紫のオルフェ~何でもかんでも気になる音楽、名曲アルバム独り言

ジャズ、ラテン、クラシックを中心として、名曲、アルバム演奏者を紹介します。&私の独り言を…

今日もすごいの行っちゃうよ!メンツを見て驚愕!ジョン・コルトレーン~コルトレーン・タイム

2008-04-28 21:15:23 | ジョン・コルトレーン
先日の「ジョン・コルトレーン」の「アセンション」紹介の時には、多くの方からコメントなどを頂戴し、ありがとうございます。
今日は、「アセンション」ほど巷で知られていませんが、参加ミュージシャンから、演られている演奏が、全く想像がつかない様な、とっておきの1枚…行っちゃいましょう!!

アルバムタイトル…コルトレーン・タイム

パーソネル…リーダー;ジョン・コルトレーン(ts)
      ケニー・ドーハム(tp)
      セシル・テイラー(p)
      チャック・イスラエルス(b)
      ルイス・ヘイズ(ds)

曲目…1.シフティング・ダウン、2.ジャスト・フレンズ、3.ライク・サムワン・イン・ラヴ、4.ダブル・クラッチング

1958年10月13日録音

原盤…LIBERTY  発売…東芝EMI
CD番号…CP32-5189

演奏について…冒頭で述べているが、このアルバムへの参加メンバー???…な、何てこったい!
「コルトレーン」を取り巻くメンバーが、「ケニー・ドーハム」と「セシル・テイラー」、リズムは「ルイス・ヘイズ」と「チャック・イスラエルス」。
一体どんな音楽(ジャズ)が奏でられているのか?
皆さん、興味が湧きませんか?
ハード・バップを代表する、ウォームで朴訥な音色で、いかにも正統的な生真面目「ドーハム」に、革新的なピアニストとしては、最も極の位置にいる異端児「テイラー」が交じり合うことが出来るの?
後年、「ビル・エヴァンス」とクールでインテリジェンスなピアノ・トリオを組むベーシスト「イスラエルス」。
逆に「ヘイズ」は、硬派のフュージョンまでに、先進的な音楽性へと変えていった無頼の漢である。

唯、唯一、ここでの演奏を紐解く鍵があるとすれば、ずばり録音年代(1958年)だと言うことだ!

この年には「コルトレーン・チェンジ」や「シーツ・オブ・サウンド」は未だ、完全な完成を見てはいないし、(でも、その断片演奏は、所々に有るんですが…)「テイラー」にしたって、相当革新的なピアノ演奏をしてはいるが、1960年代半ばの、ウルトラ・フリーな域までは達していない。
だから、「ドーハム」の演奏も(多少違和感が感じられるとは言え)全く時代遅れとまではなっていない。
勿論、「ヘイズ」「イスラエルス」の二人とも、堅実で非常にオーソドックスなバック演奏に徹している。
ですので、来るべき未来に、どこまでも飛ぶ「コルトレーン」と「テイラー」の前途洋々な演奏の走り…そう、あくまでも走りですけど、垣間見れるのが楽しいんです。

それではどうぞ!

一番面白い…趣き深いのは、3曲目、名曲「ライク・サムワン・イン・ラヴ」で、「コルトレーン」が主題メロディを奏でた後、「ドーハム」が非常にエモーショナルで、安定感のあるアドリブ・ソロをこなす。
逆に「テイラー」は、調整をかなり無視した?不協和音を多用した、ブロック・コードで、曲にアクセントを付ける。
「コルトレーン」のソロは、流麗で且つアグレッシヴな物で、シーツ・オブ・サウンドの礎的な、畝って長めのアドリブ・フレーズを多く用いて、エキサイティングに演奏する。
その後の「テイラー」のアドリブがすごい!
まるで、ぶっ飛んだ「モンク」の様です。
切れる!すっ飛ぶ!駆け上がる!
一寸、いや、もはや言葉に出来ません。
「テイラー」と、デュオ的に「イスラエルス」がベース・アドリブを演ってくれますが、この二人の掛け合い、バトルもものすごく良いんです。
ハチャメチャなのか?前衛芸術なのか?ギリギリの線で交わる所が最高です。

1曲目「シフティング・ダウン」…いきなり「セシル・テイラー」の不協和音のブロック・コードから、ブルーズ・リズムで始まるチューン。
ノッケから、彼らの決意表明がなされた瞬間である。
最初のソロは「コルトレーン」…およそ1年後の「ジャイアント・ステップス」録音の超人的な飛躍を予感させる、ハードで乾いた音色で、辛口のブルーズ・アドリブをバリバリと吹いて、正に「コルトレーン・タイム」の到来を告げるかの様です。
「テイラー」…うぅーん、相変わらず良い仕事していますね。
この変則的な和音…こいつは「テイラー」にしか出来ない代物です。
「モンク」以上です。
調整(コード)は、完全に無視?していても、クラシックの現代音楽の様に、音楽性が有ります。
そして、この演奏を万人向けに纏め上げるのが、ズバリ「ドーハム」です。
いかにもハード・バピッシュな、大人のブルーズを演ってくれます。
「ドーハム」すごいです。
革新者二人を差し置いて、オールド・ファッションながら、男の生き様…見せてくれます。
うぅーん…感激です!!

4曲目「ダブル・クラッチング」…序奏は「ドーハム」がかなり乗ってる感じでオ-ソドックスにアドリブを仕上げる。
受けた「コルトレーン」も、序盤はゆったり目に、かなりおおらかな感じでアドリブを演るんですが、その後、お得意の「シーツ・オブ・サウンド」もどき?の、連続したうねりのフレーズで、曲をエキサイティングに仕上げて行きます。
合間でおかずをたっぷり入れる「イスラエルス」のベースもすごく良い仕事してます。
「テイラー」は、ここでは間を上手に使って、音と音の空間を大事にする部分と、早弾きのパート(小節)との対比を見事に演出します。
それから「イスラエルス」の、重厚で強面硬派の、野太いソロが入るのですが、胸にジーンと来ます。
終盤はカルテット5人渾然一体となる、ソロがミキシングされて、絡み合って、取分け「ヘイズ」のソロ・パートは聴き応え有ります。
各人のアドリブ・ソロを中心に聴くなら、ズバリ…この演奏が一番でしょうか?

2曲目「ジャスト・フレンズ」…ハイテンポのリズムから、「テイラー」が過激に突き進む。
一方、「ヘイズ」と「イスラエルス」は、淡々とリズムを刻み、でも音色は硬派ですよ!
「ドーハム」はいつもより元気目で、目一杯ブロウしてくれます。
それでも、相変わらず優しい音色です。
「コルトレーン」は、「ドーハム」の後を受けるので、(「ドーハム」に遠慮してか?)余り過激にならず、インテリックなアドリブで応戦します。
パッセージを発しますが、やや抑制した表現で、ここにダンディズムを極めれり!

とにかく、全4曲ともgoodですよ!
「テイラー」嫌いの方にも聴いてほっすぃい!!
決して名盤ではないけれど、「コルトレーン」と「テイラー」の一期一会の奇跡の名演がここに有りますよ。
正に必聴盤です!!!      

歴史的問題作…アセンション~ジョン・コルトレーン

2008-04-25 23:59:48 | ジョン・コルトレーン
1965年に「コルトレーン」が発したフリー宣言、問題作と言われているのが、今日紹介する「アセンション」です。

モダン・ジャズ…取分けバップから発展したモード・ジャズにプラスして、「コルトレーン」自身が、更なる音階と音調的発展をさせたのが、所謂「コルトレーン・チェンジ」と「シーツ・オブ・サウンド」である事は、先回「マイ・フェイヴァリット・シングス」の時に(少し)紹介させて頂きました。
私個人的には、この時代の演奏形態が、「ジャズの完成型」だと信じておりますし、最も好きな「ジャズ」なのですが、「コルトレーン」の進攻は止まりませんでした。

つまりアルバム「アセンション」は、(「コルトレーン・チェンジ」等でも飽き足らず?)ジャズの将来性を更に模索していた「コルトレーン」が、実験的いや、意欲的に取組み進攻した証のレコーディング・セッションとなったのです。

正直申し上げますと、このアルバムは多くの方に聴いてもらえる物では無いと思いますし、問題作では有っても、「コルトレーン」の代表作でも傑作でも全く有りません。

ただ、私も実は、この「アセンション」を聴いたのが、実に10数年ぶりなのですが、前回聴いた時よりもかなり聴き易く?なっていたのが不思議で…「エリック・ドルフィー」の「アウト・トゥ・ランチ」も確か同様な印象が有りますけど…何ででしょうかねぇ?
ここ10年以上で、(フリー)ジャズ以上に過激な音楽を知らず知らずの内に聴いていて、耳が慣れてきているのかも知れません。

このアルバムで良い演奏をしているのは、CDのライナー・ノーツで「星野秋男」氏も書かれておりますが、過去の音階に囚われない、若手の新鋭たちで、「コルトレーン・チルドレン」とも言うべき、「ファラオ・サンダース」や「アーチー・シェップ」、「マリオン・ブラウン」と言ったメンバーです。
彼らは(フリー)アドリブで生き生きとした思い切りの良いブローを演ってくれてます。
一方、至高のカルテットを形成していた、「エルヴィン・ジョーンズ」、「マッコイ・タイナー」は、半ば呆れた心理状態になっており、「どうでもいいや」「成る様に成れ!」と入った心境で演奏しているらしいです。
私的には、「エルヴィン」も「マッコイ」もベストではなくとも、それなりにパフォーマンスを演じていると思いますが…。
最後まで「コルトレーン」と付き合うことになるベーシスト「ジミー・ギャリソン」は、終盤のアドリブ・ソロを含めてgoodな演奏をしていますね。
いずれにせよ、「ハバード」などは、この系統の音楽(ジャズ)は、肌に合わなかった様で、「ハバード」らしさは出ていないようです。
それでも、フリーとは言え、もはや20世紀の古典としての価値すら出てきたアルバムとだと思います。
序奏の演奏なんかは、メロディアスと言っても良いような???

まぁ、怖いもの見たさで、聴いてくれる方がいれば嬉しいですね。
多分大丈夫です…ハイ!!!

アルバムタイトル…アセンション

パーソネル…リーダー;ジョン・コルトレーン(ts)
      フレディ・ハバード(tp)
      デューイ・ジョンソン(tp)
      ジョン・チカイ(as)
      マリオン・ブラウン(as)
      ファラオ・サンダース(ts)
      アーチー・シェップ(ts)
      マッコイ・タイナー(p)
      ジミー・ギャリソン(b)
      アート・デイヴィス(b)
      エルヴィン・ジョーンズ(ds)

曲目…アセンション

録音…1965年6月28日

原盤…impulse A-95  発売…ワーナー・ブラザース
CD番号…32XD-577

演奏について…前説で殆ど言ってしまったので、詳細はこれ以上は言いません。
序奏の以外にもメロディアスな感じ、ソロで言えば「コルトレーン」は当然のことながら、近い将来の飛躍を予感させる、「ファラオ・サンダース」「マリオン・ブラウン」「アーチー・シェップ」の3人のソロは行けてます。
「ギャリソン」の渋くも重厚なソロも良いです。
「マッコイ」の少し仲間ハズレなモード・ピアノ演奏と「エルヴィン」のガツンガツン、バシンバシンと我が道を行く敲き加減も面白いです。

たまには気分転換にこう言うのも良いです!!

遅れてきた天才がライヴで燃える…フル・ハウス~ウエス・モンゴメリー

2008-04-22 22:47:36 | ジャズ・ギター
今日は私にとってのナンバー1ジャズ・ギタリストの「ウエス・モンゴメリー」の超傑作、「フル・ハウス」を行っちゃいましょう。

正直、「ウエス」の代表作にも拘らず、何故か今迄紹介していませんでしたが、流石に、そろそろ行っておかないとまずいかなぁと思いまして、至った訳です。

解説帯にもありますが、「ウエス」もすごいが、「ジョニー・グリフィン」、「ウィントン・ケリー」も、まじにすごいんです。
それ以外のリズム・セクションも、「ポール・チェンバース」と「ジミー・コブ」なので、言うことなしですねぇ。

それでは聴いて下さい。

アルバムタイトル…フル・ハウス

パーソネル…リーダー;ウエス・モンゴメリー(g)
      ジョニー・グリフィン(ts)
      ウィントン・ケリー(p)
      ポール・チェンバース(b)
      ジミー・コブ(ds)

曲目…1.フル・ハウス、2.アイヴ・グロウン・アカスタムド・トゥ・ハー・フェイス、3.ブルーン・ブギ、4.キャリバ、5.カム・レイン・オア・カム・シャイン、6.S.O.S

1962年6月25日 バークレイ Tsuboにて、ライヴ録音

原盤…RIVERSIDE 9434  発売…ビクター音楽産業
CD番号…VDJ-1508

演奏について…1曲目「フル・ハウス」…アルバム・タイトルにもなっていて、ノッケから最高峰の名演がなされる。
曲名は、当日、クラブ「tsubo」が満席、盛況になった事から、このタイトル名になったと言う。
変則リズムが導入され、すぐに印象的な序奏メロディから、「ウエス」がオクターブ奏法と魅惑のフレーズ満開で、縦横無尽にギター・アドリブを弾き捲くる。
この圧倒的で、且つ叙情的な演奏は秀逸ですね!
受ける「グリフィン」の豪快なブロウも出来が良いです。
変則リズムで、フロント陣を煽る「チェンバース」と「ジミー・コブ」に、サポートをされながら、センシティブなアドリブをバリバリと吹いてくれます。
「ケリー」は更にメロウで、ブルージーなソロを演ってくれて、聴衆皆の意識を一心に受けているようです。
ギター、テナー、ピアノの見事なハーモニーと絡み合いが、抜群の名演を生みましたね。
「ウエス」の生涯演奏の中でも、屈指の名演でしょう。

2曲目「アイヴ・グロウン~」…小品ながら、軽視できないバラード・チューン。
「ウエス」が温かくてブルージーなトーンで、情感たっぷりにバラードを歌い(弾き)上げる。
ここでは、「チェンバース」と「コブ」のリズム二人だけがバックを取り、(ギター・トリオでの演奏)「ウエス」の存在感を際立たせる。
是非、聴き入って欲しい1曲です。

3曲目「ブルーン・ブギ」…「ディズ」が作曲したバップ・チューンで、スタートから「ウエス」の超絶的なテクニック、オクターブ奏法に裏付けされた、素晴らしいアドリブが展開されます。
「チェンバース」のズンズン突き進むベース・ワークが男性的で、とにかく行かします。
その後の「ケリー」の転がる様にキラキラ光る女性的なソロもgoodで、逆に「グリフィン」はとてもマッシブに、ガテン系(チト古い!)のソロを演ってくれます。
終盤の「コブ」のドラム・ソロもとても男性的で、男4人に女が1人…10チャンネルの戦隊物か、ルパン3世か?
一番華やかさが表現できる演奏形態で、聴き応え有ります。

4曲目「キャリバ」…この曲もラテン調の変則リズムで展開される、ご機嫌なナンバーで、「ウエス」の抜群のソロ演奏が光る1曲です。
とてもご機嫌なノリでラテン・ブロック・コードを決める「ケリー」と、カチッとしたリズムで曲を〆る「コブ」が、良い仕事をしてくれます。
終盤、ブイブイ言わせる「グリフィン」が、ポイント的にかなり追い上げますが、再度「ウエス」がソロを取り、これがまた超熱演なんです。
マラソンならば、結局、「ウエス」が逃げ切るんですね。
「ウエス」の抜群のプレイが凝縮された1曲で、タイトル曲と並ぶファイン・チューンです。(拍手!!拍手!!拍手!!!)

5曲目「カム・レイン・オア・カム・シャイン」…言わずと知れたスタンダード・ナンバーですが、比較的早目のテンポで全員がズンズンと進みます。
「ウエス」は、ここでもシングル・トーン、コード弾き、オクターブ奏法と、持てる技術を全部使って、素晴らしいソロを演ってくれます。
「ケリー」もシングル・トーンをメインにして「ウエス」の演奏を飾り付けて、見事なサポート役をかってくれます。

ラスト「S.O.S」…は全員の熱気が一気に終結した迫力のナンバーで、序奏から、これでもかのソロを「グリフィン」が演じ、「ウエス」も通常よりも早弾きで応戦して、更にヒート・アップさせます。
時々演るテーマのユニゾン演奏も効果抜群で、曲にアクセントを付けます。
「ケリー」の跳ねる様なソロも行けてますね。
そして、彼ら以上に燃えているのが「ジミー・コブ」で、ラストの盛り上げに一際力が入って、見事な熱演です。

「ウエス」が燃え、「グリフィン」が吼え、「ケリー」が舞い、「チェンバース」が支え、「コブ」が鼓舞する(これだけ洒落です)。
5人がハイ・パフォーマンスで燃えに燃えるライヴ名演です。

愛娘、愛犬(トイ・プードル)ノエルの、散歩デビュー!!

2008-04-19 13:18:58 | 我家の子供たち(犬の話)
皆様、こんにちわ!
実は、2ヶ月くらい前にカテゴリーをカスタマイズしたのですが、一番最後の方に「我家の子供たち」と言うのを、さりげなく作っていたんです。

と言うのも、愛息「ルパン」を飼ってから12年も経ってから、先々月やっと2匹目を飼うことを決めたからです。

それからやっと、先月、我家に里子に来た、昨年12月20日に生まれのトイプードルが、お散歩デビューを果たしたので、今日紹介させて頂きます。

愛娘の名前は「ノエル」です。

赤毛(こげ茶)の毛色と、クリスマスに近い誕生日から、丸太のチョコレート・ケーキ…「ブッシュ・ド・ノエル」から命名させて頂きました。

当家にやってきたのは、先月3月8日です。
買うととっても高いらしいのですが、知人から里子として預かりました。
★預かったと言っても、何回か子犬を産めば、当家に正式にもらえるんですけど。

性格は…めちゃめちゃおてんばで、どちらかと言うと、元気すぎて手が付けられないくらいです。(大笑)
先輩犬、愛息「ルパン」は、手前味噌ですが、たいそう出来が良い子で、生後50日くらいで当家に来てから、数週間でトイレはもとより、待て、伏せ、キャッチ・ボール、フリスビーまでも、すぐに覚えてしまったのですが、「ノエル」はそうは上手く行きません。(トホホ……自信喪失!)
現在、トイレ成功率が、60%ぐらいで、待てが一寸分かるかな?、お座り、伏せ、は、今のところ全く出来ません。
言うなれば、愛娘は、今話題沸騰のタレント、「スザンヌ」や「里田」と言った、一寸お馬鹿な我家のアイドルなんですね。
躾は大変ですが、犬好きの方々から、「賢い子と比べてはいけないよ。」
「気長にやりなさい」。と言われているので、何とかマイペース(ハーペース?)で、やっています。
とは言っても、毎日、朝4時半から5時には、(お腹が空いたorうんちが出た)と、吼え捲って、私たち夫婦、今や慢性的な睡眠不足状態です。

唯一つ問題点が有ります。
先輩犬、お兄ちゃんの「ルパン」と、全く仲良くなりません。
「ノエル」を飼うについて、「ルパン」がやきもちを焼く事は、十二分に予測できたので、二匹が行動する全てのアドヴァンテージは、「ルパン」にしています。
ですので、餌の順番、声をかける順番、トイレ、水まで全て「ルパン」優先なので、しっとはしていない様なのですが、「ルパン」が根本的に「ノエル」を受け付けません。
顔を見るのも嫌な様です。
「ルパン」が「ノエル」から毎日、逃げ廻っているんです。
一方、「ノエル」は「ルパン」の事をどうってことないと思っているみたいです。
お兄ちゃんが優し過ぎて、「ノエル」から舐められていると言った方が正解かな。
二匹が仲良くなれるように、何とか気長に努力して行きますよ。

でも、ペットで良いですよね。真面目に、癒し効果抜群です。
でも、「ノエル」が来たおかげで、ブログの更新が毎日のようにするのが無理になってきたのも事実なんですけど、お許し下さい。。。

写真は「ルパン」と「ノエル」を我家の庭(駐車場)で、散歩から帰った所を撮った物です。

美形ストリング・カルテットのデビュー盤…ボンド~ボーン

2008-04-19 00:33:38 | イージー・リスニング
今日は一寸毛色の変わったのを行ってみましょう。

2000年にUKで結成された、女性4人…それも飛び切り美人のメンバーによって、クラシックやポップス、ラテン、ユーロ・ビート等を上手く融合させた、イージー・リスニングを奏でるユニット…それが、bond(ボンド)で、彼女たちのデビュー・アルバムを紹介しましょう。

アルバムタイトル…ボーン

パーソネル…bond(メンバー)
      ヘイリー・エッカー(第一vl)
      エイオス(第二vl)
      タニア・デイヴィス(ヴィオラ)
      ゲイ=イー・ウィスターホフ(チェロ)

曲目…1.ヴィクトリー(Mike Batt Mix)、2.キソト、3.ウィンター、4.ヴィクトリー(Magnus Fiennes Mix)、5.オセアニック、6.キスメット、7.コロブシュカ、8.アレクサンダー・ザ・グレイト、9.デュエル、10.ベッラ・ドンナ、11.The 1812、12.ダラライ、13.ヒム

1999年5月~2000年 アビー・ロード・スタジオにて録音

原盤…DECCA 467-395-5 発売…ビクター・エンターテインメント
CD番号…UCCL-1014

演奏について…1曲目「ヴィクトリー」…とても華々しい序奏のオープニング曲であり、いきなりエンジン全開で、彼女たちの決起表明がなされているかのよう。。
そう、イメージを言えば、かつて大ヒットした、クラシカル・ポップの大ベスト・セラー…「フックト・オン・クラシック」に良く似ている。
勿論、この曲は彼女たちのオリジナル曲であり、「フックト~」をパクッている訳では有りません。(笑)
軽快で、ノリノリの1曲です。

2曲目「キソト」…こいつぁ良いぜ!!
序奏のソロ演奏(チェロの「ゲイ=イー」の名演)から一気に引き込まれて、ラテン的な…いやもっとエキゾティックな、そう、中近東の様なリズムに乗って、ノスタルジックでいながら、コスミックな面も持っている、万華鏡の世界を表現してくれる。
掛け声がかかってから、更に異国情緒たっぷりなメロディとリズムのカオスへと送り込まれて…いきなりのベスト・チューンが出たぁ!!!

3曲目「ウィンター」…もう春満開なのに、いや暦ならもうすぐ初夏だよね。
そんな中で冬と言う名の曲ですが、映画「スピード」そっくり?なユーロ・ビートに乗って、「ヴィヴァルディ」の四季;冬のテーマを連想させるダンサブルなナンバー。
冬のイメージ曲をあえてダンス・ナンバーにするって事は勇気とセンスが必要ですけど…彼女たち…見事に演ってます。
この曲に限らず、劇音楽風のバック演奏、編曲の素晴らしさも、goodな演奏に仕上げている大きな要因で、プロデューサーやアレンジャーは相当有能な方たちなんでしょう。

4曲目は再度「ヴィクトリー」ですが、こちらの演奏・編曲の方が大分大人しい感じで、余裕と遊びが随所に有ります。
決意表明が終わった後に、この曲を彼女たち自身の物に熟練して会得した感じがします。
後半に入ると、リズムをラテンにしたり、オーケストラ・サウンドでゴージャスにしたり…益々遊びと言うか、余裕を見せて、大人の女性の色香も加わってきますよ~。

5曲目「オセアニア」…非常に幻想的な序奏、メロディから呪文?が加わり、連想されるのは、原住民のオセアニア人、そうです、例えばオーストラリアの「アボリジニ」の古代儀式でしょうか?
8年前のシドニー・オリンピックの開会式で見た、パフォーマンスが一瞬思い出されますが、実はこの曲の(収録)の方が先(古い)なんですよね?
下種の勘繰りですが、UKにとっては、(オーストラリアは)、かつての植民地だった所なので、2000年の時代に、オリンピックを念頭に置いて作曲されたかもしれません。
終盤は幻想にロマンスが加味され、一番イメージに近いのは、「ファイナル・ファンタジー」や「ドラクエ」等に使用されるBGMの感じです。

6曲目「キスメット」…これはマコロニ・ウェスタンのテーマ曲の様に、美しくて、悲しくて、一寸残酷?な曲調ですね。
しかし、ストリングスがぴったりとマッチする曲です。
終盤は悲劇、悲恋を連想させる、マイナー・メロディが軸となって、ピアノの演奏なども加わり、クライマックスを迎えます。
果たして、ガンマンの結末は…死か?勝ったけど、恋人との別れか?
なーんて、誰もこの曲がマカロニ・ウェスタンだなんて書いていないので、あくまでも私の妄想です。ハイ!!

7曲目「コロブシュカ」…序奏のヴァイオリン独奏がとにかく切なくて、物悲しくて、メロディも最高に美しい。
ところが、この小節が終わると曲が一転して、ロシアのサーカス団、いや、見世物興行のテーマ曲の様に、明るくて、楽しげで、でもとても悲しいメロディなんです。
とても良い曲&演奏で、気に入ります。

8曲目「アレクサンダー・ザ・グレイト」…曲名からすると、「アレクサンダー大王」の事かな?って思うんだけど、曲調は全く大袈裟な感じではなくて、大王をイメージした曲ではないかも?と改めて思い直す。
とても明るくて、ポップな曲です。

9曲目「デュエル」…曲名通り、第一ヴァイオリン「ヘイリー」と、第二ヴァイオリン「エイオス」が、輪唱的あり、絡み合いありで、この二人を全面的に押し出した曲&演奏です。
ポップでアクティブなリズムに対して、二人のヴァイオリンのメロディと演奏がマイナー調で、哀愁たっぷり…うぅーん行けてるぜ!

10曲目「ベッラ・ドンナ」…テーマ・メロディが美しくて、とにかくス・テ・キ!
この悲恋映画のメイン・テーマにして、いきなりオープニングで使うとは何たる大胆さって、またまた勝手に妄想しちゃってますよ。
私って想像力豊かと言うより、有り過ぎ??ですかね。(大笑)
もはや、妄想癖になってるかも。

11曲目「The 1982」…曲名を見れば一目瞭然…「チャイコフスキー」の「大序曲1812年」を引用して作られた曲で、これこそ「フックト・オン・クラッシク」の世界そのものだけど、1曲を色々とアレンジメントとデフォルメを加えて調理しているので、全くパクリって事では無いです。
とても軽快なトラックです。

12曲目「ダラライ」…この曲も曲名を見ると、何となく曲調がイメージ出来ますね。
とても、イスラムティックな感じですが、イスラム圏の原曲からすると、かなりマイルドな感じに仕上げていて、えぐくないのが私には物足りない。
もっとに過激にぶっ飛んで欲っすい!

13曲目「ヒム」…海外ならば、この曲がエンディング曲となっていて、ラストに相応しく、とてもクラシカルな仕上げで、「J.S.バッハ」の「管弦楽組曲」や「ブランデンブルグ協奏曲」風な演奏に共感を覚えます。
編曲やアレンジに頼らず?彼女たちの技量とスピリットを、最も的確に出した演奏&曲だと思います。
安らぎと威厳が垣間見えて、とても宜しいですね。

14曲目「ヴィクトリー」国内盤のみのボーナス・トラック。
「ヴィクトリー」は、曲としては、彼女たちの代名詞と言って良いですが、本日3回目の登場です。(笑)
この演奏では序奏からリズム・セクションが、曲を伸ばし伸ばして、本隊が中々出て来ません。
激しいビートのみで、曲の大半を演るんです。
私個人的には、無くても良い演奏なんですが、まぁ、おまけと言うことで、勘弁してもらいましょうかね。(大爆笑)

たまには、美人のお姉さん方に、癒してもらったらどうでしょうか?

知的なボサ・ノヴァ…デイヴ・ブルーベック…ボサ・ノヴァ U.S.A

2008-04-17 22:43:18 | ジャズ・ピアノ・コンボ
私の住んでいる神奈川県は、今日の夕方くらいから、生憎の雨模様となりまして、とてもじめじめした嫌な天候です。
そこで、今日はジャズとラテンの融合…それも飛び切りのハイ・センスな奴で行きたい…じめじめ陽気を吹き飛ばしたいなぁ…と思ってこのアルバムをセレクトしました。

アルバムタイトル…ボサ・ノヴァ U.S.A

パーソネル…リーダー;デイヴ・ブルーベック(p)
      ポール・デズモンド(as)
      ジーン・ライト(b)
      ジョー・モレロ(ds)

曲目…1.ボサ・ノヴァ U.S.A、2.冷たい風、3.トロリー・ソング、4.6月によせて、5.テンダー・ハート、6.ブラザー・フレンド、7.明日なき恋、8.カンティガ・ノヴァ・スウィング、9.ラメント、10.ディス・キャント・ビィ・ラヴ

1962年1月3日 ②⑤⑥⑧⑨、7月2日 ③⑩、7月12日 ④⑦、10月25日 ① NYにて録音

原盤…米コロムビア  発売…SONYレコード
CD番号…SRCS-9364

演奏について…まず、タイトル曲の1曲目「ボサ・ノヴァ~」…「ブルーベック」の軽やかで魅惑的なブロック・コードと「モレロ」の軽快なドラミングに導かれて、二人以上に羽が生えた様に軽い音色で、「デズモンド」が流麗にアルト・サックスを吹く。
何気ない曲に何気ない演奏だが、このライトさ…他では味わえない感覚だ!

2曲目「冷たい風」…この曲も素晴らしく良い曲で、ボサ・ノヴァ・リズムに乗って「デズモンド」がクール&ライトに吹き切る。
受ける「ブルーベック」のシングル・トーンも切なさと軽さの間で揺れる微妙な感覚がとても品が有って…ボサ・ノヴァの良さ、佳曲が再認識出来ます。

3曲目「トロリー・ソング」…古くからの「ブルーベック・カルテット」の作品で、彼らの十八番の一つ。
とてもハイ・テンポで、あくまで軽快に「デズモンド」「ブルーベック」「ライト」「モレロ」の4人が渾然一体になって疾走する。

4曲目「6月によせて」…「ハワード・ブルーベック」…そう、「デイヴ」のお兄さんが書いた美曲で、「デズモンド」のクール?いやウォーム?かな??&ビューティのアルト・サックスが堪能出来て、「ブルーベック」の審美的なピアノ・ソロも聴き物のファイン・チューンです。
ジャズとは言い難いが、ポップスほど軟弱では有りません。
個人的にはとてもお気に入りな1曲です。

5曲目「テンダー・ハート」は「テオ・マセロ」作で、リズムは勿論、ボサ・ノヴァなんだけど、「デズモンド」のサックスのアドリブが行けてるし、「ブルーベック」の抑えたピアノ・ソロも味わい深い。
バリバリに吹かず、弾かず、抑制の美学が有りますねぇ。
やっぱり、「ブルーベック・カルテット」…とっても白人っぽい演奏です。
でも、でも…たまにはこう言うのも良いよ。
激しいだけがジャズでは有りませんねぇ。

6曲目「ブラザー・フレンド」…いかにも「ブルーベック」的かと言えば、そうは思わない。
どちらかと言うと…そうだ!「MJQ」の感じだな。
「ミルト」のヴァイブの代わりに「デズモンド」が入った感じで…とても室内楽的で、曲の少し外した和音や、クラシックの現代曲風のニュアンスに、優れたセンスをバチバチ受けます。

7曲目「明日なき恋」…この曲も良いねぇ!
さっきの曲、「MJQ」的と言ったが、もう一つ似ているのが有ったよ~。
そうですねぇ、「ジャック・ルーシェ」とか「オイゲン・キケロ」みたいに、「ジャズ・バッハ」を演るアーティストの表現に類似しているんですね。
古風な部分と、ハイテクな部分が美しく融合されていて、正しくそれこそ古くて新しい代表的な作曲家「バッハ」そのものみたい。
勿論、この曲は「バッハ」では無く、「ブルーベック」のオリジナルですけど、「バッハ」風に聴こえるんです。
それだけ素晴らしいマイナー・チューンに仕上がっていて…フィナーレの「ショパン」っぽい所もまた良いんです。
クラシック好きな人は、この曲&演奏…間違いなく気に入るでしょうね。

8曲目「カンティガ・ノヴァ~」…このアルバム唯一のボサ・ノヴァ曲では無く、サンバ曲で…「モレロ」の激しいドラミングと「ライト」の牽引力溢れるベース演奏がぐいぐいと推進して行く。
「ブルーベック」もこの曲では、ピアノを打楽器?として用いて、敲き捲ってくれます。

9曲目「ラメント」…曲名通り、悲しみのマイナー・バラード・チューンで、のっけから「ブルーベック」のソロ演奏がとても美しいいんですが、中途からボサ・ノヴァの軽快なリズムへとチェンジして、それに合わせて「デズモンド」がシンプルなラインのメロディをサックスで口ずさむ。
「ブルーベック」も「デズモンド」同様にシンプルに合わせてくれて、goodです。

ラスト曲「ディス・キャント~」…原曲は「リチャード・ロジャーズ」作のスタンダードですが、ここでの演奏では、ラテン・リズムにチェンジして、それもかなり激しい感覚で、かなりデフォルメしたイメージになります。
しかし、「デズモンド」の跳ねたアルト演奏と「ブルーベック」の遊び心を入れたアドリブ演奏の両方とも冴えていて…気持ち良いです。
それ以上に聴き物は…「モレロ」のドラム・ソロで、一瞬「フィリー・ジョー」?って思うぐらい、スゴテクとライトなノリで、突っ込んだ演奏をしてくれます。
彼の貢献も有ってか?ラストの2曲は、「ブルーベック・カルテット」の演奏としては、かなりファイトしていて、やっぱり最後は、メンバー全員で盛り上げてフィニッシュしたいんでしょう。

じめじめ天気を、ハイセンス・アルバムを聴いて、皆でぶっ飛ばしましょうや!!

今、話題の徳永英明のヴォーカリストを考える…徳永英明~ヴォーカリスト2

2008-04-15 22:57:06 | J-POP
最近、「徳永英明」のヴォーカリスト1~3までを3枚組みにしてセットが販売されたらしい。
「徳永」のヴォーカリスト・シリーズと言えば、女性アーティストのバラード曲を、彼が歌ったアルバムなのだが、「徳永」の繊細でややハスキー・ヴォイスが、とても鋭く乙女心?を表現していて…巷で好評であり、この3シリーズで、300万枚売れた、スーパー・メガ・ヒットのシリーズなんですねぇ。
そこで、今日はこのシリーズから、一番売れなかった?「ヴォーカリスト2」を取上げてみたいと思います。
一番売れなかったと言っても、80万枚ぐらいで…セレクトされた曲は、もの悲しいマイナー調が多く、個人的には一番好きなアルバムなんです。

アルバムタイトル…ヴォーカリスト2

パーソネル…徳永英明(vo)

曲目…1.雪の華、2.いい日旅立ち、3.あの日にかえりたい、4.未来予想図Ⅱ、5.かもめはかもめ、6.セカンド・ラブ、7.シングル・アゲイン、8.あなた、9.恋人よ、10.なごり雪、11.M,12.瞳はダイアモンド、13.for you…

2006年録音

原盤&CD番号…UMCK-1212  発売…ユニバーサル・ミュージック

演奏(歌)について…まず、オープニングの「雪の華」…原曲は若手実力派「中島美嘉」が、(歌詞に似合わず?)割とクールに淡々と歌い上げる恋歌だけど、「徳永」は「中島」以上に乙女心?を繊細に歌って、適応性抜群です。
曲は正しく、白い色がテーマですが、「中島」が真っ白なら、「徳永」はオフ・ホワイトって感じでしょう。

2曲目「いい日旅立ち」では、「山口百恵」の、これまた大人しくも芯の強いイメージの女性像とは違って、少しナイーヴな感じに別の魅力がある。
バックのピアノ伴奏やアコースティック楽器での演奏パートが、より寂しさを表しています。
季節なら、「山口」の旅立ちは紅葉の秋、「徳永」は木が散っていて、初冬です。

3曲目「あの日に帰りたい」…原曲は、「荒井由実」の初期の名曲であり、「ユーミン」の下手うまなヴォーカルに当時やられた人が多いようですが、「徳永」はもう一寸、しっとりした感じで、「ユーミン」が悔し涙を流しながら、写真を千切っているが、「徳永」は諦めの境地に達していて、もはやさっぱりとした雰囲気があります。

4曲目「未来予想図Ⅱ」では、スーパー・ヴォーカリスト「吉田美和」には、「徳永」とてガチンコでは及ばないので、「吉田」よりも遥かに弱い女性で挑む。
すごーく大人しい女性で、あなたにじっとついて行く女性なのでしょう。
とても古風な女性です。

5曲目「かもめはかもめ」…「研ナオコ」ひいては「中島みゆき」のアンニュイな感覚と、少し路線を変えた雰囲気が良いです。
とても真面目な振られた女性が、一人海を見つめて…ここでも悔しさを超えて、諦めた潔さが感じて取れます。

6曲目「セカンド・ラブ」…「中森明菜」は当時、17歳の時にこの曲をメガ・ヒットさせたが、やはりティーンエイジャーらしい、初々しさが感じられたが、「徳永」は、20歳前半ぐらいの大人の女性のイメージの歌で、奥手の女性が、心の中でじっと思い続けている感じの歌に仕上げている。
この歌の女性もかなり古風なイメージで、昔の大和撫子の雰囲気を残してますね。

7曲目「シングル・アゲイン」…「竹内まりや」の90年初頭を代表する曲で、この曲は大好きな曲だけど、「竹内」の都会的な雰囲気で、別れても前向きな女性像のイメージが強くて、「徳永」の少し暗い感じの女性は、ちょっと重いなぁって思うね。
でも…潔さだけでなく、悩む姿も有って良い。

8曲目「あなた」…この曲は「小坂明子」が17歳?の時に作詞作曲した名曲ですが、この曲も、「小坂」が歌う透明感溢れるティーン・エイジャーのイメージが強すぎて、「徳永」が負けている感じですねぇ。
年齢的には、やはり20代前半で、すれていないとても真面目な女性で、田舎の方って雰囲気ですね。
ただ、「小坂」はいかにもって感じのピアノ伴奏だったが、「徳永」の編曲はエレキ・ギター・ソロと分厚いベースの伴奏で、かなり硬派の感じに仕上がっています。

9曲目「恋人よ」…この曲も原曲「五輪真弓」の超名曲の超名唱のイメージが余りにも強烈なので、ヴォーカリスト「徳永」とは言え、壁が限りなく高い。
「徳永」は、「五輪」よりもかなり控え目な表現で、真っ向から勝負は避けて、とても繊細な弱弱しい女性を見せる。
うぅーん、これも確かに有りですね。
野球で言えば、バント攻撃?それとも変化球攻め?かな???

10曲目「なごり雪」…歌は「イルカ」、曲は「伊勢正三」の永遠の名曲。
このヴォーカルは、「イルカ」と「徳永」がオーヴァー・ラップして、イメージ的にとても良く重なる。
しかし「徳永」のオリジナリティも勿論有って、「イルカ」よりも大人しい感じで、ちょっぴり控え目な女性なんでしょう。

11曲目「M」…こいつも原曲は「プリンセス・プリンセス」の「奥居香」だから、かなりアクティブで活発な女性なんだけど、「徳永」は当然、もっと大人しい感じです。
日記のMをなぞる女性…この味わいは有ってますよ。
じっと思い出に浸るタイプなのでしょう。

12曲目「瞳はダイアモンド」…「松田聖子」のちょっぴりぶりっ子な原曲の歌よりも、普通の感じがして、このトラックは原曲を超えた感がある。
非常に抑えた感情と表現が、星を見上げる女性にぴったりはまります。
原曲のメルヘンさよりも、(歌詞にある)メモリーの勝ちですね。

13曲目「for you…」…この曲もスーパー・ヴォーカリスト「高橋真理子」とは対決を避けて、「徳永」の描く独自の世界、シャイで大人しい女性が心の奥で叫ぶ…誰にも言えない心の叫びを表現しています。
「高橋」が動なら、「徳永」は正に静…対照的な歌唱です。

原曲が名曲、ヒット曲ばかりで、オリジナル歌手のイメージが勝っているのも有りますが、原曲と異なったアプローチで、「徳永」ワールドを構築している曲も有るし、イメージ的に原曲を超えて、これの方が良いと思える作品も有ります。
このヒット・アルバムを聴いていない方、是非、ご一聴を…
★まだ持っていない人は、今度出た3枚組が良いと思います。

超人的テク、切味抜群…ハイフェッツ/ミュンシュ&ボストン響…メンデルスゾーンVI協奏曲

2008-04-10 23:44:30 | クラシック交響曲・管弦楽曲・協奏曲
生涯不敗…かの剣豪「宮本武蔵」が、剣をヴァイオリンに持ち替えて、生まれ変わったとしたら…???
多分、今日紹介する、二十世紀最高…いや、史上最強のヴィルトオーゾ・ヴァイオリニストの「ヤッシャ・ハイフェッツ」ですよと言っても、誰も否定できないでしょう。
いや、むしろその通りですと、肯定してくださる方も多いのでは?と思います。

それぐらい、彼のヴァイオリンは切味抜群で、完璧無比な技術を持ち得ているんです。
逆に余りにも完璧過ぎて、冷たいとかロボットの様な演奏だと揶揄された事もあるぐらいで…しかし、それでも「ハイフェッツ」の遺した演奏はどれもすごく、歴史的な意義が有るんです。

その中でも、曲的にも最もポピュラーで、指揮者、オーケストラの演奏(伴奏)を加味してベスト1的なレコードは?と問われれば、第一に候補に挙がるのが、この演奏、メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲でしょう。

録音こそ、いかんせん古いので、良いとは言えないですが、それでも…この超名演が色褪せる事は絶対に無いと思います。

20世紀の奇跡…いや、「ハイフェッツ」ならば、普段の演奏・実力を是非味わって下さい。

アルバムタイトル…ハイフェッツ(vl) ミュンシュ指揮・ボストン交響楽団…メンデルスゾーンヴァイオリン協奏曲ホ短調 作品64

1959年2月23日、25日 シンフォニー・ホール ボストンにて録音

原盤…RCA RED SEAL 輸入盤(オリジナル・ジャケット・シリーズ)
CD番号…LSC-2314

演奏について…まず、最初にお断りしておくと、このCDオリジナル・ジャケ・シリーズも、先回ご案内させて頂いた、激安の輸入廉価盤、全集の内の一つで、超人「ヤッシャ・ハイフェッツ」の超名演・名盤の10枚組セットが、わずか五千円そこそこで、手に入るのである。
全く驚きの一言で、正直、有り得なーいと思うが、紛れも無い事実なのだ!!!

さて、演奏について言えば、全体的に早めのテンポで、第1楽章から第3楽章まで、ぐいぐいと進む。
「ハイフェッツ」の演奏技術は、勿論、完璧で、研ぎ澄まされた一音一音が、キリリと立って、冴えた音色で、そのコンプリート演奏を成し遂げる。

サポートする、「シャルル・ミュンシュ」と「ボストン・シンフォニー・オーケストラ」も、早めの演奏に微塵も遅れず、いや、むしろ「ハイフェッツ」を煽るぐらいに、ドライブ力に溢れた、力演をしている。
この頃の「ボストン響」は、「ミンシュ」と言う、名オーケストラ・ビルダーに扱かれ、育てられた為に、素晴らしい技術を持った、一流オーケストラになっており、「ハイフェッツ」と言う稀代の名人、ソリストのサポーターとして、申し分の無い伴奏をしてくれます。

それから、「ハイフェッツ」の演奏は、完璧過ぎて面白くないと思う人も、多いかもしれないが、それは間違いです。
完璧な演奏技術に裏付けされた、確かな音楽スピリットが、青白く、(実は激しく)燃え上がっていて、そうですね…ジャズ・トランペッターで言うなら「マイルス・デイヴィス」の、(マラソン・セッション時代?の)冷めた(完璧な)演奏に近いと言うと分かり易いかもしれません。

無機的な様でいて、実は深く、静かに燃えているんです。

多分、「宮本武蔵」も、剣客と言う冷静さの中に、誰にも絶対に負けないと言う、確固たる自負と信念を持っていたと思われます。

「武蔵」の生まれ変わり?「ハイフェッツ」であれば、当然同じ精神構造であったはずです。

研ぎ澄まされた演奏の中に、自然や美、そして人間愛がさりげなく隠されていて…シャイな「ハイフェッツ」は、それをテクニックを見せ付ける事によって、ひっそりと隠しているんです。

久しぶりにラテンで行こう!サビーカス~フラメンコ・ギターの至芸

2008-04-08 22:08:17 | ラテン・インストゥルメンタル
ここの所、クラシックの紹介が多くなっていましたね。
前回、ご案内の通り、輸入の超廉価、超名盤を多く購入しておりまして、日々聴く事も多いんですねぇ。
しかし、今日は悪天候でしたが、昨今の桜満開で、いよいよ本格的な春到来と言う事で、温かくなったら、やっぱりラテン・ミュージックでしょう。

そこで、今日は久しぶりに、本格的なラテンで行きましょう。

とにかく、超人的なテクニックで、フラメンコ・ギターを弾き切る、スーパー・ギタリスト、「サビーカス」の演奏をご堪能下さい。

アルバムタイトル…フラメンコ・ギターの至芸

パーソネル…サビーカス(g)ソロ

曲目…1.アレグリーアスの変奏、2.セビーリャの幻惑(ブレリーアス)、3.わがソレア(ソレアーレス)、4.鐘の響き(ファルーカ)、5.ガリシアへのピローポ(ガジェガーダ)、6.レクオーナのマラゲーニャ、7.リナーレスのこだま(タランタス)、8.トリアーナの悲しみ(シギリージャス)、9.宴を終えて(ロンデーニャ)、10.ヘレスのクリスマス(ビジャンシーコ)

1972年スペインにてモノラル録音

原盤…ポリドール  発売…ユニバーサル・ミュージック
CD番号…POCF-2002

演奏について…1曲目「アレグリーアスの変奏」では、てとも明るいイメージの曲で、スペインの…と言うより、イタリアのナポリを連想させる曲調と演奏です。
「サビーカス」は、トレモロをメインにフラメンコ・ギター・テクニックをノッケから、満開で気持ち良く弾き切ります。
明るい曲の裏に、わずかに垣間見れる、哀愁や影に何を感ずるでしょう。

2曲目「セビーリャの幻惑」…もう、この曲はフラメンコ臭さぷんぷんで、超絶技巧のギター・テクニックで、情熱の炎を燃やし続ける。
この曲に浮かぶ情念は…??
ギター1本の演奏にも拘らず、眼を閉じれば、何かバラを銜えたカルメンが、フラメンコ・ステップを踏んでいる姿が眼に浮かぶ。
「サビーカス」の技術と、演奏に滾る精神…恐るべし!

3曲目「わがソレア」…CD解説(濱田滋郎氏 著)によると、ソレアはフラメンコの核心をなす形式の一つで、メジャーにもマイナーにも属さない調整が、独特の音楽を生み出すとの事。
「サビーカス」のテクが冴え渡る。

4曲目「鐘の響き」…一言で言って、良い曲だ!
このアルバムで一番、私のお好みですねぇ。
とにかく、哀愁たっぷりで、叙情性豊かな曲に、「サビーカス」の演奏が映える。
哀愁のスペイン映画の、ワンシーンに登場する、映画音楽の様に、日本人の心の琴線と涙腺を刺激し捲くる。
このメロディを聴いて何を思うのか?
それは、遥か故郷だろうか?
別れた彼女(妻)?それとも亡くなった母親だろうか?
素晴らしい演奏&曲に拍手喝采!!!

5曲目「ガリシアへのピローポ」…この曲はガリシア地方の曲と言う事で、厳密にはフラメンコでは無いとの事。
「サビーカス」は、ガリシアやカタルーニャ地方の舞曲を、華麗に親近感たっぷりに聴かせる。
終盤の華麗なテクニックには圧倒されますよ。

6曲目「レクオーナのマラゲーニャ」…キューバの作曲家、「エルネスト・レクオーナ」が書いた、良く知られた名曲。
「サビーカス」は、技術は言うに及ばず、郷愁に駆られた様な演奏スピリットが、とにかく素晴らしくて、耳を奪われる。
極彩色とパステルカラーが交互に展開される様に、カラフルな中の懐かしさと幻想性が心に沁みます。

7曲目「リナーレスのこだま」…この曲はフラメンコの形式で、「タランタス」と言うのだそう。
「サビーカス」は、この「タランタス」に従って、不協和音的なコードで、ほの暗いイメージを描き出す。
フラメンコのマイナー調演奏の極みで有り、来る悲劇を予感させる。
曲は勿論、全く異なるのだが、思わず「プッチーニ」の蝶々夫人が思い浮かぶ。
美しくて悲しい物語だ!

8曲目「トリアーナの悲しみ」…この曲は「This is Flamenco.」といって良い、「シギリージャス」形式の演奏の最高峰との事。
「サビーカス」が、とにかくすごテクで、正しくフラメンコ・ギターが唸り、叫び、吼えて、パッションが爆発する。

9曲目「宴を終えて」…とても幻想的な曲で、「サビーカス」の情念がギターに乗り移る。
ギター一音一音に込める「サビーカス」の演奏スピリットが、とてもディープです。

10曲目「ヘレスのクリスマス」…とても郷愁を感じるようなマイナー・チューンで、スペイン(ラテン)の曲って、何て日本人の郷愁感情にマッチするのか?と改めて認識させられる1曲。
最後は泣いて下さいってか?
コード・チェンジでファイナルに盛り上がる時の瞬間が最高です。
やっぱり、哀愁のマイナー・メロディはいつ聴いても良い。
私は好きだなぁ…こう言う曲。

総括ですが、ラテンでもフラメンコは陽気じゃないね!
ここで聴けるのは、やっぱり哀愁がメインです。
まじで泣けます。

超名盤なのに超廉価の輸入盤クラシック…スヴァトスラフ・リヒテル~バッハ平均律クラヴィーア全集

2008-04-07 22:40:29 | クラシック室内楽・器楽・オペラ・古楽
最近、ひょんな事から、輸入盤のクラシック・アルバムを某有名レコード店から売られているのを知り…それも有名な超が付く名盤ながら、とてもとても安い値段(ウルトラ廉価で)…またまたビックリ!って感じで、驚きが倍増、いや~5倍増しました。

これらのアルバム…日本語の解説が付いた、言わば日本盤だったら、一寸手が出ないぐらい高価なアルバム(全集)が、ものすごーく安いので、最近ついつい(沢山)買ってしまって…所謂、はまっている状況です。

そして、今日紹介させて頂く、その中の1枚(セット)が、このアルバムなんですよ。

アルバムタイトル…スヴァトスラフ・リヒテル~バッハ平均律クラヴィーア曲集
第1巻&第2巻BMV.846~893

パーソネル…スヴァトスラフ・リヒテル(p)

曲目…DISC1.…プレリュードとフーガ1~14 BWV846~859
   DISC2.…プレリュードとフーガ15~24 BWV860~869
   DISC3.…プレリュードとフーガ1~13 BWV870~882
   DISC4.…プレリュードとフーガ14~24 BWV883~893 

1970年7月21日~31日、1972年8月、9月、1973年2月ザルツブルグにて録音

原盤…メロディア  発売…ビクター(前)、原盤・発売(現在)…独RCA
CD番号…GD60949(4枚組)輸入盤

クラシックがお好きな方なら、誰でもご存知の、超名盤なんですけど…輸入盤4枚組で、価格は¥2,344と言う値段です。
★安いと言うより、もはや恐ろしい???っていうぐらいの価格(世界)ですね。
昨今出ている日本盤なら、1枚のCDでさえ、買えない可能性もある訳で…もう、輸入盤以外は買えなくなりそうです。

さて、肝心な演奏についてですが、「リヒテル」が弾く演奏って、いかにも旧ロシア(ソビエト)出身者らしく、骨太で無骨、いかにも職人気質のイメージが強いのですが、ここで演奏される「J.S.バッハ」には、その様なイメージが余り感じられません。
かなり、ロマンティックで、明朗、快活な演奏で進行します。

さて、DISC1ですが、この冒頭「プレリュードとフーガ」の1曲目、そして2曲目と、すぐさま、とてもロマンティシズム溢れる演奏で、聴く者の心の琴線に触れ捲くります。

3曲目も煌びやかで、飛び跳ねる様なタッチが素敵で、心地良い演奏です。

一転して、4曲目では…感傷的で、静かで、音の余白と静寂を優しいタッチで表現してくれます。
「リヒテル」ってこんなに繊細な表現をする人だったかなぁ?と改めて、別の魅力を発見できるでしょう。

5曲目や7曲目では、ハッキリ、くっきりと明確なタッチでキリリと曲を仕上げて、天性のヴィルトオーゾぶりを垣間見せます。

6曲目や9曲目では、流麗さと繊細さを対比させた表現が見事です。

8曲目は、元曲が空間を活かした曲なので、「リヒテル」は、非常にゆったりと一音一音を大切に弾いて、「J.S.バッハ」の思索された哲学的な要素をしっかりと抽出していて…とても感動的で味わい深い名演奏です。
しんみりと心に染み渡る幻想的な感覚が素敵ですね。

10曲目も一言で言って、とても良いですねぇ。
いかにも「バッハ」らしい、硬軟が渾然となったアーキテクチュアが見事な曲で、「リヒテル」の実直な演奏がピッタリマッチします。

11曲目や14曲目では、カチッとした音で緊張感を保って、ビシッと〆た演奏をしています。

12曲目でまた鎮美的で、とても静かな表現で、「バッハ」の神々しさと清々しさを示します。
この曲&演奏では、更に深く深遠に入った神に対するアーメンが聞こえるでしょう。
非常に敬虔なクリスチャンの言霊と言えば良いのでしょうか?

13曲目では、「バッハ」らしい、高音部の調整、展開を表現している曲中で、低音部のポイントが重厚さを持っているのがgoodです。
この締まった低音、左手の表現が、素晴らしいスパイスとして効果抜群なんです。

いかにも「リヒテル」らしくない、この美演…DISC1から、逆噴射のエンジン全開で…気持ち良~い!!

DISC2以降は、機会を持って、又、書くことに致しましょう。
それでは、お休みなさい。

ジャズ・ソロ・ピアノ演奏のベスト1?…キース・ジャレット~ザ・ケルン・コンサート

2008-04-05 23:54:09 | ジャズ・ピアノ・ソロ~トリオ
今日、紹介するアルバム(演奏)は、かつては、自動車メーカー、ホンダのレジェンドのコマーシャルにも使用された事があって、ある程度の年齢の方なら、この演奏・曲だとは気付かないまでも、多分一度は耳にした事がある有名なフレーズ・序奏から、このケルン・コンサートは始まる。

ロマンティックで、哀愁たっぷりで、時には軽やかにスウィングし、時にはクラシカルにしっとりと…ジャズ・ピアノと言うよりは、もはやピアノと言う楽器の様々な演奏テクニックとスピリットの全てのエッセンスが凝縮された様な演奏で…正にジャズ・ピアノ演奏の最高峰では無いかと思わざるを得ない。

「キース・ジャレット」と言う、これまたジャズ・ピアノ史上でも最高位に位置する、ジャズ・ピアニスト界のカリスマが、全身全霊をかけて、己の持てる全てのありったけを出し切った演奏なんですよ。

勿論、トランス状態になり、超ハイになった時には、「キース」お得意の「うなり声」も沢山録音されています。
ライブ録音なんだから、これはしょうがないし、クラシックで言えば、奇才「グレン・グールド」も有名な得意技ですよね?
まぁ、その辺りは気にしないで、聴いて下さい。
こんな素晴らしい演奏、本当に無いですよ。
究極に突き詰めて聴けば、実は怖いぐらい研ぎ澄まされた演奏なんだけど、耳ざわりの良い、メロディアスでロマンティックな演奏&曲調から、(恐れ多くも)BGMとして聴いてもバッチリ、フィットするのも、ある意味不思議な感じです。

今夜はお疲れの諸氏に、このアルバムを捧げましょう!

アルバム・タイトル…ザ・ケルン・コンサート

パーソネル…キース・ジャレット(p)ソロ

曲目…1.ケルン、1975年1月24日パートⅠ(26:02)、2.ケルン、1975年1月24日パートⅡa(14:54)、3.ケルン、1975年1月24日パートⅡb(18:12)、4.ケルン、1975年1月24日パートⅡC(6:56)

録音1975年1月24日 ケルン、オペラ劇場にてライブ録音

原盤…ECM  発売…ポリドール㈱
CD番号…J33J-20185

演奏について…全体的な演奏についての印象、総評は、今日は冒頭の序説で結論を述べてしまったので、割愛させて頂こう。
それから、次に着目して頂きたいのが、この日演奏された曲名で、パートⅠとパートⅡの3部作の違いは有っても、曲名は全て「ケルン、1975~」である。
「キース・ジャレット」にとっては、ピアノ演奏のインプロビゼーション、即興が
全てあって、曲名などはどうでも良いことだと言うのが人目で理解できる。

さて、その演奏についてだが、個人的には、やはり一番有名で、長大な作品である「ケルン、1975年~パートⅠ」がお薦めであり、お気に入りである。
前半~中盤過ぎまで、とにかく、エモーショナルで、ロマンティックで、まるで恋愛物の映画音楽の様である。
いつまでも聴いていたい演奏&曲であり、このままずーっと終わらないで欲しいと思わず願いたくなる演奏である。
独身男性なら、彼女を部屋に招待した時に「決め」の1曲にしても良いと思う。
超ロマティックな、ジャズ・ソロ・ピアノ演奏…間違いなくセンス抜群な人だと認識してもらえるでしょう。
終盤は一転して、ポップス的で、早めのテンポ、リフレインを多くとって、アクティブなイメージで締め括る。
単語で言うなら、「ロマンス」&「アクティブ」でしょうか?

次いで、「パートⅡa」だが、この演奏&曲は、審美的で「ドビュッシー」をポピュラー化した様なイメージである。
とても高尚な感覚で、湖に落ちた一輪の花を起点として、水面に水輪が拡がって行く様なイメージをしてもらうと、感覚的に理解できると思う。
言葉なら、これはずばり「幻想」と「静寂」でしょう。

「パートⅡb」では、同じようなフレーズが、ほんの少しずつ変化を遂げるアドリブが展開される。
イメージを考えるなら、刻々と燃える、暖炉の炎かなぁ?
まぁ、炎の様に熱い感じではないけど、演奏&曲自体は、どちらかと言えばクールな感じなんだけど…。
火は同じように燃えてはいても、炎の形は微妙に違うし、燃えている木も、刻々と形を変える。
劇的に変わる訳ではないが、微妙に変化をしている。
火の燃え方も、段々強くなって行き、最後は消えて行く…その様な微妙な変化を表現した演奏なのです。
そして、「キース」の心はどんどんと深く奥底に入って行って、彼の深層心理は何を求めているのか?
しかし、曲の終盤では、明るめの曲調に変わってくるので、苦悩して考えた挙げ句に、前向きな結論に達したっていう感じなんだと思います。
生みの苦しみってやつかな?
単語で言うと、「輪廻」、「誕生」が相応しいでしょう。

ラストの「パートⅡC」ですが、この曲はコンサートのアンコールで弾かれた曲で…と言う事は、壮大な曲としては、「パートⅡb」までで終了しているんだね。
このアンコールの曲&演奏は、「パートⅠ」的な軽やかで、ロマンス溢れる佳曲で、「キース」がポップス曲的に仕上げています。
小さな滝から発生した水滴が、チョロチョロと注ぎ、やがてきれいな小川へと変わって行く…そんな感じがします。
単語なら、在り来たりですが、「希望」と「平和」と言うイメージでしょうか?

「キース・ジャレット」が、ライブで皆へ送った、ピアノと言う楽器を使っての究極の愛のメッセージを、是非、聴いて下さい。