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がん細胞抑制につながるタンパク質発見=名古屋大学

2008年02月11日 | 癌、腫瘍
 細胞に酸素や栄養素を運ぶ毛細血管の形成を促すタンパク質を、名古屋大大学院医学系研究科の高橋雅英教授と室原豊明教授らのグループが発見、10日付の英科学誌「ネイチャー・セル・バイオロジー」(電子版)に発表した。このタンパク質を制御することで、がん細胞など病的な細胞の増殖を食い止める治療薬の開発が期待される。

 がん細胞などが増殖する際、細胞の成長に必要な酸素や栄養素を得るため組織内に新たな毛細血管が多数形成される。血管は血管内皮細胞と呼ばれる細胞が集まってできるが、その細胞の集まりを促すメカニズムは分かっていなかった。

 高橋教授らは3年前、がん細胞の他の組織への転移に重要な働きを持つ「ガーディン」と呼ばれるタンパク質を発見。今回、このタンパク質が血管内皮細胞の中に多く含まれていることに着目し、毛細血管の形成に何らかの関係があると推測した。遺伝子操作してガーディンを欠損させたマウスで、目の網膜や脳などの毛細血管が形成される状況を解析したところ、正常なマウスより4割近く毛細血管が減少したことを確認。ガーディンが、毛細血管形成の決め手になっていることを突き止めた。

 高橋教授は「ガーディンの働きを止め、血管内皮細胞の動きを抑える薬物が開発されれば、がん細胞の増殖を防ぐほか、毛細血管が異常に増え失明にも至る糖尿病性網膜症などの治療に応用できる」と話している。

[中日新聞 / 2008年02月11日]
http://www.chunichi.co.jp/article/national/news/CK2008021102086706.html


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