紫のオルフェ~何でもかんでも気になる音楽、名曲アルバム独り言

ジャズ、ラテン、クラシックを中心として、名曲、アルバム演奏者を紹介します。&私の独り言を…

日本、米、ブラジルの超一流ミュージシャンが集結したスーパー・ユニット「ザ・ブリッジ」を聴いてくれ

2007-08-28 23:43:59 | ワールド・ミュージック
今日、紹介するアルバムは、カテゴリーを区分できないので、総称して「ワールド・ミュージック」に入れさせて頂きます。
CDの帯の解説では、ジャズ、ファンク、ロック、R&B全ての要素を持ち、音楽の中で、古代と現代が出会う…一言で言うならば
「マルチ・カルチャー・ポップ・フュージョン」との事。
しかし、聴いて見ると、個人的には、「ブラジリアン・ポップ」が一番、ニア・イコールの気がします。

アルバムタイトル…ザ・ブリッジ~夢のかけ橋

パーソネル…マイケル・センベロ(vo、g、他)
      ダニエル・ジョビン(vo)
      トシ・クボタ(久保田利伸)(vo、コーラス)
      エドゥー・ファルコ(vo)
      ヴィニー・カリウタ(ds)
      ネイザン・ワッツ(b)
      パウリーニョ・ダ・コスタ(perc)

曲目…1.no chao、 2.pirates in the net、3.the question song、4.procura、5.send me an angel(天使の歌)、6.the way we feel now、7.gone、 8.on the wing、9.love may never last forever、10.somethin’else、11.chenge on chenge、12.candles in the dark、13.quando chuva、14.one planet one people、15.send me an angel(天使の歌/日本語バージョン)

1997年録音

原盤…i NOKS、発売…ポニー・キャニオン
CD番号…PCCY-95005

演奏について…まず、クボタが英語で歌い、センベロが日本語で歌うと言う、2種類のバージョンが残されている5曲目と15曲目の「天使の歌」は、センチメンタルなメロディが素晴らしいボサ・ノヴァ曲。
多分このアルバムの看板曲でしょう。
「クボタ」は高音域を活かした流石の歌唱力で、心に響く、「聴かす一曲」になってます。
「センベロ」は、歌唱力では「クボタ」に若干負けているが、それ以上に「味わい深さ」が持ち味となって、センス抜群の良い塩梅の歌に仕上げています。
中途で入る、フラメンコ的な、アコースティックギターアドリブソロも最高っす。

それから、個人的には、非常に甘~い9曲目「ラヴ・メイ~」が大のお気に入りに追加となった。
歌っているのは、ここでも「センベロ」で、この曲、貴女にデート中に聴かせれば、惚れられちゃうかもよ。
それぐらい、スイートで、ロマンティックな渾身のバラード曲(歌)ですよ。

10曲目「サムシンエルス」は寛ぎのボサ・ノヴァ曲で、「ダニエル・ジョビン」が十八番のブラジル物で、良い仕事しています。
ボサノヴァはやっぱり「ヘタウマ」調の、ヴォーカルが決まり物ですよね。

11曲「チェンジ~」は、このアルバムのコンセプトを一番反映させた曲かもしれません。
ビートはポップで、編曲的にはインド(シタール?)と南米(パーカッション他)のコンフュージョンに仕上げられ、メロディは中東っぽいガムラン調。
ヴォーカルは全員のコーラスがメインで、女性コーラスも入っている。
言語も、「かけ橋」なんて日本語が使われているパートもあって、何とも摩訶不思議ですが、心地よい一曲です。

12曲目「キャンドル~」も「センベロ」の歌うバラード曲。
キャンドルに火を点けて、彼女を待つ、悲しい男心?を歌った歌だが、情けなさを感じるのではなく、かなりピュアな歌&歌詞で、「センベロ」歌う主人公に、同調できるでしょう。

1曲目「ノ・チャオ」…民族楽器で奏でられる序奏が、このアルバムのボーダーレスなスピリットをノッケから知らしめる。
この曲はアフリカの音楽なのか?それとも…国籍不明のリズムとパーカッションの空間が異次元の宇宙を描き出す。
うぅーん誠にディープな1曲

2曲目「パイレーツ~」は、スローだがとてもリズミックな英語で歌われる、独特の風合いを描き出した佳曲。
源流はラテン・フュージョンなんだろうが、ファルセットの歌声や、効果的な「ダ・コスタ」のパーカッションが、曲に素晴らしい色付けをしている。

3曲目「クエスチョン~」は、「コスタ」がメインヴォーカルだが、この曲は完璧な「ブラジリアン・コンテンポラリー・ポップス」のカテゴリーに入る曲。
どこまでも、明るく澄み切ったラテンポップで、青い海と白い雲、そしてまたその上の青い空のコントラストが眼に浮かぶ様な真夏のサウンドです。

他の曲も趣ある曲が多く、興味ある方は是非聴きましょう。