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医学研究関連記事の新聞紙面から切り抜き
再生医療、薬理学、生理学、神経科学、創薬

認識や愛情行動促す物質を特定、治療へ応用も=金沢大学

2007年02月08日 | 心のしくみ
 相手とのコミュニケーションを取ったり、母親が子どもを守ったりする生き物の「社会行動」に関係するたんぱく質を、東田陽博(はるひろ)・金沢大医学系研究科教授(神経化学)らのグループがマウスの実験で特定した。発達障害の治療に応用できる可能性があるという。7日付で英科学誌ネイチャー電子版に発表する。

 東田教授らは、脳などに多い「CD38」と呼ばれるたんぱく質を作れないマウスが、異常な行動をすることに注目。約30匹で実験を繰り返した結果、記憶能力などは正常にもかかわらず(1)雄が雌を認識する(2)母親マウスが巣から引き離された子どもを巣に戻す――といった行動にかかわる能力が、約9割のマウスで欠けていた。

 さらに、このマウスでは「オキシトシン」と呼ばれるホルモンの脳内濃度が低くなっていた。注射で補充すると行動が正常に戻ったことから、東田教授は「CD38が脳内のオキシトシンの分泌を促し、母親の愛情行動などを支えていることがわかった」としている。

 オキシトシンは、子宮収縮や母乳の分泌などに関係するホルモンとして知られる。最近になって、このホルモンが脳で働くと、「相手への愛情や信頼感が生まれる」可能性が指摘されている。他人とのコミュニケーションがうまく取れない発達障害との関係も研究されている。

[朝日新聞 / 2007年02月08日]
http://www.asahi.com/health/news/TKY200702070403.html

金沢大学Web広報誌
医学系研究科・東田教授 科学誌Natureに論文掲載http://www.kanazawa-u.ac.jp/university/administration/prstrategy/eacanthus/0702/08.html
要約:http://www.kanazawa-u.ac.jp/university/administration/prstrategy/eacanthus/0702/images/08_pdf_01.pdf


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