マンション管理組合奮闘記

とあるマンション管理組合の管理に関する行動記録です。管理会社変更で管理委託費削減に成功。組合活動の情報公開にブログ活用中

緑区マンションサポート交流会(8月)

2007-08-05 17:41:04 | マンション交流会
先月は、草刈作業の翌日で、ダウンして不参加でした。

今回のテーマは、「管理組合の現場の紹介」、「管理会社との賢い付き合い方」


「管理組合の現場の紹介」
インターネット上のサイト「マンション管理新時代」から、高田七穂さんの管理組合訪問記の中からいくつか抜粋して内容を紹介してました。

退任せずに増える理事が地域活動にも取り組む
管理員は交代で、アイデア満載の自主管理
スピードが身上、理事会が総会に変身することも
電話と訪問、顔の見える運営で総会の出席率が向上
支出の大幅見直しで剰余金1500万円

参考になったポイントは、

理事に対する報酬を支払っている管理組合の例が多く、組合が活性化しているという点。
不在区分所有者に対しては、管理協力金という名目で別途管理費に上乗せした徴収を行なっている事。
理事が多い組合が増えてきている。任期も長く勤めている理事も多い。
など。



「管理会社との賢い付き合い方」
住宅新報社 経営コンサルタント矢内世夫著より、内容の要約の説明がありました。

経営コンサルタントとして、大企業「トヨタ」に関する数々の出版物があり、経営的視点で、マンション管理を語るということで、座長がセレクトし、要点をわかりやすく解説していただきました。
マンション管理にも経営的視点で捉えて考えてみるという点が、今までのマンション管理についてのいろいろなアドバイスとはちょっと切り口が違って鋭くえぐっている。


マンションライフを全うするには?
費用(管理費など)建物設備、人間関係、日常管理が満足するとき、良いマンションの条件が整ったと言える。
管理の主役は組合である、管理会社は管理の主役ではなく代行者である。
主役である組合が、主体性を発揮して改善を進めようとすしない限り良いマンションにはならない。
管理会社の仕事は基本的には維持管理なのである。
良質の管理を追及しながら、できるだけ負担(費用)が増えないようにコントロールできるのは組合しかない。活力ある組合だけが、それを可能にする。
「良いマンションの条件」づくりと、「活力ある組合」づくりは同義語と考えてよい。

管理費等の問題点を解剖する。

都内マンションの管理費の㎡単価(最近の中古マンションの仲介広告から)
所在地 築年 面積㎡ 戸数 管理費/㎡ 修繕積立金/㎡
赤坂 昭和53 51.80 31 436 436
薬王寺 平成5 58.80 17 610 121
新中野 平成7 54.20 31 220 330
面影橋 昭和60 53.40 62 274 193
阿佐ヶ谷 平成11 63.80 47 273 124
音羽 平成13 57.60 48 316 76
四谷 昭和57 62.90 68 266 80
市谷 昭和58 56.90 85 239 100
麹町三 昭和46 43.70 20 236 94
下落合 平成10 40.00 44 172 92
平均 築15年 54.30 45 304 165
当マンション 築22年 63.90 39 263 161


組合の5つの病気を予防せよとの事。
弱い体質の組合がかかりやすい病気
○管理会社言いなり症--管理会社に任せきりになり、管理コストが高くつく。
○理事マンネリ症--理事の問題意識が低下して、対策を先送りする。
○理事長独断専行症--権限が理事長に集中し、何でも独断で決めてしまう。
○業者癒着腐敗症--業者からの諸々の誘惑に乗せられ所有者の利益に反する。
○理事会分裂症--理事の中に派閥ができ、他の理事の意見が通らなくなる。


組合にこういう病気が定着すると所有者の共同の利益は守れなくなる。
共同の利益を守るにはリーダーシップが不可欠だ。
リーダーシップを支えるものは、「皆のために、組合のために」という使命感である。
組合内部に5つの病気があると思ったら、自分から改革の手を挙げるべきだ。
改革には摩擦、批判は避けられない。八方美人では改革はできない。

超一流企業でも、トップが代われば業績だけでなく、企業体質まで変わってしまう。管理組合も同じである。
企業はトップになりたい人は山ほどいるが、組合はその逆である。
そのため、長期政権を生み、停滞や腐敗の原因になりやすい。徐々に他の人や若い人に理事の席を譲り、次の三役候補が育つような流れを作るのは、理事長の使命である。


参加して気付く点
管理会社任せにすることは、一見楽であるが、見えないお金が消えていく。
管理会社は、所詮マンション管理をするものであり、マンション資産価値の向上に向けた取組みはあくまで所有者自らが汗を流してこそ維持向上する。
専門知識がなくても、組合活動への参加意識があれば、協力してできることを継続的に行なうことが重要で、管理会社に対して、設備の問題点を早期に発見するなどの目が重要な役割を持っている。


4月度 市マンション管理組合交流会

2007-04-01 18:25:06 | マンション交流会
市が無料で展開している、マンションサポート施策も新年度に入りました。

いつもの座長が長期加療の為、変更になりました。
(資料はいつもながら座長が作成したものが配布されました。きちんと整理された資料でいつも感心させられます。)

今回のテーマ
”管理組合理事”のなり手がいない”という問題について討議しました。

国土交通省のH15年度調査をベースに様々な意見交換がありました。
某管理組合では、理事を辞退する場合、辞退金の徴収も検討しているとか。
ある管理組合で、なり手がいなくて困っていて規約で役員報酬を理事会出席時に支払う方法に変更した所、応募が殺到したという事でした。
(理事を辞退する理由のわりに、報酬制にすると、その理由がなくなってしまうのも不思議です)
自分の家ならば、維持管理には無報酬で作業するのは当たり前なのですが、マンションに変わると急に立場がかわってしまうのもいかがなものかと。
逆にマンションの場合には、複数の理事で検討をするので一人で何もかもやるよりも楽なはずなんですけど。(課題は多いですが)

来月は、5/13(日)の開催になります。
緑区の交流会も出席組合が固定傾向です。新規参加がないのも淋しいです。
これだけ沢山のマンションがあるのに、皆さん無関心なのか、有効性が良く判っていないのか。
もう少し宣伝活動が必要かもしれません。

2月度横浜市緑区マンションサポート交流会

2007-02-04 18:16:40 | マンション交流会
毎月、参考にさせていただいている、横浜市のマンション交流会に参加してきました。

今回は、管理会社の変更事例として、我々の事例を発表して欲しいと依頼され、約30分程度、経緯と手順、ポイントなどを紹介しました。

この問題については、関心は高いようで新規に参加の組合がありました。
(毎回座長さんがはがきでテーマの案内を送って来てくれます。今回、このはがきを見て初めて参加という方もいらしたので是非今後も続けていただきたいものです)

先月、同様な課題を検討している管理組合の理事の方より相談されたりしておりましたので、参考になっていただければ幸いです。
他のマンションでも同様の取組みを自力でやられたという事例も紹介がありました。
やればできるのですねぇ。ただし、約6ヶ月位かかったそうです。

この交流会は、当初は市がマンション管理組合への支援策として各区に設置し、マンション管理士さんがアドバイスする形態だったのですが、私の私見ですが、一番の参加のメリットは、同じような課題を抱える管理組合がいっぱいあって、それぞれ色々な取組みをしていて、それなりに参考になる意見が聞けるので、自信がつくと同時にやればできるという安心感を持って帰ることが出来る点でしょうか。

序々に参加組合も増えてきています。
聞くところによると、川崎市ではこのような取組みがないそうです。

無料ですから、そういうサービスはどんどん活用すべきです。


1月のマンションサポートセンター討議内容のご案内

2007-01-12 00:17:09 | マンション交流会
 1月度緑区マンション管理組合交流会のご案内
  ☆開催日;1月14日(日曜日)10:00~12:00
☆場 所;白山地区センター(TEL 045-935-0326)
  あけましておめでとうございます。
        本年もよろしくお願いいたします。
<1月14日交流テーマ>①マンション性能・機能の陳腐化対応
を含む「マンションの再生・グレードアツプ」改修こついて、
その他意見交流会。
参加組合皆様の現状・抱える課題、対応状況・解決の実例など
お互いに話し合い・知恵を出し合って管理組合運営のよりよ
い解決の方向を見い出して行きたいと考えています。
多くの皆さまのご参加をお待ちしています。
☆交流会は毎月第1日曜日10時より開催しています☆
   (2月は第1日曜日の4日(日)です)
<今後の交流テーマ>;
・建物・住民の高齢化対応など・近隣との交流・団結は重要なテーマ(大型地
震対応、近隣トラブル、対自治会)・コミュニケーションの向上(IT活用など)
 ・まちづくりの視点形成
<前12/3日の交流会記録>;住宅金融公庫「すまいる債」の安全性;①元
金の安全性・固定金利(10年満期時)について契約書上保全(優先弁済権)さ
れ、昨年総資産52兆円に対し優先弁済権付き債券は2.5兆円であること、
②H19年の行政法人への移行後も金融公庫の運用資金が保全される体制(従
来の金利の逆ざや不足時の 財投依存の廃止に代わって「フラット35」(住宅
ローン)を証券化し資金を手当てする手法で補完され、その証券評価はAAA
と極めて高い評価が維持されていること、③不良債権率が3%と低いこと(健
全指標は7%以下、4%以下ならなおよし)、④その他契約上の要件、10
年間の積立の仕組み,金利の推移等につき理解できた有意義な交流会でした。
横浜市マンション管理組合サポートセンター(045-663-5459)
               緑区SCメンバー一同

11月度緑区マンション管理組合交流会

2006-11-05 18:37:15 | マンション交流会
11/5(日)AM10:00-12:00
白山地区センター

今回のテーマ
①専有部のリフォーム、フローリングの騒音問題について


フローリングの遮音性能については、素材の等級だけで遮音性能が保証されるものではない。施工の方法によっても変わる。

トラブルの解決の特効薬はない
管理組合全体の問題として取り上げ、一人の住人を加害者として攻め立てるのではなくみんなでフローリングリフォーム問題を学習することで、トラブルを減らすしか方法はありません。
十数年前までは、マンションの床はじゅうたんを敷くのが主流でした。じゅうたんの吸音性能をベースにして、コンクリート床の厚さも平均15センチと現在の20センチより薄くなっています。
新築のマンションがほとんどがフローリング仕様になっているから、うちもフローリングに替えても良いだろうと多くの人が何の疑いも無く思っていることでしょう。そのままフローリングにすれば、トラブルが起こるのは当然の帰結です。

フローリング性能の高い製品を使ってもじゅうたんには劣ります。

管理規約(専有部分修繕等工事実施細則)の考え方

マンションで一番トラブルが多いのは音の問題です。音については、生活スタイルや人により感じ方が違います。ダニやカビの予防としてフローリングに改装したいという要望も多い中、他人に迷惑を及ぼすから禁止もできません。
 フローリングに表示されている遮音は、実験室などのある一定条件での工事施工の状態で初めて出る性能で、実際には、施工の方法によりばらつきが大きく出るため大半は、1~2ランク下の遮音しか出ないのが実態のようです。このことを十分理解したうえでトラブルを未然に防ぐことについて検討を深めておく必要があります。
 例)○テーブルや椅子の移動時の”ギー”という音を低減させるため、足の下に保護テープ等を貼っておく。(フローリングに傷をつけない上でも効果がある)
   ○テーブル下にはマットを敷く

管理規約では、専有部分の修繕工事実施細則などで、着工前に理事長に申請書を提出して承認を受けてから工事を始めることは当然ですが、次の2項目を入れておく必要があるということです。

①フローリング工事には遮音等級(L45~L40)以上の材質を使用すること
②上下左右に位置する住戸の同意を受けた同意書を工事申請書に添付すること

理事会の承認にあたっては、専門家に聞くなどして妥当性の評価の配慮をしておくことも重要としています。
お互いに快適に暮らすために、事前に理解しあうことが何よりの解決方法です。

その他の今後考慮すべき課題
高齢化対応
段差 - 1cmでの転倒事故が多い
バリアフリーなどを考慮するなら3mm以下

他のマンションでの対応事例
仕様の細かい部分は、内規で規定している
 - 釘の打ち方
 - リフォーム施工細則
    L45~L40を想定して細則には最低条件として大きな問題が起きないように
騒音防止対策の知恵を公開する
など

②エキスパンションジョイント(建物の変位量)について
地震の際、建物の揺れにより、接合部が大きく破損することを防ぐために設けられたジョイントについて資料をベースに説明。


③ペイオフ対策について(その1)
資料にもとづき説明

以上

11月のマンション管理組合交流会テーマ

2006-11-04 23:39:53 | マンション交流会
一週間程海外出張で不在で、金曜に帰国しました。

11/5(日)のマンション交流会の案内が来ていました。
疲れているけど行くことになりそうです。

今回のテーマは、
①専有部のリフォーム、フローリングの騒音問題について
②エキスパンションジョイント(建物の変位量)について
③ペイオフ対策について(その1)
です。 
内容については、参加後再度アップする予定です。

横浜市では、各区毎月第一日曜 10時~12時で開催しています。


「住む人が育てる安心マンション」 (抜粋)

2006-10-01 18:59:57 | マンション交流会
今日参加した、緑区のマンションサポートセンターの交流会で、マンション管理士の方より、貴重な情報をいただきましたので、その資料を紹介させていただきます。
管理士の方も、現在、居住するマンションの理事長を務められており、我々の立場を理解した上で、これから起こりうる問題点に対して真剣に取り組まれています。

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今 当マンションは,人(=高齢化),建物(=築30年),管理(=管理会社への委託)など,いろいろな面で転機を迎えています。
 このことは,これから当マンションをどう維持管理していけば良いのかについて,さまざまなことを考えさせられます。

有馬百江さんの「住む人が育てる安心マンション」をご紹介します。
参考にしていただければ幸いです。

「住む人が育てる安心マンション」(抜粋)
有馬百江(集合住宅管理組合センター 事務局長)(岩波ブックレットNO.477)

 おまかせ主義で気楽?
「鍵1つでプライバシーが守れますよ」,「管理費と修繕積立金を毎月払っていれば,面倒くさいことはしなくても結構です。あとは管理会社におまかせください」というのが,分譲業者のうたい文句の1つです。そんな言葉に魅力を感じて,マンションを購入された方も多いと思います。
管理会社が湯水のごとく管理費や修繕積立金を使っても,管理会社からいわれるままのお金をいくらでもあなたが出せるとしたら,おまかせ主義に徹するのもかまわないでしょう。
しかし,分譲業者や管理会社が大家で,みなさんは賃貸住宅に住んでいるのではありません。一生に一度あるかないかの高い買い物をして,マンションを購入したのです。分譲マンションは区分所有者一人ひとりが大家です。
「自分ひとりぐらい協力しなくても,だれかが責任をもって維持管理をやってくれるのだろう」という気軽さは通用しません。

 どんな立派なマンションでも放っておけば老朽化する
建物は,さまざまな材料で構成されています。それぞれの材料固有の性質を安全に維持できる期間を「耐用年数」といいますが,適切な管理を怠ると,耐用年数内であっても材料の交換や修繕が簡単には行なえなくなり,回復に多額の費用を要することになります。
たとえば,よく目にするのはコンクリートのひび割れです。最初は小さなひび割れでも,雨水や空気中の炭酸ガスなどが浸入し,その影響で,だんだんコンクリート内の鉄筋が錆びていきます。さらに劣化が進行すると,錆びた鉄筋が膨張してコンクリートを押し出す「爆裂現象」を引き起こします。
そのような劣化個所を早期に発見して補修すれば,進行を早く食い止めることができます。
 建物診断はマンションの健康診断
建物は,よく人間の体にたとえられます。人間も建物も生まれた(建てられた)ときから老化が始まります。健康で長生きするには,定期的に健康診断を行ない,もし病気が発見されれば早急に治療方法を検討し,大事にいたらないようにします。
建物が治療不可能になると,その建物の寿命が尽きて,建替えということになります。昨今は築後わずか40年ぐらいで建替え計画が浮上していますが,鉄筋コンクリート建造物本来の寿命は60年から70年といわれています。
都市部における分譲マンションをとりまく建替えの条件は非常に厳しいのが現実です。建替え費用を負担できない居住者が少なくありません。 また,建築基準法改正以前に建てられたマンションの中には,現行法のもとでは再建築できないものもあります(既存不適格)。
そうであるならば,今住んでいるマンションをいかに大事に使って,長持ちさせるかを考えましょう。適切な早めの修繕は,その建物を長持ちさせるための秘訣です。そのためには,劣化状況と修繕方法を判断する材料となる定期的な健康診断が必要です。
また,長期修繕計画を作成する場合も,劣化状況を把握してはじめて,修繕をいつごろ行なうかがわかるのであり,修繕項目もマンションによって異なりますから,現地調査が必要です。

 
 長期修繕計画はあくまでも目安
分譲業者や管理会社が提出した長期修繕計画書は,修繕の根拠となる積算資料の添付もなく,一つの目安としかならない簡易なものが多く見受けられます。
ところが,目安のはずの数字がいつの間にか独り歩きして,工事時期になると,その長期修繕計画の数字がそのまま管理会社の工事見積り金額に化けている,ということもよくあります。長期修繕計画の工事金額はあくまでも概算であるはずなのに,いつの間にか管理会社の「営業材料」として使われているケースが多いのです。とくに修繕時期は,劣化状況を判断しなければ決定できないにもかかわらず,「長期修繕計画に基づいていますので」と平気で,工事実施時期をそのままそっくりに合わせてきます。
管理組合の懐具合がわかっている管理会社は,築4年目ごろから,修繕積立金を使わせることに積極的になるようです。そして,ポンプのオーバーホールに○十万円,防御フェンスに○十万円等々,次々と小規模の修繕項目を並べ立てて,次期予算案として総会に提案してきます。無関心な区分所有者が多く,ほとんどが委任状の総会では,その予算はすんなり承認されます。そうなれば,理事会が相見積もりをとるひまもないほど素早く,管理会社はその修繕を予算額で実施してしまいます。手続き上は一見なんの問題もないやり方で,あっという間に修繕積立金は消えてしまいます。10年過ぎて,いざ大規模修繕工事を計画する段になると,あるべき積立金はほとんど残っていません。

 管理組合が主人公
マンションを買う人は,自分の住む空間である専有部分だけをイメージして購入することが多く,敷地や,建物内部の廊下や階段といった共用部分も含めて購入していることは忘れがちです。しかもその共用部分の維持管理は管理会社が行うため,マンション購入者(区分所有者)が主体性をもって維持管理しようという意識が生まれにくくなっています。
どんな管理をするのかを決めるのは,管理組合つまり区分所有者です。自主管理ではこのことが実感されやすいのですが,全面管理委託では見過ごされがちです。管理会社に管理を全面委託している管理組合は,全体の約8割にも達しますが,支払ったお金に対して充分なサービスを受けるどころか,大事な修繕積立金をなし崩しに使われて,建物の保全が危うくなっているマンションも少なくありません。
しかし,そのような場合でも,管理会社ばかりが悪いとはいえず,結局のところ,主体的に維持管理に取り組むことなく,自分たちの財産を自分たちで守る意識をもたずにきた管理組合にも責任があるのです。
 無関心が悲劇を生む
管理会社にとっては,組合員の無関心さは非常にありがたいのです。お金をどのように使っても総会で質問・追及されず,決算・予算がすんなり承認されれば,管理会社が使いみちを決めることができます。
お金の使いみちをチェックする際には,できるかぎり明細を出すように管理会社に要求する必要があります。
たとえば,管理会社の作成する決算書に「定額管理費」とか「委託管理費」とよばれている項目がありますが,総額の数字だけしか出ていない場合,その中には本社経費や一般管理費とよばれる管理会社の利益に相当する金額まで含まれています。点検業務など管理会社が他の会社に再委託している業務については,再委託先とその契約内容も教えてもらうことが必要です。
管理費だけでなく修繕積立金の使い方にもチェックが必要です。
管理会社経由では2~3割高くて当たり前,極端な場合は5割高い見積もりが出てくることもあります。工事金額にもよりますが,管理会社まかせではなく,必ず3社ぐらいから見積もりをとることをお勧めします。

情報を集めよう
大事なところを管理組合がきちんとチェックし,管理会社を上手に使うためには,情報が不可欠です。
管理会社からの情報だけでなく,テレビ・新聞や書籍,管理組合の団体などから情報を集めて,マンション管理の中身をよく知ることです。そうやって得た情報は,管理会社とサービス内容や金額の交渉をする際に役立ちますし,その情報をもとに管理会社に対して情報開示を求めることもできます。
管理会社が誠実な対応をするかどうかは,管理組合がうるさいくらいのチェック機能を持っているかどうかにかかっています。

 行事だけがコミュニケーションではない
マンションは,さまざまな年齢や職業,生活パターンをもった人たちが集まって住んでいますが,何かきっかけがないと,お付き合いに発展しません。
「人と人が集まって住むにはコミュニケーションが大切だ。さあ,親睦を深めよう」と,いきなり管理組合理事が居住者に声をかけ,全然知らない者どうしが集まってお祭りや親睦会を開いたとしても,参加者も少なく,いまひとつ盛り上がりに欠けます。それはなぜでしょう。
町内会的な人付き合いが煩わしいからマンションを選んだという居住者もいますので,親睦を深めるために行事を行なってコミュニケーションを形成する,という図式はマンションには必ずしもあてはまらないと考えた方がよいでしょう。
それよりも,居住者の関心のあることを通して,話し合いの場を作っていくことが重要なのかもしれません。

 居住者の顔が見えてくれば生活マナーはよくなる
人が集まって住むためには,規則やマナーがないとスラム化してしまいます。そこに住みあわせた人が,自分たちのマンションをスラム化させないで良くしようと思わないかぎり,だれも何もしてくれません。
だれも人間関係を良くしようと思わないばかりか,集まって住んでいる意識もなく,ルール無視の空気がしだいにはびこってきます。たとえば,エントランス周辺の汚さが目についたり,廊下に唾やタンを吐いたり,タバコの吸い殻やゴミが落ちていてもだれも気に止めなかったりと,すさんだ現象が表面化してきます。
こうなると,環境の悪化はあっという間にマンション中に広がり,人間関係がすさんでいる雰囲気が外部から入ってもわかるようになり,スラム化が進行していきます。
「人心のスラム化が建物のスラム化につながる」とは,よくいったものですが,あなたのマンションは大丈夫ですか。こんな状態が目につきませんか。
 居住者の高齢化に寄り添うマンションにマンションは,鉄筋コンクリートだから半永久的に長持ちするという錯覚はもたないでください。維持管理・保全のために定期的にお金がかかります。管理組合が集める管理費と修繕積立金が適正に運用され,効率的に使われているかをチェックしなければ,将来にわたって快適なマンション居住は保証されません。
そして,その作業は他人まかせではできません。管理組合を中心として居住者が関心をもつことです。
とくに,建物と人が老いる前に,活力のあるうちに,管理組合主導のマンションを築いてください。バブル崩壊前,「終(つい)の住み家」は戸建て,マンションは「仮の住まい」と考えられていました。今,戸建てにすんでいた高齢者が,階段の昇り降りがなく,冬暖かく,周りに人がすんでいて安心というマンションの良さを感じて住み替え,マンションに「終の住み家」を求めはじめています。
高齢者が,安全で豊かに安らいで住めるマンションは,たぶん,誰にとっても住み心地の良い居住環境なのではないでしょうか。
鉄とコンクリートの塊に「ぬくもり」を入れるかどうかは,あなた次第です。


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マンション管理士からのコメントです。

この資料は,私のマンションが,昨年 自主管理を捨て,過大な期待を持って管理会社への委託を決めたときから,危機感を感じて準備してきた資料でした。
今年 理事長になり,理事会内には展開したのですが,ニュース発行のタイミングに間に合わず,マンション内には展開できないままで終わりました。

それだけに,今日 掲載されているのを見て,ようやく陽の目を見たような嬉しさがこみあげてきました。

有馬百恵さんの文章は,マンションの目指す方向がハッキリと示され,説得力を持ったいい文章だと思います。特に最後の文章は,好きです。
「建物と人が老いる前に,活力のあるうちに,管理組合主導のマンションを築いてください。・・・・

高齢者が,安全で豊かに安らいで住めるマンションは,たぶん,誰にとっても住み心地の良い居住環境なのではないでしょうか。」




緑区マンションサポートセンター交流会(第13回)

2006-10-01 16:03:29 | マンション交流会
10/1 緑区マンション交流会

役員任期
管理規約
  集会>管理規約>細則>区分所有法>民法
  規約は区分所有法に勝る
平成15年マンション調査(国土交通省)


リフォーム (フローリング交換)申請

上下、両隣接戸の承諾を取る事を申請書に加える
もし監査等の判断が必要となった場合、検査費用の負担
4(施工者),4(検査を求める人),2(管理組合)

(意見交換)
理事会の仕事のシステム化が引継ぎをスムーズにする。
業務の内容の精査

新メンバーへの引継ぎ
総会前に、メンバーを集めて説明会(2H程度)を実施
役割分担
年間作業計画実績確認表

高齢化への対応をどうするか
全員参加型

第12回マンション管理フェア
2006年10月29日(日)、30日(月)
都立産業貿易センター(浜松町館)
東京都港区海岸1-7-8
主催:NPO日住協
後援:国土交通省他

以下のテーマに興味があります。

10月29日
13:00 ― 14:20
パネルディスカッション(2)
テーマ:マンションと近隣町内会との
    コミュニティづくり

10月30日
11:00 ― 12:20
パネルディスカッション(4)
テーマ:管理組合として防災準備をどこまでするか

14:40 ― 15:40
パネルディスカッション(5)
テーマ:防犯カメラの運用を考える


緑区マンションサポートセンター交流会(第12回)

2006-09-03 17:14:46 | マンション交流会
毎月定例のマンション交流会に参加してきました。

9月第1週ということで参加者の大勢の方が居住するマンションでの防災訓練を実施しているようで不参加となっていました。
(ということは、かなりのマンションで防災訓練をやっている?
 うちは一度もやっていないということでびっくりしました。)

今回のテーマのうち、理事の任期1年問題については、提起者が不参加の為、次回に延期となり、残りのテーマで討議しました。

1.植栽管理について
サポートセンターメンバーでかつ居住マンションの管理組合で長年、長期修繕計画の策定等に携わり、派生的に植栽管理計画実行までを担当されている方の事例紹介がありました。(終了後、実際に見学させてもらいました)

グリーンボランティア活動
植栽管理のうち業者でなくてもできる範囲の剪定はグリーンボランティアを募って行なっている。


緑の相談会
専用庭など、個人庭の管理の相談などを定期的に行い、一部の不管理による荒れ放題の庭などの景観を損ねることのない管理、グリーンボランティアの習得した知識の有効活用を実践している。

一般会計のうち、植栽費が占める割合は、25-30%であったが、グリーンボランティア導入後は18%まで押さえられているそうです。

樹木管理番号
紹介のあったマンションでは、大規模な敷地の為、まず、木の”国勢調査”を実施して、地図を作成した。

敷地内の全ての樹木に管理番号を付け、それぞれの種別毎に剪定単価を設定し、見積等の正確性を高める。高木などは専門業者、中低木など種別によってはグリーンボランティアによる管理区分を分けている。


木のベンチ

共用部分の通路のスペースには木のベンチが設置されている。
しかし5年もすると、腐食が進み危険となってしまったため、撤去を予定しているとの事。
近年では、最初に腐食防止の加工を行なうことで寿命を延ばすことが可能だそうです。
設置の場合には十分な調査と対策が必要だと感じました。


通路部分のインターロッキング化
従来まで通路部分はタイル張りだったため、雨天時に滑ったり、変色してしまったとの事で、滑らない合成ブロックを交互に隙間なく敷き詰めた。
(最近、良く見かける対策ですね)
また、殺風景にならないように、プランターを設置して、花などを植えている。




ここは築27年を経過し、2回の大規模修繕を実施しているとの事。
屋上防水は、20年経過まで実施しなかったという。大規模団地型のため、漏水の事例が数例出た時点で一斉実施する方針だったという。

居住者の高齢化に伴い、2回目の改修工事では、階段の手すり設置や、グレードアップ化として集合郵便受けの交換(ダイアル式ロック)などを実施している。




今回の情報は、大変有意義なものとして、今後の計画の参考になりました。

9月度緑区マンション管理組合交流会

2006-09-02 19:13:41 | マンション交流会
9月度のマンション交流会のテーマの案内が来ました。

日時:9/3(日) 10:00-12:00
場所:白山地区センター
テーマ:1)役員人気1年への疑問、委員会との関係
    2)地上デジタル化と対応
    3)樹木管理 他

参加希望の方は、朝9:40にエントランス前に集合してください。

8月度緑区マンションサポート交流会(第11回)

2006-08-06 12:52:46 | マンション交流会
日時:平成18年8月6日(日)
場所:白山地区センター

今まで討議したテーマ、未討議のテーマを再度見直して要望の高いテーマについてディスカッションを行う。

交流会で取り上げたテーマ
「長期修繕計画の必要性」
「耐震強度偽装問題

マンションのグレードアップに関して
書籍紹介
国土交通省 マンション再生マニュアル「発行:ぎょうせい¥2500」
国土交通省 マンション立替マニュアル「発行:ぎょうせい¥2500」
HPよりダウンロード可能。

ペット問題
餌付けに対する検討
ペット飼育者から自主的にルールを策定し、苦情の受付け窓口を作り、対応する。
ペット管理委員会を作る。旨い演出が必要

並木3丁目のルール厳しい
有料化して、教育、管理を徹底している考え方

アンケート結果容認になったが、駆け込み飼育者がルール不徹底により苦情が増加。禁止に改定した。

飼う為の条件
共用部分としてどういうことが必要かの対策検討が必要。
例えば、廊下、エレベータでは抱きかかえる等

放置自転車
敷地内に放置されているマンション所有者以外の自転車については、警察に届け出て、市環境清掃局で処分してくれる。
敷地外の場合には、警察に通報することんで処分できるらしい。


セミナー紹介
①9/2(土)PM2:00 情報文化センター
  「マンション法の功績・限界・課題」
    (神奈川マンション研究会
②10/22(日)PM10:00-13:00 開港記念会館
  「水道直結増圧方式」「地デジ放送対応」「耐震偽装への取り組み」
横浜住宅フェア2001 横浜マンション管理センター主催

次回:9月3日(日)

緑区マンションサポートセンター交流会(第10回)

2006-07-02 13:55:16 | マンション交流会
今回のテーマはマンション管理と長期修繕計画ということで、話を聞いてきました。

7/2(日)10:00-12:00
白山地区センター

長期修繕計画とは?
共有財産の価値を維持、高めるために計画し、常に見直し更新を行っていくものである。
理事会とは別の組織で継続性を持たせることが重要。
技術の進歩による、コスト低減技術の導入により計画を修正。
(塗装など、以前は1回/3年だったものが、1回/6年になっている)

大規模修繕一戸当り費用(総額÷戸数)
      54万/戸(12年目)第1回
      80万/戸(24年目)第2回
長期修繕計画は2年毎に更新をして、報告冊子を制作。(参考として入手)
(合宿等も実施)

討議など)
高齢化対応への対応を考えている管理組合が増加
スペースなどの問題でスロープの設置が難しい場合、階段を利用した昇降設備
への需要が高まっているが適当なものがないので、KIOSKなどで利用している階段での荷物運搬システムを応用した仕組みなど開発できないか?
緑区役所で2台貸出評価用の設備があるので試してみる価値はあり。
高齢化により、風呂場での死亡事故が増加傾向。
防犯 - あいさつ運動
自治会などの組織と横断的に理事会、修繕委員会を設置することにより、それぞれのコミュニティー形成に相互連携させ、無関心から積極的参加型に変化する。

など役に立つ事例を紹介いただきました。






7月の緑区マンション管理組合交流会

2006-06-28 16:25:11 | マンション交流会
毎月開催されている市のマンション組合へのサポートの今回のテーマの通知が来ました。
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開催日:7月2日(日)10:00 - 12:00
場所: 白山地区センター
メインテーマ:「マンション管理と長期修繕計画」
今回は、本交流会に参加されているある管理組合さんの活動実例を発表していただくことになりました。
管理組合には、建物設備、住環境、生活環境、コミュニティ環境、組織体制、資金計画等多岐にわたる維持保全活動とたゆまぬ改善と前進が託されています。さらにこれらを短期、中期、長期の視点で策定しビジュアルに居住者に示すことは合意形成に資するのむならず、わが住まい・わがまちへの愛着と管理組合への参加意識がはぐくまれていくのではないでしょうか。そのような管理組合活動のひとつとして、今回の発表を参考に意見交流を図りたいと思います。
多くの皆様のご参加をお待ちしています。
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との事です。

我々としても取り組まなければならない大規模修繕計画と合わせて長期修繕計画の見直しにむけた参考材料になるかと思いますので、理事の方の参加をお待ちします。(理事以外の方でも関心のある方も歓迎です。)

希望の方は、理事長までご連絡下さい。


6月度 市マンション管理組合サポート交流会(第9回)

2006-06-04 13:06:42 | マンション交流会
6月の市の管理組合サポート交流会に参加してきました。

今回のテーマは、マンションの老朽度の自己点検方法についてでした。

放っておくと問題となる亀裂や爆裂箇所の早期発見が重要ということで、日頃の自己点検ができれば、管理会社等にも報告し、対策を立ててもらうことができます。
管理会社でも定期的に巡回点検はしてくれますが、区分所有者自らが自主点検をすることの意義などの説明がありました。

早速戻ってからちょっと見てみると、ありました、ありました。
1号棟2Fの2号棟への通路脇の壁面です。
一部補修してある場所から錆が溶出しています。
これは、内部の鉄筋まで水が浸水している証拠です。
早めに対策が必要です。

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管理費と修繕積立金の相場は?

以下のサイトで上記の相場を調査した情報がありました。
http://www.jj-navi.com/edit/jj-guide/qa/contents/123402.html

地域毎に多少ばらつきはありますが一応の相場がわかります。
特に修繕積立金等は築年数で序々に増加しています。

大規模修繕費の相場もどこかのサイトにありましたが、築20年経過後の大規模修繕工事に平均額は約3000万といったところです。
現在の積み立て額に対して1000万程足りない計算になります。

前回の修繕では、借入金にて対応しましたが、今後の事を考えると見直しが必要ではないかと思います。




5月度 市マンションサポート交流会(第8回)情報

2006-05-14 14:53:55 | マンション交流会
毎月横浜市が各区ごとに開催しているサポート会議に参加してきました。

今月の議題は以下の通り。

1.マンションみらいネットの活用案内
2.マンションの防犯対策
  防犯フィルム
  防犯カメラ
 東京の防犯優良マンションの審査基準

1.マンションみらいネットについて
有料にてマンション管理組合が保管管理すべき書類等を電子化し、組合内でインターネットから閲覧可能にするというもの。

2.マンションの防犯対策
最近話題となった川崎でのマンションでの事件の後、対策についての関心が高まっている。
資料)マンションの防犯(セキュリティ)性能の総合的改善
資料)防犯対策自主工事の例
資料)神奈川県発行「防犯対策パンフレット
資料)神奈川県発行「防犯カメラの設置、管理に関するガイドライン(pdf)
資料)管理組合 防犯カメラ運用細則(例)

注目すべき点としては、最大の防止効果は、装置などのモノではなく”人”であるという点。人による挨拶運動や警ら活動により、鴨居地区においては犯罪件数が1/10になったという実例が出た。

東京都では、防犯性の高いマンションを登録制度によって資産価値を高めるといった対応を行っている。(有償)
その内容を参考に検討してはどうでしょうかというお話でした。

エントランスのオートロックがなければ、はなから防犯優良マンションにならないというのもいささかおかしいと思いますけど。
(オートロックドアの下に紙を入れるとドアが開くといった単純な事に対する対策はちゃんとしているかどうかが重要だと思いますが)

最近の事例で防犯カメラの記録映像が重要な手がかりになって犯人逮捕につながるケースが出てきているので注目が上がっています。

防犯カメラ設置工事費についてのサンプル見積の提示がありました。(回覧のみ)
カメラ4台+録画+工事費(約45万)で合計約100万程度
カメラ7台+録画+工事費で約180万程度

他の管理組合でも防犯カメラ設置について検討していた。

防犯フィルムについて
某マンションでの実施事例について紹介
全戸に対して鍵の周辺部にフィルムを貼る。サムターン回し防止グッズを配布
工事については、自主的に行うか、指導、業者への委託などの提案。
修繕積立金で賄い、既に施行済の住居については、返金処理で対応した。
(予算各戸1万以内)

何か事件が発生した後の事後対策では後手に回るので十分調査検討を今から進めておきたいと思います。

それにしてもお金がかかることばかりです。(泣)