【歴史的名盤CD選集】
~プラード・カザルス音楽祭 第1巻(ライヴ録音、CD4枚組)~
<Disk1>
モーツァルト:ピアノ四重奏曲第2番
ピアノ:ミェチスワフ・ホルショフスキ
ヴァイオリン:ユーディ・メニューイン
ヴィオラ:アーンスト・ウォルフィッシュ
チェロ:パブロ・カザルス
録音:1956年7月7日
シューマン:ピアノ三重奏曲第3番
ヴァイオリン:シャンドール・ヴェーグ
ピアノ:ルドルフ・ゼルキン
チェロ:パブロ・カザルス
録音:1956年7月11日
<Disk2>
ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲第1番
ヴァイオリン:ユーディ・メニューイン
ピアノ:フェフィツバ・メニューイン
チェロ:パブロ・カザルス
録音:1959年7月18日
ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲第4番(幽霊)
ヴァイオリン:シモン・ゴールドベルク
ピアノ:ルドルフ・ゼルキン
チェロ:パブロ・カザルス
録音:1954年6月18日
<Disk3>
ブラームス:ピアノ三重奏曲第3番
ヴァイオリン:ユーディ・メニューイン
ピアノ:ユージン・イストミン
チェロ:パブロ・カザルス
録音:1955年7月13日
ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲第5番
ヴァイオリン:シモン・ゴールドベルク
ピアノ:ルドルフ・ゼルキン
チェロ:パブロ・カザルス
録音:1954年6月18日
<Disk4>
バッハ:無伴奏チェロ組曲第3番
チェロ:パブロ・カザルス
録音:不明
ベートーヴェン:チェロソナタ第5番
チェロ:パブロ・カザルス
ピアノ:ミェチスワフ・ホルショフスキ
録音:1953年6月
ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲第9番「カカドゥ変奏曲」
ヴァイオリン:シモン・ゴールドベルク
ピアノ:ルドルフ・ゼルキン
チェロ:パブロ・カザルス
録音:1954年6月18日
CD:MUSIC & ARTS 688-4
このCD4枚組のアルバムは、チェロの神様・パブロ・カザルス(1876年―1973年)が、コロンビア社の資金協力を得て1950年からフランスのプラードで主宰した「プラード・カザルス音楽祭」のライヴ録音盤である。スペイン出身のカザルスが何故フランスのプラードなのかというと、当時カザルスはスペイン内戦を避けてスペインとの国境に近いフランスのプラードに移り住んでいたためだ。同音楽祭は、毎年7月末から8月中旬までカニグー山のふもとのサン・ミシェル・ド・キュクサ修道院で開催される室内楽のための最高峰の音楽祭で、1976年にはプラード音楽アカデミーが設立され、若い演奏家のための器楽・室内楽のマスタークラスが設置され多のに続き、2005年からは作曲コンクールが創設されている。カザルスは、チェロの近代的奏法を確立した20世紀最大のチェリストと言われ、特に、それまで単なる練習曲と考えられていたバッハの「無伴奏チェロ組曲」(全6曲)の価値を再発見し、広く世界に紹介した功績で知られる。1908年以降は、チェリストと同時に指揮者としての活動も開始した。このCDには、1953年~1959年に開催された「プラード・カザルス音楽祭」の模様が収録されている。思ったほど音質は悪くなく、当時の一流の演奏者たちによる名演奏を存分に聴くことができる。(蔵 志津久)