紫のオルフェ~何でもかんでも気になる音楽、名曲アルバム独り言

ジャズ、ラテン、クラシックを中心として、名曲、アルバム演奏者を紹介します。&私の独り言を…

ブルーノートの十八番、ハードバップの名盤…ケニー・ドリュー~アンダー・カレント

2007-08-04 23:56:08 | ジャズ・ピアノ・コンボ
今日はブルーノートレーベルのハードバップ名盤の中の一つ、「ケニー・ドリュー」リーダーの「アンダーカレント」を紹介しましょう。
ブラック・フィーリングに富んだ、そしてとてもファンキーな抜群に良い演奏です。

アルバムタイトル…アンダー・カレント

パーソネル…ケニー・ドリュー(p)
      フレディ・ハバード(tp)
      ハンク・モブレー(ts)
      サム・ジョーンズ(b)
      ルイス・ヘイズ(ds)

曲目…1.アンダーカレント、2.ファンク・コシティ、3.ライオンズ・デン、4.ザ・ポッツ・オン、5.グルーヴィン・ザ・ブルース、6.バラッド

1960年12月11日

演奏について…時々言っていて恐縮ですが、まずこのメンバーを見て最初から音楽性、演奏内容が頭の中にイメージが出来るくらい、ブルージーでファンキーな演奏者達です。
果たして演奏はと言えば?正しく皆様の想像通りで、期待を裏切ません。

個人的な一押しは、2曲目「ファンク・コシティ」…すごく良いですね。
フロント二人の二管によりマイナー・チューンの哀愁あるメロディに導かれて、全員がファンキーマシーンと化して、この曲に突貫しています。
特に「ハバード」は正しくハード・バップの申子の様な名演をしています。
※「ハバード」は、この曲に限らずアルバム全編を通して非常に良い演奏ですけどね。
心のこもったソロを吹く「モブレー」、まるで「ホレス・シルバー」が乗り移ったかの様なファンキー全開の「ドリュー」など、ベテラン勢の演奏も秀逸です。

アルバムタイトル「アンダーカレント」も勿論素晴らしい演奏で、ここでもブリリアントに、そして非常にファンキーな乗りで、トランペットを吹き切る「ハバード」の名演に心を打たれる。
「ドリュー」はリーダーだが、サイドメンに徹していて、フロント二人の「ハード・バッパー」を上手く活かしている。

3曲目「ライオンズ~」は「ヘイズ」「ジョーンズ」のリズムセクション二人がハードバップを演るには、こうだ!と言わんばかりの、乗りの良いドライヴィングで全員を引っ張る。
さすがこの二人も第一級のプレイヤーと再認識しますぜ。

4曲目「ザ・ポッツ~」も、二管ハードバップのお手本の様な曲&演奏です。
二人のフロントのユニゾンにて導入されたメロディを上手く全員で紡ぎ、ファンキー節全開で突き進みます。

5曲目「グルーヴィン~」は、題名通りブルース進行で演奏しますが、ここでは渋く決める「モブレー」の演奏と、ブルースなら誰にも負けないリーダー、「ドリュー」の漆黒のピアノプレイ(アドリブソロ)が最大の聴き物。
又、「ヘイズ」のおかずが多めのドラミング、流石のタイムキーピングで、「ずんずんベース」で、職人に徹する「ジョーンズ」もカッコイイですね。
このアルバム中では、1&2曲目とトリオに入れたい3大演奏でしょう。

6曲目「バラッド」…最後を締めくくるのに相応しい、やや明るめで、一寸知的なバラード演奏です。
その理由としては、やはり「ハバード」の音色がそう聞こえるからでしょう。
しかし「ドリュー」は、晩年ライフワークとなった(日本のレコード会社がさせた?)とてもロマンティックなバラードプレイをここでも垣間見せています。