紫のオルフェ~何でもかんでも気になる音楽、名曲アルバム独り言

ジャズ、ラテン、クラシックを中心として、名曲、アルバム演奏者を紹介します。&私の独り言を…

女性ジャズ・ヴォーカルの人気盤、リタ・ライス~ジャズ・ピクチャーズ

2007-04-17 22:31:16 | ジャズ・ヴォーカル
今日はほんのり色香あるジャズ女性シンガー、「リタ・ライス」の人気ライブ・アルバム、「ジャズ・ピクチャーズ」の紹介です。
このアルバム、勿論主役は「リタ・ライス」ですが、もう一人「影の主役」がいます。
彼女のバックを務めているのが、「ピム・ヤコブス・カルテット」なのですが、「ピム~」は、本来トリオであって、もう一人参加の大物が曲者というか、味噌なのです。
その人物とは、ドラムスの名手;大御所「ケニー・クラーク」その人であります。
彼はモダン・ジャズ史上に残る「名ドラマー」であり、あのMJQ(モダン・ジャズ・カルテット)の初代ドラマーでもあります。
ドラム・テクニックについては詳細の説明は要らないと思いますが、特にブラシワークの名人芸は必聴に値します。

では解説しましょう。

アルバムタイトル…「ジャズ・ピクチャーズ」

パーソネル…リタ・ライス(vo)

   ピム・ヤコブス・カルテット
      ピム・ヤコブス(p)
      ウィム・オーヴァーハウ(g)
      ルディ・ヤコブス(b)
      ケニー・クラーク(ds)

1961年10月12日 オランダのラーレンにて録音

演奏曲…1.手紙を書こう、2.枯葉、3.チェロキー、4.プア・バタフライ、5.お友達になれない?、6.君にこそ心ときめく、7.アイ・リメンバー・クリフォード、8.タンジェリン、9.スピーク・ロウ、10.ホワッツ・ニュー

演奏(曲)について…結論から言おう、アルバム中の白眉は「枯葉」である。
ライスの歌はほのかな色香を放ちながらも、過剰なドラマティックにはせず、かと言ってあっさりもしすぎずに、見事なまでの「中庸の美学」で仕上げています。
10曲目「ホワッツ・ニュー」も枯葉に近い、「中庸」で歌っており、ラストを締めくくっています。
それから、短い曲(歌)だが、「アイ・リメンバー~」は素晴らしいバラードの絶唱で聴き物です。
このアルバムで一番「力唱?」してるかなぁ。
個人的には、バック(カルテット)が非常にしゃれた8曲目の「タンジェリン」と、クラークのラテンタッチから4ビートのドラムリズムに見事に変速する、「スピーク・ロウ」なんかも結構好みなんです。

いずれにせよ、歌っている曲はなじみの物が多いし、バックサポーターも良いので是とも一聴をお薦めします。