7:53)
第三楽章…ヴィヴァーチェ・ノン・トロッポ(8:35)
ベートーヴェン…1969年9月15日~17日ベルリンにて録音
ブラームス…1969年5月クリーブランドにて録音
原盤…英EMI 発売…東芝EMI
CD番号…TOCE-13077
演奏について…最初のベートーヴェンのトリプル・コンチェルトだが、「カラヤン」&「ベルリン・フィル」のオーケストラ・サポートは、非常にシンフォニックで雄弁な響きで曲を支配している。
この時代の「カラヤン」は、磨きぬいたサウンドには未だ到達しておらず、スーパー・オーケストラの「ベルリン・フィル」をパワフルにドライヴしてくれて、名アシスト・パッサーになりきっている。
しかし、ロシア(旧ソ連)の生んだ3人のマエストロ達は、抜群のテクニックを持ちながらも、それをひけらかすのでは無く、かなり室内楽的にお互いの調和を尊重したソロ演奏に従事している。
外見は厳ついロシア人?(失礼)が演奏しているのだが、ソロ演奏での内面はむしろ可憐な感じがする。
勿論、フォルテシモ等、パワフルなパートに入れば素晴らしい重厚さの演奏で押進めて来るのだが、その演奏は彼等ならば、むしろ当然であろう。
しかし、己を出さないピアニシモ等の繊細な表現に、非常な集中力を見せて、大切に演奏しているからこそ、迫力の楽章やパートが、より一層活きてくるのだと痛感させられる。
3人のソリストの内、最も出来が良いのは?個人的には「ロストロポーヴィッチ」がベスト・パフォーマンスを見せていると思う。
「リヒテル」は、ベートーヴェンの原曲が、ピアノ・パートに余り重きをおかず、彼のヴィルトオーゾが充分に発揮できないのが、少々残念な感じがする。
しかし、ピアノ演奏としては抜群ですね。
「オイストラフ」は、彼の晩年なので、キレ味や迫力のヴァイオリン演奏では無く、巨匠の貫禄や余裕が大家の芸風を表出させた演奏です。
勿論、培われた表現力は、流石の一言ですねぇ。
3楽章を聴き終えて、正しくブラボーで締めくくりたい名演です。
ブラームスのダブル・コンチェルト…ベートーヴェンのトリプル・コンチェルトよりは、原曲自体が優れているので、まず曲の劇的な展開にソリストのテクニックが完璧にマッチして、活きてくるのが良い。
「ロストロポーヴィッチ」は、前曲同様に絶好調で、「オイストラフ」も緊張感抜群のハードなソロで応酬してくる。
「セル」の指揮サポートも抜群に良い。
パワフルで有りつつ、非常にひき締まったサウンドは、名匠「セル」に完璧に鍛え上げられた集団、クリーブランド管の真骨頂であろう。
一糸乱れぬ合奏が、二人のマエストロに勇気と活力を与えてくれる。
しかし、それにしても若き日の「ロストロポーヴィッチ」の演奏…まじで良いなぁ。
来るべき自分の時代の扉をこじ開けた様なアグレッシブな演奏で、しかし大先輩「オイストラフ」を決してないがしろにはしていない。
先輩を立てつつ、自らを強烈にアピールしたソロ演奏で、聴き応え充分のパフォーマンスが形成されている。
特に第一楽章の厳格な響きが、魂を崇高に導いてくれる。
一転、緩楽章の第二では、「オイストラフ」の寛ぎと、良い意味での枯れた…人生(演奏)を達観した余裕弾きが最高に映える。
ラストの第三楽章は、「セル」&クリーブランド管、「ロストロポーヴィッチ」、「オイストラフ」が三位一体となった、厳格さと柔和さがバランス良く融合した演奏が展開される。
言うなれば、知・情・意のバランス感覚が優れた好演になっている。
しかし、柔和な演奏状態でも、精神の緊張感は全く失われていない。
この辺が、彼等がマエストロのマエストロたる所以だろう。
ベートーヴェン、ブラームス共、共演なのか?はたまた競演?なのか、いずれにせよ、バトルの部分と調和の部分が、バランス良くミックスされた好演です。
クラシックで有りながら、どこかジャズを彷彿するのは?やっぱりバトルっぽい感じがするからなんでしょう。
大家の自己主張している所と、相手を持ち上げる謙譲さが、見事に融合され、表現されている名盤です。
随分とご無沙汰していて、本当にすみませんです。
今日はクラシック好きなら誰でも知っている、正に一期一会の超名盤を一枚紹介しましょう。
アルバムタイトル…ベートーヴェン「トリプル・コンチェルト」
ブラームス「ダブル・コンチェルト」
演奏者…ベートーヴェン・トリプル・コンチェルト
(ピアノ、ヴァイオリンとチェロのための三重協奏曲 ハ長調 作品56)
ヘルベルト・フォン・カラヤン(指揮)
ダヴィッド・オイストラフ(vl)
スヴァトスラフ・リヒテル(p)
ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(vc)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ブラームス・ダブル・コンチェルト
(ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲 イ短調 作品102)
ジョージ・セル(指揮)
ダヴィッド・オイストラフ(vl)
ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(vc)
クリーブランド管弦楽団
曲目…ピアノ、ヴァイオリンとチェロのための三重協奏曲 ハ長調 作品56
第一楽章…アレグロ(17:47)
第二楽章…ラルゴ(5:35)
第三楽章…ロンド・アラ・ポラッカ(12:52)
ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲 イ短調 作品102
第一楽章…アレグロ(16:57)
第二楽章…アンダンテ(7:53)
第三楽章…ヴィヴァーチェ・ノン・トロッポ(8:35)
ベートーヴェン…1969年9月15日~17日ベルリンにて録音
ブラームス…1969年5月クリーブランドにて録音
原盤…英EMI 発売…東芝EMI
CD番号…TOCE-13077
演奏について…最初のベートーヴェンのトリプル・コンチェルトだが、「カラヤン」&「ベルリン・フィル」のオーケストラ・サポートは、非常にシンフォニックで雄弁な響きで曲を支配している。
この時代の「カラヤン」は、磨きぬいたサウンドには未だ到達しておらず、スーパー・オーケストラの「ベルリン・フィル」をパワフルにドライヴしてくれて、名アシスト・パッサーになりきっている。
しかし、ロシア(旧ソ連)の生んだ3人のマエストロ達は、抜群のテクニックを持ちながらも、それをひけらかすのでは無く、かなり室内楽的にお互いの調和を尊重したソロ演奏に従事している。
外見は厳ついロシア人?(失礼)が演奏しているのだが、ソロ演奏での内面はむしろ可憐な感じがする。
勿論、フォルテシモ等、パワフルなパートに入れば素晴らしい重厚さの演奏で押進めて来るのだが、その演奏は彼等ならば、むしろ当然であろう。
しかし、己を出さないピアニシモ等の繊細な表現に、非常な集中力を見せて、大切に演奏しているからこそ、迫力の楽章やパートが、より一層活きてくるのだと痛感させられる。
3人のソリストの内、最も出来が良いのは?個人的には「ロストロポーヴィッチ」がベスト・パフォーマンスを見せていると思う。
「リヒテル」は、ベートーヴェンの原曲が、ピアノ・パートに余り重きをおかず、彼のヴィルトオーゾが充分に発揮できないのが、少々残念な感じがする。
しかし、ピアノ演奏としては抜群ですね。
「オイストラフ」は、彼の晩年なので、キレ味や迫力のヴァイオリン演奏では無く、巨匠の貫禄や余裕が大家の芸風を表出させた演奏です。
勿論、培われた表現力は、流石の一言ですねぇ。
3楽章を聴き終えて、正しくブラボーで締めくくりたい名演です。
ブラームスのダブル・コンチェルト…ベートーヴェンのトリプル・コンチェルトよりは、原曲自体が優れているので、まず曲の劇的な展開にソリストのテクニックが完璧にマッチして、活きてくるのが良い。
「ロストロポーヴィッチ」は、前曲同様に絶好調で、「オイストラフ」も緊張感抜群のハードなソロで応酬してくる。
「セル」の指揮サポートも抜群に良い。
パワフルで有りつつ、非常にひき締まったサウンドは、名匠「セル」に完璧に鍛え上げられた集団、クリーブランド管の真骨頂であろう。
一糸乱れぬ合奏が、二人のマエストロに勇気と活力を与えてくれる。
しかし、それにしても若き日の「ロストロポーヴィッチ」の演奏…まじで良いなぁ。
来るべき自分の時代の扉をこじ開けた様なアグレッシブな演奏で、しかし大先輩「オイストラフ」を決してないがしろにはしていない。
先輩を立てつつ、自らを強烈にアピールしたソロ演奏で、聴き応え充分のパフォーマンスが形成されている。
特に第一楽章の厳格な響きが、魂を崇高に導いてくれる。
一転、緩楽章の第二では、「オイストラフ」の寛ぎと、良い意味での枯れた…人生(演奏)を達観した余裕弾きが最高に映える。
ラストの第三楽章は、「セル」&クリーブランド管、「ロストロポーヴィッチ」、「オイストラフ」が三位一体となった、厳格さと柔和さがバランス良く融合した演奏が展開される。
言うなれば、知・情・意のバランス感覚が優れた好演になっている。
しかし、柔和な演奏状態でも、精神の緊張感は全く失われていない。
この辺が、彼等がマエストロのマエストロたる所以だろう。
ベートーヴェン、ブラームス共、共演なのか?はたまた競演?なのか、いずれにせよ、バトルの部分と調和の部分が、バランス良くミックスされた好演です。
クラシックで有りながら、どこかジャズを彷彿するのは?やっぱりバトルっぽい感じがするからなんでしょう。
大家の自己主張している所と、相手を持ち上げる謙譲さが、見事に融合され、表現されている名盤です。