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食べ物のにおい認識、カギ握る細胞を解明=東京大学

2007年09月06日 | 心のしくみ
 脳の中には、いくつかの特徴的なにおいの組み合わせを認識する神経細胞があることを、森憲作・東京大教授らのグループが解明し、米専門誌に発表した。においを識別する仕組みの解明につながりそうだ。

 一つの食べ物からは100種以上のにおい分子が出ており、それらは鼻の奥でばらばらに受け止められる。だが、その情報が脳で統合され、においとして感じる仕組みは解明されていない。

 食品業界などは、食べ物のにおいを分子構造と主観的な特徴から14のカテゴリーに分け、個々の食べ物のにおいは、その組み合わせで表現できるとしてきた。例えば、リンゴは「青葉のようなカテゴリー」と「フルーティーなカテゴリー」の組み合わせだ。

 グループの大学院生、吉田郁恵さんらは、嗅覚(きゅうかく)と関係する脳の嗅皮質にある神経細胞とこのカテゴリーの関係を、ラットで調べた。その結果、さまざまなにおいをかがせた時、個々の細胞は、一つあるいは複数のカテゴリーの組み合わせに対して、特異的に活動することがわかった。

 食べ物のにおいは、情報がさらに脳の別の場所に送られて識別されるが、第1段階の情報はこのようなカテゴリーの組み合わせとして統合されているらしい。

[朝日新聞 / 2007年09月04日]
http://www.asahi.com/science/update/0904/TKY200709040414.html


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