紫のオルフェ~何でもかんでも気になる音楽、名曲アルバム独り言

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トム・キャット~リー・モーガン

2007-08-10 23:48:11 | ジャズ・トランペット
まず、最初に「ただいま、修行から戻りました」。
これからも宜しくお願いします。

さて、今日は「リー・モーガン」リーダー作のブルーノート盤「トム・キャット」を紹介します。

3管編成ですが、メンバーも素晴らしく、とてもファンキーでバッピシュな演奏ですので、聴いて損はないですよ。

アルバムタイトル…トム・キャット

パーソネル…リーダー;リー・モーガン(tp)
      ジャッキー・マクリーン(as)
      カーティス・フラー(tb)
      マッコイ・タイナー(p)
      ボブ・クランショウ(b)
      アート・ブレイキー(ds)

曲目…1.トム・キャット、2.エキゾティック、3.トゥワィス・アラウンド、4.トワイライト・ミスト、5.リガーモーティス

1964年8月11日 ルビー・ヴァン・ゲルダー・スタジオにて録音

演奏について…個人的に好きな演奏は2曲目「エキゾティック」が、その名の通りとてもエキゾティックなテーマのユニゾンから始まる。
その後のアドリブ・パートに移行してから、「マクリーン」のフリー・トーク・ソロと、モーダルな「マッコイ」のピアノ、非常にセンシティヴな「ブレイキー」のドラミングが極上のバック演奏を形成する。
最初と仕上げに出てくる「モーガン」の吹きっぷり、「永遠の不良少年」のトランペットの輝きが良い。
「マッコイ」は「コルトレーン・カルテット」での演奏そのままの、素晴らしいブロック・トーンが決まり物の演奏です。

表題曲「トム・キャット」…とても印象深い「マッコイ」の低音域のテーマ演奏からスタートする。
一聴すると、どことなく映画「ピンク・パンサー」のテーマを彷彿させる。
※こっちの曲の方が古い録音なので、ピンク・パンサーがパクッたと言うべき?
そのテーマに絡みつく様に「モーガン」が音を合わせて行く。
とにかく、ここではこの「モーガン」の、気張らず朗々と歌わせるアドリブが素晴らしい。
「マクリーン」も、「モーガン」に合わせて、フリーキーではなく朗々とアルトを歌わせていて、「フラー」も二人に準じていて、編曲的にもよく練られた演奏になっている。
「マッコイ」はこの曲では「モード系」ではなく、ハード・バップ調の演奏で、ブルー・ノート・サウンドに同化している。

3曲目「トゥワイス~」は、やや高速調のメロディテーマの3人のユニゾン演奏から興味を引かれる。
次いで出てくる「フラー」のトロンボーン、いつもの「ほのぼのトーン」では無く、かなり硬派な音色で、更なる期待を抱く。
「マクリーン」…相変わらず塩辛いサウンドで突き進み、「モーガン」がブライトなソロでガンガン捲りを入れて、「マッコイ」「ブレイキー」も勿論ハイセンスで、非常にアーバナイズされた曲が完成した。

4曲目「マッコイ」作曲のバラード曲「トワイライト~」…かなりの名曲で、まんま「アイ・リメンバー・クリフォード」を彷彿させる「モーガン」の伸びやかなバラード奏法が必聴物。
お上品な「マッコイ」のバック&ソロ演奏と、とても繊細な「ブレイキー」のブラッシュ・シンバルワークもとてもナイスな演奏ですよ。