紫のオルフェ~何でもかんでも気になる音楽、名曲アルバム独り言

ジャズ、ラテン、クラシックを中心として、名曲、アルバム演奏者を紹介します。&私の独り言を…

ギター・オン・ザ・ゴー~ウェス・モンゴメリー

2007-08-07 23:29:36 | ジャズ・ギター
今日は「ウェス・モンゴメリー」のオルガン入りトリオの名盤、「ギター・オン・ザ・ゴー」を紹介します。
リーダー「ウェス」と、オルガン「メル・ライン」の二人は変動無しですが、ドラムは、録音年月によって3人代わっているアルバムです。
全盛期「ウェス」の超絶技巧「オクターヴ奏法」をお聴き下さい。

アルバムタイトル…ギター・オン・ザ・ゴー

パーソネル…リーダー;ウェス・モンゴメリー(g)
      メル・ライン(org)1~7
      ジョージ・ブラウン(ds)1~3、5、7
      ポール・パーカー(ds)4
      ジミー・コブ(ds)6

曲目…1.今宵の君は(テイク1)、2.ドリームズヴィル、3.ジェノ、4.ミサイル・ブルース(テイク6)、5.フォー・オール・ウィ・ノウ、6.フライド・パイズ(テイク2)、7.今宵の君は(テイク2)※、8.ミ・コーザ※

1963年10月10日(1,2,5,8) 11月27日(3,7)
1963年4月22日(6) 1959年10月5日(4)
※7、8曲目はCDボーナストラック

演奏について…オープニング「今宵の君は」から、「ウェス」は「ウェス節全開」で、野太いガッツリとした音で、ハードにグルーヴィーにそして、ブルージーに弾き捲る。うぅーん…流石「ウェス」です。
ここでのドラムス「ジョージ・ブラウン」…非常にタイトで、淡々とシンバルを敲く様は、「ウェス」サポートとして申し分無い働きをしています。
「ライン」も「ウェス」に触発されて、かなり大胆にカッ飛びラインでオルガンをぶいぶい言わして、ガチンコの対決に挑んで来ます。
「ライン」のアドリブソロ…良いですよ。
最後は「ウェス」「ライン」のソロに次いで「ブラウン」もハードにソロをかまして、渾然一体となってフィニッシュ。
オープニング・イズ・ザ・ベストで、アルバムの猛スタートダッシュが完成です。

2曲目「ドリームズヴィル」では、曲名の通り「ウェス」による、夢の世界のバラッド演奏がなされる。
「ウェス」はバラード演奏の技術・精神とも抜群で、この時代「リバーサイド」でのジャジーでブルージーな魅力も充分だが、来る「ヴァーヴ」や「A&M」のポップなバラード・チューンでロマンティックな演奏を連発する未来(の演奏)が、随所に垣間見れる好演です。

3曲目「ジェノ」は、「ウェス」と「ライン」の輪唱的ユニゾンが、絶妙の仕上がりを見せる。

4曲目「ミサイル~」は、のっけから「ウェス」の「オクターヴ奏法」全開!
「ライン」は、ことさらジャジーでブルースフィーリング溢れるソロで「ウェス」に応える。
特にアルバムで一番古い録音(1959年)なので、「ウェス」も「ライン」も一番ブルースを意識した演奏になっている。
伝説的な初期ウェスの名盤「インクルディブル・ジャズ・ギター」に近い名演です。

5曲目「フォー・オール~」も、とてもロマンティックなバラード曲で、「軟派ウェス」の、極み的な演奏ですが、個人的には大好きな演奏で、完全◎評価です。
「ライン」は「ウェス」のバラッドを、完全サイド伴奏としてサポートに徹しています。

6曲目「フライド・パイズ」はオープニング曲に近い「ウェス」「ライン」ともハードなアドリブで決めていますが、ドラムスが「ジミー・コブ」なので、シンバルワークが名人芸で、二人を見事にドライヴします。
とにかく「ウェス」の情感溢れるソロに魅力を感じる1曲です。

ボーナストラック8曲目「ミ・コーザ」では、「ウェス」のシングルトーンにとにかく泣ける…。。。