紫のオルフェ~何でもかんでも気になる音楽、名曲アルバム独り言

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ヴィルヘルム・バックハウス~ベートーヴェン4大ピアノ・ソナタ

2007-04-21 23:00:05 | クラシック室内楽・器楽・オペラ・古楽
今日は20世紀ドイツの生んだ偉大なピアニスト、「ヴィルヘルム・バックハウス」のベートーヴェンピアノソナタ(選集)を紹介しましょう。
バックハウスにとっては、言わば「ベートーヴェン」はご当地、お家芸ですので、このアルバムでも無骨ではあるが、威厳のある素晴らしい演奏をしています。

アルバムタイトル…ベートーヴェンピアノソナタ(悲愴)(月光)(ワルトシュタイン)(熱情)

演奏者…ヴィルヘルム・バックハウス(p)

1958年10月、1959年10月 ジュネーブにて録音

曲目…1.ピアノ・ソナタ第8番ハ短調作品13{悲愴}
   ベートーヴェン初期ピアノソナタの傑作であり、悲劇的な曲想とドラマティックな構成の名曲。
   2.ピアノ・ソナタ第14番嬰ハ短調作品27の2{月光}
   ベートーヴェン中期ピアノソナタの名作で、月光と言う名は俗称である。
ベートーヴェン自身は「幻想曲風ソナタ」と銘打っており、その名に相応しい幻想的な名曲です。
   3.ピアノ・ソナタ第21番ハ長調作品53{ワルトシュタイン}
   「傑作の森」と呼ばれている、交響曲第5番{運命}や交響曲第6番{田園}等を作曲していた同時期に作曲された、広大なイメージの輝かしい名作。
   4.ピアノ・ソナタ第23番ヘ短調作品57{熱情}
   前述{ワルトシュタイン}のすぐ後に書かれた、同じく「傑作の森」時代の傑作中の傑作であり、最後のコーダまでに情熱的に突き進む。

演奏(曲)について…バックハウスのベートーヴェンは、万人が認める「十八番」であるが、ベスト1をあえて決めるなら{熱情}でしょう。
骨太で無骨な表現ではあるが、情熱を十二分に伝えている素晴らしい出来栄えの演奏です。
次いで、{ワルトシュタイン}でしょうか?
もちろん他の2曲も素晴らしいですが、「悲愴」や「月光」はベートーヴェン作品の中では、最も繊細で内面志向で鎮美的な表現の曲なので、そう言う表現が得意のピアニストの方が、バックハウスよりも更に良い演奏かもしれません。
しかし、真面目にどの曲も一聴に値する演奏ですので、感動した方は「バックハウスのベートーヴェン・ピアノソナタ全集(全曲)」を聴くことをお薦めします。