紫のオルフェ~何でもかんでも気になる音楽、名曲アルバム独り言

ジャズ、ラテン、クラシックを中心として、名曲、アルバム演奏者を紹介します。&私の独り言を…

ブラジルの名ドラマー「ロベルチーニョ・シルヴァ」~「ボダス・ヂ・プラータ」

2007-04-30 23:30:04 | ラテン・インストゥルメンタル
まずは、「ロベルチーニョ・シルヴァ」を良く知らない方々に解説書を参考にしてご紹介します。

ロベルチーニョ・シルヴァ…1941年ブラジル、リオ・デ・ジャネイロの生まれで、1988年には「ミルトン・ナシメント」のメンバーとして来日したことがある。
彼は、以前紹介のマルチ・インストゥメンタル奏者「パスコアール」などと数多くのアルバムレコーディングに参加しており、取分け今回ご本人の作曲でもある名曲「スピーク・ノー・イヴィル」にソプラノサックスで参加している「ウェイン・ショーター」の、その名も名盤「ネイティヴ・ダンサー」にドラムスとして参加していたのである。
とにかくサンバのノリを持つ優れたタイム感覚と、骨太のドラムを敲く職人肌のドラムスです。

では詳細について説明しましょう。

アルバムタイトル…「ボダス・ヂ・プラータ」(銀婚式)

パーソネル…リーダー;ロベルチーニョ・シルヴァ(ds)
      ミルトン・ナシメント(p)
      ルイス・アルヴィス(b)
      フランク・コロン(perc)
      ヴァンデルレイ・シルヴァ(perc)
      アレウーダ(voice)
      ウェイン・ショーター(ss)
      グループ・ウアクチ(etc.)
      他

演奏曲…1.ヴェイオ、2.サンバ・ブラジル、3.ドルフィン、4.ボダス・ヂ・プラータ、5.スピーク・ノー・イヴィル、6.リリア、7.ベニー・カーターの肖像、8.オルフェアンの日曜日、9.パルチード・アルト・№2、10.ガイオ・ダ・ロゼイラ

演奏(曲)について…オープニング「ヴェイオ」はこのアルバムがブラジル音楽のアルバムである事を高らかに告げる。
2曲目の名曲「サンバ~」は一転してフルートとオケにより寛ぎのボサ・ノヴァに聴者が身を委ねる。
3曲目「ドルフィン」も「サンバ・ブラジル」と同路線で安心感一杯。
そしてクライマックスはその次からやって来る。
まず最初に、アルバム・タイトル4曲目「ボダス~」のハイセンスな編曲と演奏、そこには「ショーター」の甘いソプラノサックスの響きが、幻想的な宇宙へと誘い、リーダー、「ロベルチーニョ」は重厚感が有るが決して五月蝿くはない超絶的なドラミングでその「ショーター」と融合する。
そして白眉がその「ショーター」を全面的に押出した次曲でジャズの名曲「スピーク~」である。
ここで「ショーター」は素晴らしいアドリブを演じており、バックのメンバーも盛り上げに徹して、最高のパフォーマンスを形成している。
6曲目「リリア」はいかにもナシメントの作品らしく、「ブラジリアンポップス演歌」と言えるような作風が楽しい。
7曲目は「ベニー・カーター」の名を付けているが、肩肘張らない優雅なサックス曲で、「ショーター」の貫禄が見て取れる。
8曲目はサンバ、9曲目も高速のサンバでアルバム後半を盛り上げ、最後に現代音楽の様な前衛さと、奥方「アレウーダ」のヴォイス、そしてラテン・パーカッション系楽器のうねり、それと絡むアコーディオン、ベースなどが不思議な魅力を醸し出す「ガイオ~」で締め括る。

ジャズ、ラテン、フュージョン好きな人、絶対に聴かなくてはならないアルバムですぜ!!