なんとなくクラシテル

獣医という仕事をしている人間の生活の例の一。
ほとんどが(多分)しょーもない話。

障碍飛越競技

2015年06月07日 | 
つうものについて、考えてしまった一日。

 練習中から雲行きは怪しかったですけどね。もちろん、自分のパートナー馬じゃない。別のクラブのクラブホースなんだが。

 どの馬も同じなんだよね。ごく低いクロスバーも飛びたがらない。で、飛ぶと今度は発狂して暴走する。50㎝なんて、あんた達またげるでしょうが、そんな高さを飛んだ途端に大暴走する。で、止められない。勝手に走り回るから落馬の危険多々あり。実際に落馬したし、する人も見たし。

 で、今日は大会だった。エントリーしたのは50㎝と80㎝。どちらも失権。つうか、50㎝なんか、第1障害すら越えられず。なんなのさ・・・・?80㎝も第2障碍でストップ。やれやれ。
 しかーし、問題は自分のことばかりではない。わらわら落馬やら反抗やらの失権が出まくるんですわ。完走できた人馬がほとんどいない状態・・・・・・。出る馬出る馬一々暴れ回る、それを無理やりしばいて飛ばす、のが障碍飛越競技というものらしい。こんなのスポーツじゃないよ。

 今日はもっとおっかない事態も勃発した。飛越じゃなくて、障害物競走的な「ジムカーナ」なる競技なんだけど(一番初級クラス)こういうのはよく子供が出る。で、子供(多分小学生になるかならないか位)を乗せたポニーがいきなり暴走して子供が落馬した。ゾオ~~~~!!!後で聞いてみたら、そのポニーはポニー競馬とかに出されてた馬だと。そんなのが、落ち着いて経路を回らなくちゃならないジムカーナ競技なんかこなせるわけない。何考えてるんだろう?

 しかし、、今まで通ったどの乗馬クラブでもこんな事はしょっちゅうで、それが当り前みたいに思われてるらしいんだよね。障碍飛越が日本で全然流行らないわけですよ。危険なだけだもの。馬場専門だなんてかっこつけてるクラブが多いけど、要するに馬に障碍飛越調教が出来ないだけだべ。

 以前行ってみた、確かバランスインムーブメントとやらを提唱しているクラブだったけども。このクラブの「合宿」なんか、もう惨憺たるもの。だってなあ馬が立ち上がるんですぜ。で大暴走する。全頭そんな調子なんだもの。それに子供が乗って調整(なのか?)をさせられるわけ。自分が親だったら速攻辞めさせますけど。結局その合宿とやらでできたのは「速歩で横木通過」。こんなの、わざわざ長野くんだりまで行って合宿なんかでやることじゃないですよ。アッタマにきて、途中で「もう帰ります」っつって合宿やめて帰っちゃいましたけど。

 日本の乗馬って、ロデオみたいに暴れ回る猛獣みたいな馬を乗り回すことなんでしょうかねえ?

 これを言うと、そりゃサラブレッドを使ってるからだ、って話が必ず出てくる。違う。中間種なんか、ガタイがでかい分、お話にならない暴れようですもん。長野の馬は中間種だったよねえ。自分があてがわれたサラが、一番マシでしたよ。

 なぜ、馬どもが大暴走するのか。理由はいくつかあって、自分的には自明の理ですけど。
1)段階的なトレーニングをしてない。いきなり高さを飛ばすから、馬的にはおっかなくて「飛び逃げ」をしてるわけ。これはね、段階的なトレーニングの仕方を指導員が知らない、というお粗末な理由ですがね。
 自分のパートナー馬には  とか を使ってじっくりトレーニングをしている。最初は2本の横木をまたぐんじゃなくて、平行に並べといてその間で止まってまた進む、みたいな練習から。最近はのみ飛びの練習。これが非常に有用(お互いに)なのが分かってきている。バウンス練習だと、馬は暴走のしようがなくなるし、乗り手はバランスをきっちり取らないといけないんですよね。そうやって飛越の基礎をじっくりこなしてお互いの自信を強めてから、という段階を踏まないから飛び逃げするわけよ。
 
 困ったことに、飛び逃げする馬の方が速く回っちゃう。だからゴリゴリ引き回せば勝てる。従って疑問を感じないんでしょうなあ。

2)ハミの問題。飛越時、馬がむやみにおびえる理由はこれ。ヘタクソが乗ると、飛ぶたびにハミを引っ張って、手で自分のバランスを取っちゃう。馬は飛ぶたびに口をぐいぐい引っ張られてのけぞる格好になる。背中も痛めるけど、もっとまずいのは飛越するたびに「罰」を与えられてるのと同じことになる点。これで飛べってひどくないですか?だから、もう怖くて暴走するわけよ。で、暴走した日にゃ、ハミなんか引っ張ったって止まりません。皆そういうのを「かかる」とか言ってますけどさ。馬のせいにするな。不快な物から逃げようとするのは当り前だろうが。

 ハミなんぞやめりゃいいんだ。ずうっとそう思ってるし言ってるのにさ。
 
コメント
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