紫のオルフェ~何でもかんでも気になる音楽、名曲アルバム独り言

ジャズ、ラテン、クラシックを中心として、名曲、アルバム演奏者を紹介します。&私の独り言を…

アヴァンギャルドとスタンダードの間で…チャールス・ロイド~ドリーム・ウィーヴァー

2007-04-04 23:21:13 | ジャズ・テナー・サックス
今日は60年代半ばから70年に架けて一世を風靡した、「チャールス・ロイド・カルテット」のアルバム、「ドリーム・ウィーヴァー」を紹介します。
「ロイド」の演奏は表題に有る通り、以前アーチー・シェップを紹介して、「入口」に足を踏み入れた前衛的な「フリー・ジャズ」と、完成された「モード・ジャズ」の間を行き来している様なアルバムです。

アルバムタイトル…「ドリーム・ウィーヴァー」

パーソネル…リーダー;チャールス・ロイド(ts、fl)
      キース・ジャレット(p)
      セシル・マクビー(b)
      ジャック・ディジョネット(ds)

曲目…1.秋の情景 a.秋のプレリュード、b.枯葉、c.オータム・エコー、2.ドリーム・ウィーヴァー a.メディテイション、b.ダービッシュ・ダンス、3.バード・フライト、4.ラブ・シップ、5.ソンブレロ・サム

1966年3月29日、30日録音

演奏(曲)について…まず、ピアニストに注目だ!
若き日の、若干20歳の「キース・ジャレット」がメンバーに名を連ねている。
但し、ここで弾いている演奏は、彼の生涯演奏歴の中で、最も「過激」で「前衛的」だそうだが、しかしながら、流石に「キース・ジャレット」だ。
前衛的でも充分にメロディアスで、聴く者の琴線に触れる演奏を奏でている。
「ジャック・ディジョネット」も当時は新人ながら、後の彼を予感させる様な、期待を裏切らない名演奏をしている。
「マクビー」は60年代の「新主流派」のアーティスト達と、多く共演していた前衛ジャズにはなくてはならない、骨太のベーシストである。
そして、マルチ・リード奏者として、前衛ジャズを吹く男の「ロイド」が、リーダーとして、3人を引っ張っている。

さて、曲についてだが、何故このアルバムをセレクトしたか?と言えば、第一には、1曲目の「秋の情景」のクライマックス部分で、「名曲;枯葉」を演奏しているからであり、特にこの曲での「ロイドのフルート」と「キースのピアノ」、そして「マクビーのベースソロ」が秀逸だからである。
この一発だけでも絶対に「買い」であるのだが、他は全て「ロイド」のオリジナル曲だが、全て佳曲である。
まず、ラテンの香りが馨しい5曲目の「ソンブレロ~」は個人的にお気に入り曲だし、ロイドの代名詞のタイトル曲;「ドリーム・ウィーヴァー」は、前半のメディテイションは、コルトレーン最後期の演奏の雰囲気があり、後半のダービッシュ・ダンスは、どこかロリンズを彷彿させる遊び心もある。
3曲目は、ロイドが完全に「仮想コルトレーン」と化していて、私にはたまりません。
そして4曲目の「バラッド」演奏も素晴らしいので、「フリー・ジャズ」の入口から3歩ぐらい進んでみましょうか。