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これからの日本スポーツを考える

2016-01-12 21:33:25 | スポーツ

今朝の東京新聞の社説の内容は、とても考えさせられます。中学生のスポーツもさらに地域に密着した物に成長させたいですよね。

 

スポーツ文化変わるか 五輪の年に考える 

 今年はリオデジャネイロ五輪・パラリンピックが開催され、四年後の東京大会に引き継がれます。日本のスポーツ文化が変わる契機となるのでしょうか。

 二〇二〇年の東京五輪・パラリンピックは、日本のスポーツ文化にどのような影響をもたらすのか。そのことを、スペインを例に考えてみたいと思います。

 四年前の深刻な経済危機から必死に脱出しようとしているスペインですが、実は世界に名だたるスポーツクラブ先進国であることはご存じでしょうか?

総合クラブの価値

 米経済誌フォーブスが昨年に試算した「世界で最も資産価値のあるスポーツクラブ」ランキングでは、サッカーのレアル・マドリードが資産価値三十二億六千万ドル(約三千九百億円)で三年連続の一位に輝き、ライバルのFCバルセロナも四位。RマドリードにはC・ロナルド、バルサにはメッシ、ネイマール、スアレスらスター選手が所属し、世界中のサッカーファンから注目されています。入場料収入、放映料、グッズ売り上げなどを合算すれば、資産価値が高いのは当然でしょう。

 ちなみに二位で並んだのは米大リーグのニューヨーク・ヤンキース、米アメリカンフットボールのダラス・カウボーイズでした。

 注目したいのはRマドリードもFCバルセロナも「総合スポーツクラブ」として、資産価値を高めてきたことです。日本でスポーツクラブというと、フィットネスジムなどを思い浮かべるかもしれません。しかし本来は「スポーツを観(み)る楽しみ」「やる楽しみ」を地域に提供する拠点を指します。例えばFCバルセロナはサッカー以外にバスケットボール、ハンドボールなどのプロチームを持ち、ラグビー、フィギュアスケート、アイスホッケーなどのチームも所属しています。

日本は「体育」中心

 さらにこれらの施設や設備を使った各競技のスクールもあり、専門のコーチが初心者からレベル別に指導することで、バルセロナ市民がスポーツに触れて楽しむ場となっているのです。

 一方、日本のスポーツで中心であり続けてきたのは「体育」です。小学校の学習指導要領には「心と体を一体としてとらえ、適切な運動の経験と健康・安全についての理解を通して、生涯にわたって運動に親しむ資質や能力の基礎を育てるとともに健康の保持増進と体力の向上を図り、楽しく明るい生活を営む態度を育てる」とあります。あくまで教育の一環で、成績の優劣もつけます。自発的に取り組んで生活に潤いを与える本来のスポーツの姿とは、対極にあるといえるでしょう。

 ただ、一九九三年にJリーグが初のサッカープロリーグとして誕生して以降、そのような学校体育を中心としたスポーツ文化も変わりつつあります。Jリーグの各クラブは小学生から参加できるユースチームを下部組織に持ち、アルビレックス新潟や湘南ベルマーレのように他競技も傘下に入れて運営する総合スポーツクラブも誕生しています。また、これまで二つのリーグに分裂していたNBLとbjリーグが一つになって今年秋に発進するバスケットボールのBリーグも、将来的に目指すところは同じです。

 これらのクラブはいずれも地元に根付いた活動を第一義とし、地域イベントへの参加、子供を対象にしたスポーツ教室の開催などを積極的に行っています。また、行政との連携を図り、スポーツ施設の充実などに取り組むことも使命として担っています。

 五十二年前の東京五輪は競技の数が二十でした。それが今年のリオデジャネイロ五輪では二十八となり、四年後の東京五輪ではさらに増える見通しです。昨年九月、専修大学で「スポーツジャーナリズム論」の講義を受ける百四十六人の男女学生に「将来チャレンジしたいスポーツ」を尋ねたところ、サーフィン、ゴルフ、壁を登るボルダリングなど四十競技以上が挙がりました。五輪のムードが高まるにつれ、それぞれが興味を持つスポーツも多様化しています。

 ただ、学生たちからは「やりたいスポーツを、どのように始めたらいいか分からない」という声も多く出ました。「いきなりチームに入っても下手だから肩身が狭いのでは」という不安も、挑戦に尻込みする理由のようです。

応援する楽しみも

 東京五輪をきっかけに、そのような人たちの受け皿となる総合型のクラブが各地域に増えることを願ってやみません。そうなれば自分が所属するクラブのトップチームや選手を応援する楽しみも加わり、日本のスポーツ文化は一層、成熟するでしょう。五輪はメダルの数だけにこだわるイベントではないのです。

 
 

 



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