免疫細胞やがん細胞を活性化させるたんぱく質で、過剰に働くとアトピー性皮膚炎やがんなどを招くと考えられている「NF-κ(カッパー)B」が、活動を始める仕組みの一つを、大阪大の岩井一宏教授(生化学)と徳永文稔准教授(同)らが発見した。治療薬開発の手がかりになる成果という。12日、英科学誌「ネイチャー・セル・バイオロジー」に論文が掲載される。
岩井教授らは、人体の中で、不要になったたんぱく質の分解を担っているたんぱく質の一種「ユビキチン」に着目した。マウスの細胞を使った実験で、ユビキチンの分子が直列にいくつもつながった「ポリユビキチン」が、別のたんぱく質と結びついて、NF-κBに活動を始めさせることを確認した。
NF-κBの活性化を抑える薬には、ステロイド剤などがある。しかし他のたんぱく質にも作用するため、さまざまな副作用が生じる。ポリユビキチンはNF-κBだけを活性化させているとみられるため、岩井教授は「ポリユビキチンの働きを抑えることができる物質を見つければ、今よりは副作用の少ない薬になる可能性がある」と話している。【野田武】
[毎日新聞 2009年01月12日]
http://mainichi.jp/select/science/news/20090112k0000m040102000c.html
岩井教授らは、人体の中で、不要になったたんぱく質の分解を担っているたんぱく質の一種「ユビキチン」に着目した。マウスの細胞を使った実験で、ユビキチンの分子が直列にいくつもつながった「ポリユビキチン」が、別のたんぱく質と結びついて、NF-κBに活動を始めさせることを確認した。
NF-κBの活性化を抑える薬には、ステロイド剤などがある。しかし他のたんぱく質にも作用するため、さまざまな副作用が生じる。ポリユビキチンはNF-κBだけを活性化させているとみられるため、岩井教授は「ポリユビキチンの働きを抑えることができる物質を見つければ、今よりは副作用の少ない薬になる可能性がある」と話している。【野田武】
[毎日新聞 2009年01月12日]
http://mainichi.jp/select/science/news/20090112k0000m040102000c.html