<新刊情報>
書名:ピアノの名曲~聴きどころ 弾きどころ~
著者:イリーナ・メジューエワ
発行:講談社(講談社現代新書)
世界最高峰、ロシアピアニズムの伝統を引き継ぐ現役女性ピアニストが、代表的なピアノの名曲を平易に解説。プロにしかわからないユニークな視点が満載、この本を読めば音楽鑑賞の楽しみが倍増すること間違いなし。アマチュアピアニストへのヒントも一杯。全てのクラシック、ピアノ音楽ファンにお勧め。
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書名:交響曲「第九」の秘密~楽聖・ベートーヴェンが歌詞に隠した真実~
著者:マンフレッド・クラメス
発行:ワニブックス
日本では年末の演奏が恒例となっている、楽聖・ベートーヴェンの交響曲「第九」。2018年6月1日には日本での初演奏から100年という記念すべき日を迎え、また現在までの聴衆者は世界で10億人を超えるとも言われている。しかし、合唱部「歓喜の歌」の歌詞の“本当の意味”を知る人は、世界中を見回しても少ない。今日まで、「歓喜の歌」の歌詞はキリスト教的な意味での神を称えていると考えられてきたからである。そこに異を唱えるのが、ドイツ人研究家の著者、マンフレッド・クラメス氏である。ベートーヴェンが生きたヨーロッパ近世の時代背景を丹念に考証し、ドイツ語の歌詞を入念に調べ解釈すると、まったく違った意味合いが浮かびあがってくるのだ。
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書名:オーケストラ解体新書
編者:読売日本交響楽団
発行:中央公論新社
クラシックのコンサートはどのように製作されているのか。楽団員の生活や意見をはじめ、スタッフたちの肉声など、興味深い話題が満載。コンサートが待ち遠しくなる本。図版多数。
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書名:山本直純と小澤征爾
著者:柴田克彦
発行:朝日新聞社(朝日新書)
「お前は世界に出て、日本人によるクラシックを成し遂げろ。俺は日本に残って、お前が帰って来た時に指揮できるよう、クラシックの土壌を整える」小澤征爾は、自分より優れた才能を持つ山本直純の激励を受けて日本を飛び出し、クラシック界の巨匠への道を駆け上がって行く。一方で山本直純は、「男はつらいよ」「3時のあなた」「8時だよ、全員集合」などのテーマ曲を手掛け、音楽の素晴らしさを庶民に伝え続ける。しかし、その多才さゆえに、彼はクラシック界では異端の扱いを受けてしまった。クラシックを心から愛し、新日本フィルの立ち上げに奔走した二人の錯綜した人生をダイナミックに描く一冊。